――― NBSAネットニュース2009年11月号 ―――

ネパールの視覚障害者を支える会(NBSA)の会員 支援者の皆様  

突然ですが ジャズマンドゥ2009に行ってきました  

えっ なにそれ? 新型ウィルス? それともネパールの新しい王様?  ちょっと衝撃ですが ネパール初の大型国際ジャズフェスティバルのことです  時は10月8日から13日 参加国 オランダ カナダ ブラジル インド アメリカ タイとフランスのセッション そしてもちろんネパールのミュージシャン  最終日のセッションは国境を越えたかなり激しいものになり 時間を1時間半もオーバーする盛り上がりよう  アーチストとスタッフは全員がボランティア  ネパールも国際的になったなーとちょっと驚き  

実は私 15歳の可愛いボーイフレンドと一緒に このジャズマンドゥに行のですが ボーカルの間に入るシュビスバ シュバパ シャバシャバが5分も続いたりすると彼は うーん これはいったい何語だろう?と首をかしげた  どうやら英語ではなさそう  ちょっと難しいかな? 無理もないかな どちらかと言うと ワンパターンのネパール民謡にはまったくないスタイル  アドリブなども苦手  ジャズはフィーリングによって 楽器が声になったり 声が楽器になったりするのよ と言うと うーん ネパールの民謡とかロックとはちょっと違うなぁ こんなに自由自在に声も音も出せるのって ものすごいや と感じ入っていました  

世界の風がネパールにも吹いている 

音楽の輪を通じて 15歳の少年の世界が広がっていくような気がしました  


現地活動報告  

定例のカセットテープ事業  大型連休のダサイン祭とティハールが終わりましたが 帰省中の学生がさっぱり戻ってこないので 作業をゆっくりと行いました  

ここ数ヶ月前から 従来の小説の音声化のほか 大学生の教材も録音をしています  


NBSAは社会啓発も呼びかけていて 大学の授業で必要な教科書はできるだけ 学校側で手助けする もしくはクラスメートにお願いするよう学生に指導していますが どうしても協力を得られない または頼みにくい と言う声がよく出ます  そこでやむなく 教科書の音声化も行うようになりました  何とか学校側の援助がほしいものです  

点字情報誌タッチ19号の編集開始  発送12月予定

来年1月または2月に タッチ創刊20号記念式典を行う予定です  この時期ネパールを訪問される方がいらしたら ぜひご参加ください  


ネパールに住み 仕事をしていて思うこと  

何か新しいことを習うと もう天下を取った気分になる人が多い  そしてその技術を他の人に教えない  または教え方がわからない  仕事がどうしてもマンネリ化してそれ以上を求めないといった欠点があることですね  約束の時間を守らないことが多々あり  カセットテープの返却が半年も遅れる人がいるのですが 取り立てて催促しない  けんか沙汰を避ける一見穏やかなようですが 本心は困っています  現地駐在  渥美よりこ


ネパール関連ニュース  

今月は世界の中のネパールを統計的に見てみましょう  

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0月6日  国連開発計画は5日 人間開発報告書2009年 障壁を乗り越えて人の移動と開発の一部として 人間開発指数2009年版を発表した  国民生活の総合的な豊かさを示す指数で 今回182カ国中ネパールは144位だった  

人間開発指数とは 人間の生活の豊かさを示すため 長寿を全うできる健康的な生活 知識 人並みの生活水準の3つの側面の達成度の複合指数  具体的には平均寿命 就学率 15歳以上の成人識字率 調整済み1人当たり国内総生産を用いて算出される  


ランキングトップはノルウェーで 前年に続き連続首位 2位オーストラリア 3位アイスランド 4位カナダ 5位アイルランド 以下 6位オランダ 7位スウェーデン 8位フランス 9位スイス 10位日本  最下位の3カ国は 下から順にニジェール アフガニスタンおよびシエラレオネだった   南アジア諸国のランキングは モルジブ95位 スリランカ102位 ブータン132位 インド134位 パキスタン11位 ネパール144位 バングラデシュ146位と非常に低い  


