――― NBSAネットニュース2009年7月号 ――――
ネパールの視覚障害者を支える会(NBSA)の会員 支援者の皆様

本格的に雨が降ってきました  カトマンドゥでは毎日午後と夜に雨が降ります  雨の降らない時間帯は太陽がカッと照りつけますが 夜間はぐっと冷えるのでカーディガンや薄手のジャケットが必要なときがあります  この時期に旅行をされるかたは 昼用と夏用衣服のほかに 長袖パジャマもお持ちください  ヒマラヤ山脈は見えませんが 青々茂る樹木が一番美しい季節です  

現地活動報告  
定例活動  カセットテープライブラリー
今月は利用者が少なく 比較的ゆっくりと作業に専念した  NBSAではおととしからカトマンドゥの福祉短大の学生を1名ずつ 研修生を受け入れている  今年の学生は英語が堪能なので 学校教科書ライブラリーの朗読を 多数行ってもらった  ちなみにNBSAの自作のカセットテープは 1面のイントロに音楽を入れている  本の内容に合わせて 若干音楽を変えている  ネパールの古典小説には民謡を 現代小説には冬のソナタ  軽い読み物にはリチャード クレイダーマンなどと変化をつけていて なかなかの評判  

質問コーナー 日本以外の国でも白い杖が使われているのですか?
ときどき聞かれる質問です  逆に日本は白杖がよく普及しているなぁと驚いています  かなり昔から 様々な国で視覚障がい者が杖を使って歩行していた記録があります  しかし 歩行補助具として 白い杖が用いられるようになったのは 20世紀に入ってからです  
1925年 ヘレン ケラー女子が 米国のライオンズクラブに「クラブの皆さん 闇を開く十字軍の騎士になってください」と呼びかけたのがきっかけだそうです その後 各国でのライオンズクラブが 白杖の普及活動を行い現在に至っています  
  
日本では 1960年に 道路交通法で 見えない人は白杖を持つことが定められていて見える人はこの杖を持つ人に配慮することになっている と定められたそうです  
さて ネパールの現状ですが  白い杖の意味を知ってもらう運動が始まって20年も経っていないようです  NBSAではまず ネパールの大衆に 白杖の意味を知ってもらうことから始めています  白い杖を持った人は 視力に障がいのある人です  車は徐行してください  時には道路の横断などを手伝ったりして やさしく声をかけてください と機会あるごとに訴えています  

NBSAネパールでは材料を全部インドから取り寄せ カトマンドゥで業者に作製してもらっています しかし需要がとても高いため たびたび材料が不足して いまだにネパール全土に行きわたっていません  2009年現在白杖1本550円で製造が可能です  大量に製造してもらい常にストックしておきたいものです  皆さんも550円の白杖カンパ どうぞよろしくお願いします     

ネパール関連ニュース 
目指すはチベット 中国の走る少女 出発 数百人が伴走
神童の異名を持つ10歳の張慧敏さんが6月28日午前にランニングで四川省成都市を出発し 父親とともにチベット自治区を目指す壮大な旅がスタートした 初日の出発式には多くの市民が駆けつけて36キロにわたり 数百人が伴走する騒動に発展した  
同紙によると海南省在住の張慧敏さんは8歳の時にマラソン大会に出場して フルコースを3時間45分で完走するなど神童の異名を持つ  世界の屋根を走りたいという願望を持って父親とともに1年間にわたって準備を続けてきた  建民さんはさっそく 私たちはいつかネパールを越えて インドにまで到達したいと思っている と夢を語った  まるで三蔵法師のような少女  

新型インフルエンザ ネパールで初の感染確認  6月30日ロイター
ネパールの保健当局は29日 米国から帰国した家族3人が新型インフルエンザ(H1N1型)に感染したと発表した  同国での感染確認は初めて  当局によると 男性とその妻息子の3人は先週 8週間滞在したワシントンから帰国  3人はともにカトマンズ市内にある病院の隔離病棟で治療中  
7月3日14時  GBR格闘技WEBマガジンより抜粋  8月23日千葉の幕張メッセにて開催される極真会館 第4回全世界ウェイト制空手道選手権大会 に出場する選手が決定した  世界各地の予選を勝ち抜いた各階級の選手にネパール人も入っている  中量級80Kgのバルジャ クマル ライ氏  ガンバレネパール!時間のある人は応援に行ってください  

時のネパール  
5月以来 ネパールの政界は混迷を続けているが 同時並行的に民族の言語に関する問題が浮上し 混乱ぶりに拍車がかかっている  ネパールには現在92の言語があるといわれているが 言語だけ使用されてはいるが 文字がない場合もある  このような場合ネパールの公用語とは呼べないが 最も使われているのが ネパール語で全体の半数 次にインド国境地帯でヒンドゥー語にかなり近い言語25% ネワール語3.5% その他をチベット系と先住民族系が占める  ネパールの国語は憲法に記さねばならない関係上 どの民族も譲らない  このネパールの公用語論争は長引きそうだ   

