――― NBSAネットニュース 2009年6月号 ――――

ネパールの視覚障害者を支える会(NBSA)の会員 支援者の皆様

 

雨 雨 ふれふれ もっとふれ  天の恵みでしょうか 異常気象のおかげ? でしょうか 例年より早く雨季が巡ってきました  ちなみにネパールは日本と違い大雑把に分けると季節がふたつしかありません  雨季と乾季に分かれます  ネパールが位置しているところは亜熱帯  ヒマラヤ山脈はあんなに高いのに やっぱり南国的な気候なのです  降雨量とヒマラヤの雪どけ水を合わせると 世界第2位の水源をもつ国  ヒマラヤ山脈はあんなに高いのに 乾季は慢性的な水不足に苦しまされます  貯水池の容量 水を引く水道管の設備などが問題なようです  

 

最近 慈雨という言葉に気づきました 慈悲や恵みの雨という日本語です  昔の日本でも旱魃や飢饉に大いに悩まされていたんだなぁ とつくづく思いました  水のあり難さを実感している毎日です  

 

さて 4月18日に NBSAの総会 それに講演会と親睦会を行いました 決算報告など別に会報紙で詳細をお知らせしますが 最終ページに簡略したものを載せました  こちらもご覧ください  

 

現地活動報告  

定例活動 

今年のネパールの新年は2009年4月14日に始まりました  ビクラム暦2066年  公のネパール暦はたいした行事もしませんが ネパールでは正式な暦  その他 モンゴル系の民族が独自の正月を盛大に祝いますが これはどちらかと言うと日本の旧暦に近いころに行われます  話がずれましたが 4月と5月は伝統的な行事が少なかったので 点字雑誌の発行 カセットテープの作成と編集はつつがなく進みました  点字雑誌は紙代の値上げなどの理由から ページ数を削り 回し読みしてもらえるようにお願い 発行部数をかなりカットしました  

 

その他の活動

小冊子 視覚障がい者の生活自立訓練の出版がやっと終わりました  原稿は早くから準備していましたが ネパール語タイプや印刷などに膨大な時間を費やし 年度末にやっと完成  視覚障がい児の親の会などを経由して 今後 多くの人々に配布されます  もちろん音訳もしますので 自活をしている人々にもカセットテープにして送る予定です  

 

ウォークマン寄贈のお願い  

2年前八王子市のライオンズクラブを経由して 村山満氏から合計60台を超える録音機能付のウォークマンを賜りました  これらをサノティミの大学生に寄贈し 一部を事務所で貸し出し用にしていますが リクエストが後を絶ちません  再生機能だけのウォークマンは ネパールでも中国製が安価で購入できるので 各自買ってもらうようにしていますが 録音機能がついたものは非常に高価で 一般の盲学生では手も足もでません  どなたか録音機能のついたウォークマンをお持ちの方 ネパールの視覚障がい学生のために 寄贈していただけませんか  押入れに眠っているウォークマンでも ネパールではとても貴重なものです  お手数ですが日本の事務局へ送っていただけると とても助かります  ぜひご協力のほど お願い申し上げます  

 

フェアトレード ショップ 人気商品

2009年1月より 千葉県柏市の女性自立支援の店にネパールの障がい者の手作り製品などを置かせていただいています  今回は売れ行きのよい製品をご紹介します  

女性物のスカーフ エキゾチックで個性的 千円以下のものが人気  ヒマラヤン水晶などの天然石アクセサリー ネパール製紅茶 しっかり味がでるのでミルクティーに最適です  また世界一高いエベレストから産出される岩塩 コクがあっておいしいと なかなかの評判です  

その他 ちょっと高価ですが チベット曼荼羅など貴重な品も置いてあります  岩石などの天然顔料を使っている 珍しい曼荼羅などは 手描きの暖かさが伝わってくる秀作  ぜひ一度ごらんになってみてください  

お店の名前 ウーマンズライフ  年中無休 午前10時から 午後8時まで

電話 04−7140−8933  柏市 松葉町 6の10の1  青山第二ビル

 

ネパール関連ニュース  

4月 世界的不況の中 当然かもしれないが トリブバン国際空港入管の統計によると 観光客が大幅に減少している  主要国を挙げると 

日本 2008年 6411人  2009年 5065人  マイナス21%

中国 2008年 4851人  2009年 4557人 マイナス6%

韓国 2009年 5291人  2009年 3042人 マイナス43% 

統計 ネパール ニューズレターより借用

外貨獲得の道が開けないネパールでは 観光客の減少は 海外出稼ぎを増やす原因に直接つながる みなさんの来訪をお待ちしています

 

