NBSAネット・ニュース2004年3月
ネパールの視覚障害者を支える会
2004年春の友交トレッキング完歩
6人のチャレンジャー
春のアンナプルナ街道を行くのは 昔ながらの行商とすでに半袖姿の外国人トレッカー そんな中 リンゴン リンゴンと鐘の音が近づけば 皆さんロバですよ 左に寄ってください 段をみっつ降りると空き地ですよ というやさしい声掛けが聞こえてくる 白い杖を手にエスコートの腕にそっと手をかけて山道を一歩一歩前進するのは ネパールの目の不自由な青年6人 風も水もうまいアンナプルナ 僕たちだけでは想像もつかなかったトレッキング いまぼくらの夢が現実となって膨らんでいく 僕達はチャレンジャーだ 誰もが勇気と自信を感じとった4日間だった
ネパールの視覚障害者界では初めての 大規模トレッキングが去る3月9日〜12日まで行われました ネットニュースや会報で何度もお知らせした 日本ネパール友交トレッキングが無事に終了し ご声援くださった方々に厚く御礼申し上げます 今回のイベントはNBSAが最も力を入れている 障害者の社会参加促進と啓発運動の一環です 成果あり 確かに手ごたえを感じました 山道を登り始めると 茶屋や土産物屋の人たちが私たちをもの珍しそうに 遠巻きに見ていました 可哀相にねー 不憫だねー ネパールでは珍しくもない声が耳に入りました ところが険しい山道を進むにつれ 自然とそんな声が聞こえてこなくなりました 最終目的地のガンドルンに到着 グルン族の村を訪問すると人々の声が尊敬の言葉に変ってきました 楽しかったキャンプファイアー グルン族の人々を呼んでの民謡と踊りに誰もがうっとり グルンの母の会の代表が 眼の見えない方々がこんな遠い不便な場所に足を運んでくれて 心から嬉しく思います 本当にありがとう と大変丁寧な歓迎の挨拶を受け一同一瞬ホロリ エスコートしてくれたシェルパたちも同様でした 初めはどうしてよいかわからず 棒立ちで声も掛けれなかった人たちでしたが 日を追うにつれ お互い信頼と友情を分かち合い 最後はまるで本当の兄弟のような関係になっていきました それにしてもネパールの目の不自由な人々って健脚 ふだんでこぼこ道を歩きなれているせいでしょうか 紅一点の女学生もなんの苦もなく山道をスイスイ歩くのです さすが昨年12月に行ったトレッキング・トレーニングで選ばれた選手 ものの見事に完歩しました また苦しい急坂にかかると誰とはなしに唄を歌う 日本式にタオルを首にかけ汗を拭きながら力いっぱい唄を歌う 誰もが励まされまた一歩前進 精神のバランスが取れている人々と感動しました さて日本チームですが 今回は目の不自由な方が参加できませんでしたが ややバテた人もいて ゴルフとはかなり違いますねー 若い人には勝てないわの声も上がりました おやおや下り坂になったらネパールチームに追い越され ついにラストは日本チームになってしまいました それでも全員ネパール人を身近に感じ 寝食を共にし楽しいトレッキングになりました 日本から参加してくださったチャレンジャーの方々にも熱く御礼申し上げます
目の見えない人たちがどうやってヒマラヤを見るの
小川のせせらぎや木々のざわめき 高度を増すにつけ感じられる冷気 このような体の全ての感覚で私たちはヒマラヤを見たのです これはカトマンドゥ市内の新聞サティライト紙に掲載されたトレッキングの記事の抜粋です 第一面の下段に写真入で載りました
カセットテープ・ライブラリー第一期完成
お待たせしました ネパール点字図書館へ事業委託していた カセットテープ・ライブラリーの一部が完成しました 予定よりかなり遅れましたが2003年度の事業計画のひとつが終わりました ネパール盲人協会でも同じようなプロジェクトを展開していますが 学生用の教材が専門 NBSAは娯楽を中心とした小説が中心です ネパール文学界で高い評価を受けている大長編小説 白い虎もあります これは各国語に翻訳されていますが ネパール語の点訳がこれまでありませんでした 有名な文学が耳で聞けるようになり 大いに借用されることを祈っています
ネット・ニュース編集員が一時帰国します
私事ですが カトマンドゥ在住の渥美が3月22日より一時帰国します NBSA2004年度総会への出席が主な目的ですが 後マレーシアとタイにより あちらの視覚障害者団体を訪問します ネパール帰国は4月の末になり ネットニュース4月号は都合によりお休みさせていただきます
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NBSA カトマンドゥ(文責) 渥美資子
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