――――― NBSAネット・ニュース 2005年3月号 ―――――

 

  ネパールの視覚障害者を支える会

Nepal Blind Support Association (NBSA)

テキスト ボックス:  
    
  
   
 
 
18:00〜19:00 記念講演  講師 渥美 資子
19:00〜20:00 コンサート
ソプラノ独唱   堀之内 孝子   ピアノ 村田 亜希子
コーラス   歌声さくら   指揮 中島 みどり   ピアノ 田中 香織
問合せ先:ilte@at.sakura.ne.jp
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


大勢の方のご来場お待ちしています

 

NBSA現地活動報告 20053

 

今年に入ってカトマンドゥ支部は カセットテープ・ライブラリー事業に励んでいます  

ネパールの暦にあわせて月間のテープマガジンを発刊  その月に起こった社会的なニュースや 巷の出来事 それに障害者の催しの取材記事を吹き込んで 貸し出しをしています  今月と先月にまたがりテープマガジンを2巻作成し カトマンドゥを中心に配布しました  1巻90分です カセットテープは マスターテープは新しい物を使いますが 配布するものは 皆様方から頂いた中古を使用しています 地方への配布は回収が難しいので そのまま寄贈ということになります  現在中古のカセットは十分ですが テープの老朽化もおこるので 常時中古のカセットを回収をしなければなりません  今後とも中古カセットと教材用ウォークマンのご寄贈をお願い申し上げます   

 

 

2・1国王宣言から1ヶ月 ネパールを旅して

 

カトマンドゥ首都圏は 平静です そして豊かです しかし都市と地方の格差が激しいネパールでは 地方の状況が容易に計り知れず 情勢は依然として厳しいようです  ネパールは大丈夫なの とよく聞かれますが ネパールのどこを指して平和であるのか 即答できない状態です  国王宣言から1ヶ月後にネパールを訪問された山田さんに 国王自ら式を取る政治改革で どこがどのように変わったかを報告してもらいました 山田さんには会報10号で 相撲志願と題して ネパールの食生活について触れた記事を投稿していただき 好評を得ました  今回も伸びやかでユーモラスな視点で ネパール ウォッチを楽しまれた 山田伸枝さんの手記をお届けします 

 

アレアレまた休日制度が変わったの

山田 伸枝

約一年ぶりのネパール 21日の政変以降 さまざまな面で大きな変化が起きているとのこと 自分の目ですぐにわかることがあるのかしらと34日カトマンドゥに降り立ちました   まず何年も放置されていたパタン プルチョークの陸橋が 公共工事の積極的推進という政策とかで 急ピッチで工事が進みだしあっという間に完成間近になっています  裏通りは相変わらずゴミだらけですが表通りは清掃が行き届き 驚くほど美しくなっています  表立ったところでは確かに公共サービスの充実に向けて進んでいるように見うけられました 

 

 さて ネパールは元来土曜日が休日で 週日は日曜から金曜日(金曜日は半ドン)でした  それが国際的慣習に合わせようと19998月中旬 週休2日制を導入  土曜日と日曜日が休日となり 勤務時間も10時から17時が9時から17時となりました  ただしこれらはすべてカトマンズ盆地内の政府官公庁関係のお話  カトマンズ盆地外および民間は従来どおり土曜日が休日 10時から17時の勤務でした  

ところがビクラム暦2062年(西暦2005414日)からふたたび旧来の土曜日のみの休日に逆戻りとなることが決定です  勤務時間は日曜から木曜日は10時から17時  金曜日は9時から15時です  カトマンドゥ盆地の公務員は休日が減ると不満ですが 実はこれで民間もカトマンドゥ盆地外の官公庁も全国すべて同じ勤務体制になったわけで 第三者から見ると妥当な決定と言えるでしょう  地方から業務や陳情などでやってくる人たちは 休日をつかって土曜日にやってきても月曜日まで待つことになり いたずらに何泊もせねばならず 大きな支障を来たしていました  その人たちの訴えもしばしばあったようですが 改善はなされませんでした  なぜカトマンドゥ盆地内だけが特例になっていたのか摩訶不思議でしたが 今回の是正でやっと意見が聞き入れられたようです  これも国民に対する国王のPRかな  