5月20日 竹内洋岳さん12座目ローツェに登頂成功

世界に14座ある標高8000メートル峰すべての登頂を目指している登山家の竹内洋岳さん38歳が12座目となるローツェ 標高8516メートル に無酸素で登頂に成功 日本人最多記録を更新した  ローツェはネパールと中国の国境に位置する世界第4位の高山 竹内さんは ドイツ人チーム3人と17日に標高5330メートルのベースキャンプを出発  20日未明に標高7832メートルの最終キャンプ地から頂上を目指し 4人そろって登頂を果たした

5月22日 英国 元グルカ兵の永住権を認める 産経新聞 スミス英内相は21日 下院で4年以上軍務に服したグルカ兵の退役軍人全員に英国の永住権を認めると発表した  英政府は1997年以前に退役したグルカ兵の永住権を原則として認めていなかった  同内相によると 対象は元グルカ兵3万6000人にのぼり 妻や同居している18歳以下の子供にも永住権を認める  英政府はネパールに帰国した元グルカ兵には元英兵の3分の1程度の年金しか支給していないが 英国での永住を希望した場合 元英兵と同額の年金を支給しなければならない  グルカ兵が英軍部隊に組み込まれたのは19世紀初めで 最大時に11万2000人に達し 現在も英ケント州を拠点に3500人が任務に就いている  1997年に香港が中国に返還されるまで拠点は英領香港にあったため 英政府は返還前に退役したグルカ兵については 英国とのつながりが薄い として英国の永住権を与えなかった  

5月22日 エベレスト登頂19回 世界記録を更新したネパール人男性 CNN   米国在住のネパール人登山家アパ シェルパさん49歳が5月21日朝 世界最高峰エベレスト8848メートルへ19回目の登頂に成功し 自身の持つ同峰最多登頂記録を塗り替えた  エベレストの近くで生まれたシェルパさんは 12歳のころから亡くなった父親に代わり 収入を得るため登山隊の荷物持ちとして働いてきた  ガイドとして多くのチームのエベレスト登頂に貢献してきた  1990年にはエベレスト初登頂を達成したヒラリー卿の息子の登頂達成にも貢献した  現在は故郷ネパールの子供たちに向けた基金集めに尽力  また エベレストに残された酸素ボンベなど2トン以上のゴミ回収活動を行っている  

ネパールの新型インフルエンザ予防対策  現在カトマンドゥの国際空港では 入国の際にヘルスチェック リストへの記載が義務化されている  ドクターも待機していて問診など受けられる  また テレビを通じて広くマンガつきの予防対策を訴えている  ポンプで水をくみ上げて よく手を洗い ついでにうがいをするよう呼びかけているが 季節柄 生水が原因で他の病気にならないかちょっと心配

 

時のネパール  混迷を続けるネパールの政界  

2009年5月3日  ネパール軍を率いるカトワル参謀長が 内閣決定により罷免された  これは 内閣決定と言うより ネパール毛沢東派党首であるダハル プラチャンダ首相と 反毛派陣営との確執が表面化した と言えるような出来事だった  毛派の独断による罷免に 大統領以下5大与党が大きく反発し 参謀長罷免撤回を毛派に要請する直前に 首相は辞任してしまった  その後 ネパールは5月23日までネパールは首相不在であったが 議会は第3勢力である統一共産党のマダブ クマール ネパール上級幹部56才 を新首相に選出した  新首相は昨年の選挙では 自分の候補地等で落選している人物である  今後 野党に回る毛派はすでにネパール各所で 長期に亘りゼネストを決行し 新首相糾弾活動を展開している  6月12日現在 いまだに組閣も完了せず   制憲作業をはじめ 内戦後の和平プロセスが波乱含みであることに変わりはない   

 

ネパールの民話 第4話 石を食べる虫

むかし パタンのダルバール広場に素晴らしい石柱がありました それは美しい模様がくっきり浮き出た高い柱で 誰もが賞賛し パタンの王様は大変自慢にしていました   

ところが パタンの隣のバクタプルの王様は 自分の国にその石柱に匹敵するものを持っていなかったので おもしろくありません  彼はパタンの石柱が倒れるか 真っ二つに割れてしまえばいいと思っていました  バクタプル王の家来のひとりが王様の望みを知ってしまいました  家来は王様に拝謁し 王様の望みはすぐに叶えると約束しました   