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0月26日  英国の中立的研究機関であるレガタム研究所は 2009年レガタム繁栄指数を発表した  ネパールは104カ国中90位だった 今年で3回目の発表となるレガタム繁栄指数は 経済成長と 幸せ 生活の質の評価測定値とを組み合わせた繁栄 の定義に基づき 世界人口の90%をカバーしている104カ国を格付けしている  繁栄指数の第1位はフィンランド 以下 2位スイス 3位スウェーデン 4位デンマーク 5位ノルウェー 6位豪州 7位カナダ 8位オランダ 9位米国 10位ニュージーランドと続く  


一方 最下位の104位はジンバブエ 103位はスーダン 102位はイエメン 11位は中央アフリカ 100位はカメルーン  

日本は16位でアジアでは首位となっている  アジアでは 香港18位 シンガポール23位 台湾24位などが僅差で続いている  以下 韓国26位 マレーシア39位 タイ44位 インド45位 モンゴル50位 フィリピン55位 スリランカ58位 インドネシア61位 中国75位 バングラデシュ87位 ネパール90位 カンボジア93位 パキスタン99位となっている  

日本は経済的な富と生活の満足感などすべての評価で高得点を獲得している ということでしょうか  


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0月27日  スイスの経済研究機関 世界経済フォーラムWEFは 世界各国の政治 社会 経済面での男女格差を総合的に評価した 男女格差指数 2009年版を発表した  09年版の同指数は 1経済への参画と機会 2教育の機会 3健康や寿命 4政治への関与と権限 という4大分野について 134カ国 地域の男女格差を分析している  09年の男女格差指数トップ つまり最も男女平等 はアイスランド  以下 2位フィンランド 3位ノルウェー 4位スウェーデン 5位ニュージーランド 6位南アフリカ 7位デンマーク 8位アイルランド 9位フィリピン 10位レソトと続く  

最下位の134位はイエメン 133位チャド 132位パキスタン 11位ベニン 130位サウジアラビアとなっている  ちなみに 英国は15位 米国は31位 ロシアは51位  日本は前年の98位から75位へと大きく順位を伸ばしたが 政治への関与 権限度や高等教育進学率における男女間格差の大きさが響き 総合順位は先進7カ国中で最下位であった  

 アジアでは 最高の9位フィリピンに続いて 16位にスリランカがランクされている  そのほか モンゴル22位 タイ59位 中国60位 ベトナム71位 日本75位 シンガポール85位 インドネシア93位 バングラデシュ94位 モルディブ100位 マレーシア11位 カンボジア104位 ネパール110位 インド114位 韓国115位 パキスタン132位など  なお 南アジア諸国では スリランカの男女平等度が16位と高い評価を受けているが その他はほとんどが三ケタ台と低い評価である  特にパキスタンはワースト3の一角に位置している  

世界10大観光国 ネパールがランクインされました  

統計最下位ばかりのネパールですが とって喜ばしい統計もあります  2009年11月5日 世界で最も人気のあるガイドブック ロンリープラネットが発表した べスト イン トラベル の2010年度版に アジアからネパールとマレーシアが選ばれた  上位10か国に選ばれたのは エルサルバドル ドイツ ギリシャ マレーシア モロッコ ネパール ニュージーランド ポルトガル スリナム 米国  記事によれば 同ガイドは ネパールについて ヒマラヤ体験は一生忘れられない思い出となる  と紹介している  

時のネパール 野党どうしの綱引き

ネパールは昨年5月に王政を廃し 連邦共和制に移行したが いまだに憲法が制定されていない  委員会のメンバーですら誰も真剣に考えていない様子である  その背景には政府の役人のほぼ全員が 政党間の争いに左右されているからであり  今年5月に第一党だったネパール共産党毛沢東主義派が 毛派民兵の国軍編成を巡り首相を辞任しているが これまた野党に回った ネパール国民会議はと折り合いがまったくつかない  11月2日から数日  毛沢東主義派がヤダブ大統領の辞任を求めるゼネスト 通称バンダが決行された  11月ネパールのスーリストシーズン中で 幹線道路などの前面封鎖はなかったが 地方役場などの封鎖は 今後激しくなりそうな気配である  


ネパールの民話 今回はお休みさせていただきました


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NBSAネットニュース 編集と文責 渥美よりこ カトマンドゥ在住

2009年11月11日

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