――― NBSAネットニュース 2007年9月号 ――――

 

ネパールの視覚障害者を支える会(NBSA)の会員 支援者の皆様

 

木下航志君ありがとう 

去る8月19日 盲目の18歳の歌手木下航志さんが訪ネし 滞在と在ネパール日本大使館のホールでの チャリティーコンサートを現地NBSAがバックアップしました  高校生の木下君は20日にキルティプルの盲学校を訪問し 生徒たちと交流した後 20名の盲学生が学ぶサノティミ キャンパスに移動  大学校内の学食で学生と肩を並べてネパール式のランチをいただきながら歓談しました  まさに日本とネパールの友好の架け橋を思わせる素晴らしい瞬間でした  また 木下君個人にとっては高校生活最後の夏休みを 途上国で過ごす という大変貴重な経験をし 同年輩のネパールの視覚障がい者とふれあい 何かを感じ取ってくれたものと思います

さて 21日のコンサートのほうは 立ち見が出るほどの大盛況で 前日訪問した学校とキャンパスの学生 また 普段このようなイベントに参加するのが難しいカトマンドゥの目の不自由な人々が会場に詰め掛け 観客の70%を地元の視覚障がい者が占めました  誰もが木下君の迫力ある歌声に大歓声をあげ 同時にネパール側からも出し物を用意し 女子学生の日本語による さくらさくらの合唱 それにセミプロの盲人バンドによる新ネパール国歌や民謡などの披露 さらにネパールのポップソング歌手とのデュエットなど バラエティに富んだプログラムに 閉幕まで拍手が絶えることない楽しい夕べを過ごしました  フィナーレは彩り豊かなネパール式花束の贈呈と 木下君を囲んで観客飛び入りのネパールダンス  さらに全員によるフレー フレー コウシ フレー フレー コウシのエールで 晴やかにコンサートの幕を閉じました  

コウシの歌声はヒマラヤを越え 全世界の人々に届くだろう  そして彼が私たちに見せてくれた友情は ヒマラヤよりさらに高い  ラム チャンドラ NBSA弱視者ボランティア

 

●活動報告 

8月21日 目いっぱい働いた よく頑張ったNBSAのボランティアたち

木下航志君のコンサートの前にオリエンテーションを行った成果がばっちり出ていました 

みんな長時間立ちっぱなし  日本大使館の公使からも みなさん誘導など実にスマートですね と褒め言葉をいただきました

 

9月15日 超過激 白熱戦 延長8ラウンド 子どもの日クイズ大会

今度のクイズ大会はいつですか  8月後半になってカトマンドゥ盆地内の学校から何度も電話がかかってきました  すでにお馴染みになったNBSAの学校クイズ大会  すごい熱気と対抗意識の中開幕しました  昨年は全国一のエリート校 ラボラトリースクールが初めて王座を他に譲り 今年は名誉挽回をはかり かたや 2年遅れてクイズ大会に出場して以来 徐々に頭角を現してきた カトマンドゥ盆地の田舎町のアダルシャ校の対決が 最大の呼び物でした  最終的にはラボラトリーが優勝しましたが どのチームも本当によく頑張りました  また 観客もなかなか面白く 盲学生のクイズ大会のOBが出身校の応援に来たり とても仲良く歓談していた先生方が クイズが始まると 露骨に自分の生徒を応援できないものの 生徒の答えに一喜一憂する様が 手に取るように見えてゆかいでした  手に汗握る激戦の末 最後の質問 点字の発明者 ルイ ブレイユの誕生日はいつですか の質問にアダルシャ校の学生が答えられず 残念ながら今年も優勝を譲りました  最後は和やかにおやつを食べて解散  NBSAは寸志ですが 順位別に賞金と プラスティックの文字セット それに日本の学校から寄せられた素敵なリコーダーを各学校へ配り 大変喜ばれました  