それから数日間 この家来はパタンへの道を毎日毎日歩き通しました  そしてダルバール広場に着くと 家来は背の高い石柱に耳を寄せて 何時間も立っていました  このバクタプルから来た男があまりに長い時間そうしているので 人々は興味深々でした

その秘密はすぐに漏れました  人々が彼に何をしているのか尋ねると 彼は「石柱の中に虫がいるんだよ  その虫はずっと石を食べ続けているのさ」と言いました 

その奇妙な噂に戸惑って まず一人の男が 次にもう一人 さらにその他の人々が石柱に耳をくっつけて 聞き耳を立てました  最初の男は石柱の中から何か音が聞こえたような気がしました  次の男も同じような気がしました  三番目の男もバクタプルから来た男が言ったことは本当だと確信しました  虫が石柱に閉じ込められ 石を食べ続けているという噂は街中に広がりました  そしてついに その噂はパタンの王様の知るところとなりました 

パタンの王様は家来たちに 石を食べる奇妙な生き物について 調べるように命じました 王様は事の次第を聞かされた時 真実を調べるために「その石柱を壊せ」とさらに命じました 

まもなく石柱は二つに分かれて地面に横たわりましたが その時すでに噂を立てた男はどこかに去ってしまった後でした  男は自分の王様に 望みが叶ったことを伝えるために すでに帰り道を急いでいたのでしたとさ 

 

事務局便り 日本事務局担当 高梨憲司 

入梅という うっとうしい季節となりましたが 会員の皆様にはお変わりございませんでしょうか  
少し時間が経過してしまいましたが 今回は4月に開催された2009年度の総会を中心にお知らせします
去る4月18日()に会員数66名中34名の出席 内26名は委任状 をもって 千葉市美浜区の美浜文化ホールにて2009年度のNBSA総会が開催されました  これまでの総会は日本事務局のあった鹿児島市で開催されてきましたが 事務局が千葉県に移ったことから 今回初めて千葉市での開催となりました  事務局が不慣れなこともあって 総会が成立するだけの出席が得られるか心配でしたが 多忙にもかかわらず東京近県の会員がはせ参じてくださり 何とか役目を果たすことができました  

 

当日は総会に引き続いて渥美会長を講師に NBSA現地活動報告 をテーマに講演会を開催  写真や民芸品を見ながら ネパールの歴史や人々の生活を身近に感じ 視覚障がい者の厳しい現実に思いをはせることができました  ネパールに関心をお持ちの千葉市民30人ほどの参加も得 また 東京の会員である小島さんの声掛けで ボランティアによるネパール民謡の演奏もあり とても和やかな素晴らしいひと時でした  この講演会で数名の新たな入会と寄付もいただきました 
 5時からは楽しい懇親会  都合のよい方10名ほどの参加でしたが 近くの居酒屋で
ネパールに行きたいね などの話をつまみに ふだん会うことのない会員どうしの懇親を深めることができました  今秋頃には別のイベントも開催したいと考えています  
その節はお友だちもお誘いの上 どうぞ多くの方々の参加をお待ちしています  

以下に2008年度のNBSA決算状況の概要をお知らせします  現地での日頃の活動状況は ホームページに掲載していますので そちらをご覧ください 


総収入1,399,315円 会費290,000円 寄付267,000円 

雑収入55,108円 前年度繰越金787,207円  
総支出642,365円 日本事務局経費79,400円 現地活動費562,965円 
次年度繰越金756,950円
上記のようにNBSAは活動の意義の大きさに対して 極めて弱小の団体です ネパール
を愛する会員の貴重な志で活動が維持されています  そのため 少しでも会員の増強を図ることが課題です  皆様のお近くに趣旨に賛同してくださる方がおられましたら ご紹介をお願いいたします  また 厳しい経済状況の中で誠に恐縮ですが 今年度の会費納入が未だの方はよろしくお願いいたします

 

事務局 〒2840005 

千葉県四街道市四街道1−9−3

視覚障がい者総合支援センターちば内 NBSA

電話 043−424−2501

 

NBSAネットニュース 編集と文責 渥美よりこ カトマンドゥ在住

2009年6月13日

 

NBSA: http://NBSA.sakura.ne.jp/ 

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