休日が減るのはもちろん世界的には逆行かもしれませんが それでも多くの休暇があります  まずいわゆるhome leaveと呼ばれる年休が30日間(180日まで持越し可能) 病気休暇が12日(持越し制限がないのでいくらでも貯めることが可能)casual leave(festival leave)と呼ばれるものが計9日(これも3日間減少)昨年までは12日(持越し不可)合計年間51日の年休があります  

さあ10時からとなって 定刻勤務が守られ 皆さん勤勉に働くようになるかどうかは 蓋を開けてのお楽しみ やはりこの目で確かめに またまたネパールに行かねばならないでしょうか  

20024月から20044月まで  ネパール国立図書館でシニア海外ボランティアとして活動)

 

 

大自然 動植物の宝庫ネパール

 

ネパールは自然の恵みを受け 小さな国土に様々な動植物が生息しています  ネットニュースや会報誌にこれまで何度か紹介しましたが 今回は昆虫についてふれてみました

 

ネパールのチョウと生物多様性                                  松村 雄
 チョウは最も人の目に触れやすい身近な昆虫です  日本列島から知られているチョウの種数は260種ですが ネパールから記録されたチョウの種数は643種もあります  チョウの種数を比較するとネパールは日本の2.5倍にも及び ネパールの生物多様性の豊かさを知ることができます  現在までに記録されたネパール産昆虫総種数は8500種ほどですが 日本産昆虫の総種数は約3万種です  チョウの種数から推定すると ネパールの昆虫種数は少なく見積もっても5万種は下らないと考えられますので 解明度は20%以下 未知の部分が多いことが分かります  ネパールの生物多様性が豊かな理由として 標高100m未満の亜熱帯性低地テライから 起伏に富んだミッドランドを経て8000mに及ぶ寒帯高地の大ヒマラヤ山脈に至る地形がもたらす多様な気候変化に加えて ユウラシア大陸の旧北区とインド亜大陸の東洋区の両生物地理区の境界域にあることが挙げられます   

(ご寄稿くださった松村さんは 2年間ネパールでお仕事 ご研究を終え 昨年秋にご帰国されたシニアのボランティアです)

 

編集後記: 固めの話ですが 最近の私 渥美はよく ネパールを取り巻く国際情勢や援助とはなにかを考えるようになりました  ご存知のようにネパールは大国インドと中国にはさまれた 小さな国です  国際世論をまったく無視した国王宣言は 世界に様々な波紋を投げかけました  欧米諸国 そして日本も 21世紀にそぐわない非民主的行為として 新国王政権に非難の意を表しました  特にインドは南アジアサミットを保留にするという強硬手段で これに臨みました  北の隣国中国とインドと対立的立場にあるパキスタンは 親国王的な態度です  なんだか昔の冷戦構造のような関係になるのではないか と危惧しております そんな中欧州の援助団体が 援助の凍結やNGOの撤退を強行しました  非民主国家への制裁というわけです  私たちの協会は ネパールの弱者の中でも 最も悲惨を極めている人々を支援している団体のひとつだと思います  私たちが撤退した後はどうなるのか  それを考えると国の体制が変わっても そんなに簡単に割り切れない気がいたします  この様な状況の中でこそ障害者が社会の一員として 自尊心をもち 明るくごく自然に社会の一員として迎えられるよう 啓発活動や楽しい催しを通じて 訴えていかねばならない と思います  今後もこの地に住み 活動を続けていくつもりです  皆様のさらなる応援をお願いしたい次第です  どうぞよろしくお願いいたします    

(渥美よりこ)

 

4月号休刊の

お知らせ

 

冒頭でお知らせしましたが 4月の総会 チャリティーコンサートと講演に出席いたします  また時間の許す限り 会員 支援者の皆様と交友を深めたいと思っています  

                        そんな訳でネット・ニュース4月号は休刊とさせていただきます  どうぞご了承ください                          5月にまた会いましょう  

 

編集と文責 渥美よりこ カトマンドゥ在住

 

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