毎年書いていることですが このクイズ大会の趣旨は 学生が自信をもち 楽しんでもらうことばかりではなく 誰もが平等の教育を受ける機会を与えてもらえれば 障がいに関係なく その能力は普遍であることを 社会に示す目的も含まれています

 

●ネパール関連ニュース  

8月23日 ネパール政府 カトマンドゥの王宮など国王の所有地などの国有化を発表

ギャネンドラ国王と家族は 11月に予定される制憲議会選挙を経て 王室存続の是非が決まるまで 王宮に住むことは許される  ただしこれが王政廃止 共和制への移行と簡単にいかないのが ネパールの難しいところ 共和制移行 王室を儀礼的存在として残すか否か 政党間でもいまだにまとまっていない

 

9月5日 ネパール航空 機体の不具合にヤギ2頭をいけにえ

国営ロイヤルネパール航空は 技術的不具合を生じた機体を前に ヒンドゥーの神にいけにえのヤギを捧げた  これは空の神をなだめるためであったが 同航空はここ数週間 機体不具合が理由でしばしば運休している  ヤギ2頭で足りたのか 同航空会社の幹部は 機体の不具合は治り 運航を再開した と語り 不具合の内容については説明しなかった  ついでに大型水牛もいけにえにしたら フライトスケジュールの遅れも治るかも

 

9月2日 カトマンドゥで爆弾テロ5件 3人死亡 負傷者20名以上 

カトマンズ市内と周辺の大学やバス停で テロと見られる無差別爆発が相次いで発生し 市民を震撼させた  死亡したのは学生や主婦などで 特定の人物をターゲットにしたマオ派の爆弾攻撃とは明らかに一線を画する  昨年5月以降 多くの権利を剥奪された国王のシンパサイザーや旧国軍の兵士による反抗とも見られている

 

9月9日 統計によると昨年ネパール各地でゼネストの影響で 道路や会社 学校などが封鎖になった日が150日に至ったとのこと  それにネパールは昨年より祝祭日が大幅にカットされたとはいえ いまだに30日はくだらない  むろん公共の休みの毎週土曜日はきっちり休む  ムムムー いったいいつ働くのだろうか

 

●ネパールの民話 21 ふたつ目のこぶ                                                                        

むかし あるところにのど首に大きなこぶをもった農夫がいました  ある日農夫は畑を耕していましたが あまりの暑さに疲れを感じました  そこで 農夫は牛に草を食ませ 畑の隅でひと眠りすることにしました  さて 次に何が起こったかというと 近くの森に住んでいた妖精が 畑に遊びに出てきました  妖精は農夫が畑で寝ているのを見つけました  妖精たちは男のこぶが気に入り しばらくもて遊んで こぶを家に持ち帰りました  しかし森の仙女たちは このこぶをぜんぜんおもしろがらず 妖精をとがめこう言いました  

「人のものを持ってきてはだめでしょ  こぶを見つけたところに返しなさい」 

 もう日が暮れていたので 仙女はその日ひと晩だけ 妖精がおもちゃにしているこぶを家に置くことを許しました

 

一方 農夫は目を覚まし 自分のこぶがなくなっているのに驚きました  そして大喜びで家に帰っていきました  さて この農夫の隣の家にも大きなこぶを持つ男がいました  この隣人は農夫のこぶがなくなっているのを見ると どうやってこぶを取ったのかと聞きました  農夫は身に起こったことを隣人に教えてやりました  そして 翌日農夫は隣人を畑に連れて行き 昼寝をした場所を教えました  隣人は時を移さず すぐに横になり寝入りました  しばらくすると妖精たちが畑にやってきて 男が寝ているのを見つけると 隣人ののど首にきのう持ち去ったこぶをくっつけていきました  男は目覚め のど元にもうひとつのこぶがくっついているのに気付き 大いに落胆したそうな  

 

編集と文責 渥美よりこ カトマンドゥ在住

2007年9月18日

 

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