世相を反映するような凶暴な事件多発
ネパールは貧しいながらも凶悪な殺人事件は少なかった  しかし最近ネパール南部では 身代金目当ての誘拐殺人事件が遺憾ながらも増加していて 6月末に起こった殺人事件は ネパール国民を戦慄させた  それは カトマンドゥの学校に通う少女が 元家庭教師に殺害され 17日目に遺体が発見された事件である  元家庭教師は異臭が広がり始めたので 遺体を冷蔵庫に隠していたそうである  昨年は携帯の所有を巡って兄が弟を殺すという事件が発生  日本などの先進国では目新しいニュースではないが 暴力を否定し 命の重みを十分に知っているネパール人らしからぬ事件 急激な近代化の波は 人間の精神にも異常をきたすものなのかも知れない   

ネパールの民話 第5話 踊る藁
セコ村のガシュ集落には 昔から13人の神様を表現した踊りが伝えられていたそうな  踊っているあいだ中踊り手は 見ている者にはまるでわけのわからない歌を歌っていました  でも ずっとそうだったわけではありません  少し前までは 歌の意味はわかりやすいものでした  なぜそうなったかと言うと 歌が大好きな農夫が 畑である祭りの歌を歌ったことから変わってしまったのです  ある日 農夫は畑で干し草を作りながら 神様にささげる祭の歌を歌っていました  農夫は小さな藁をたばね 畑の端っこから順に立てていきました  すると驚いたことに 立てていた藁の束が全部 ひょいと動いたり飛びはねたりして踊りだしたのです  
当時 ガシュ祭りの踊りの時には動物を生贄にささげるのが慣例でした  農夫が祭りの歌を歌ったので 神様に変身した藁は 生贄として農夫の血を欲しがったのでした  かわいそうな農夫は驚きました  そして 踊る藁が追いかけてきたので 恐ろしくなって逃げ回りました  しかしついに踊る藁は農夫をつかまえ 農夫の血を飲んでしまいました  それ以来  祭りの歌は見物人の誰が聞いても同じように歌えず 意味もわからないほど難しくなったとさ  

ネパールの事務局からお願い
日頃より中古カセットテープ収集にご協力いただき 大変ありがとうございます また先日ネパールを訪問された方からも 多量のカセットテープをいただきました これまで私たちは 中古のカセットテープを寄贈していただき リサイクルしてきましたが 製造から10年以上たったものや 何度も録音を繰り返したテープはリサイクルが難しく 音質が低下しやすい状況にあります そこでお願いですが よりクリアなライブラリーを作成したいので 今後は新品のカセットテープを寄贈していただけないでしょうか 今後ともよろしくお願いします 

事務局便り 日本事務局担当 高梨憲司  
九州は既に梅雨が明け その他の地域も梅雨明け間もないことと推測されますが皆様にはお変わりございませんでしょうか  先日 現地事務局の渥美会長から ウォークマン寄贈のお願いがあったかと思いますが 早速に八王子市在住の会員 村山 満さんからすてきなウォークマン4台の寄贈をいただきました  ありがとうございます  そこで事務局からも皆様に次の3点についてお願いを記載させていただきます   何かと物入りの時に恐縮ですが 現地の視覚障害者のためにご協力いただければ幸いです   
1 ウォークマンと拡大鏡寄贈のお願い  
ウォークマンは学習や読書に不可欠な必需品です  現地では高価だったり 壊れやすかったりで なかなか手に入らないようです  また 拡大鏡 ルーペは弱視の人にとって有効です  ただし 拡大読書器のような大型の物は送ることが容易ではありませんので 小さなルーペの方がよいかと思われます  皆様のお手元に充分使用可能なこれらの物品で 寄贈しても差し支えない物がございましたら 事務局にお寄せください  何らかの方法で現地に届けたいと思います   

2 寄贈物品の現地への配達人を募集  
皆様の中でカトマンドゥに行かれる予定の方がございましたら 事務局に寄せられる寄贈物品を配達していただきたいと思います  ご協力いただける方がございまし
たら 事務局までお知らせください     

3 会員や寄付金増強のためのアイディア募集
今年度の活動計画の1つが会員と寄付金の増強です  総会においても秋頃を目途にイベントを開催したらどうだろうかという意見が出されました  イベントの内容や引き受けてくださりそうな会場などについて アイディアがございましたら お教えいただければ幸いです  
なお 上記以外に寄贈物品がございましたら 現地のニーズを確認しますので 遠慮なくご相談ください  資金的な援助ばかりでなく 様々な方法を皆で考えていただけたら と期待しています  皆様のご意見をお待ちしています  
     
事務局 〒2840005 
千葉県四街道市四街道1−9−3
視覚障がい者総合支援センターちば内 NBSA
電話 043−424−2501
 
NBSAネットニュース 編集と文責 渥美よりこ カトマンドゥ在住
2009年7月15日

NBSA: http://NBSA.sakura.ne.jp/ 
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