――― NBSAネットニュース 2010年4月号 ―――

ネパールの視覚障害者を支える会(NBSA)の会員 支援者の皆様  

 

4月14日ネパール暦2067年  新年おめでとうございます  ネパールは多民族国家 お正月も各民族により違っていますが 一番広く使われているのはビクラム暦です  この時期はいつも猛烈に暑いのですが 今年は暑さが和らぎ快適な新年を過ごしました  

 

ネパール暦の新年を迎える前の4月1日に NBSAカトマンドゥ事務所も移転しました  使い慣れたパニポカリの事務所を離れるのは カトマンドゥの役員やユーザー同 断腸の思いでしたが 諸物価高騰に伴い家賃もアップ  遺憾ながらの決断でした  

日本からもたくさんの方々が旧事務所を訪問してもらい 後ろ髪を引っ張られる思いですがいたし方ありません  心機一転 これからも元気で頑張っていきます  転居先は 以前の事務所とさほど遠くないところ  ぜひ一度新事務所にお越しください  

電話番号 977 1 4436103

私書箱の番号は変更していません NBSA PO Box 8974 PCN11 Kathmandu Nepal

 

さて 日本も新年度を迎えます NBSAも本来なら4月が新年度 そして会計年度なのですが 今年から6月に変更させていただくことになりました  

NBSAをサポートしている日本の事務局 そして役員もすべてボランティアです  3月中に仕事を片付けなければならない方も大勢います  そこで忙しい3月の決算期を終えて 一息ついたところでNBSAの総会をするのはどうかと考えました 準備にも余裕を持ってできるし出席者の便宜も考慮しました  

 

NBSAの会員の方々には すでに会報3月号でお知らせしましたが 6月の総会にはぜひともネットニュースの読者にも参加してもらいたい次第です これを機会にぜひとも会員になってほしいと思い 一足先に総会のお知らせを流させていただきます どうぞご出席ください  

 

NBSA総会と報告会のお知らせ

期日 6月19日土曜日正午から

場所 千葉県柏市松葉町6--1青山第一ビル3階カルチャー&ギャラリー花野井戸坂

総会と報告会の後に懇親会も予定 飲み会だけの出席もOKです  

 

●現地活動報告  

定例のカセットテープライフラリー事業と点字情報誌タッチ21号の発送 内容は2月に行った隔月誌タッチ創刊20号のイベントの他 地方の障がい者のイベントなど  

カセットテープライブラリーは 朗読者が急激に減ってしまい 現在ボランティアがひとりしかいません  本当に困った状況に置かれ 今度大学などを中心にボランティア大募集キャンペーンを計画しています  

 

●ネパール関連ニュース

■JICA 申請ネパールの国づくり支援  成長と開発セミナー  

3月30日配信 インド新聞

JICA新生ネパールの国づくり支援 成長と開発セミナー

 

2008年に240年近く続いた王制を廃し 連邦制への移行を宣言したネパールの制憲議会議員と政府職員24人から成る一行が1日 国際協力機構 JICAが実施する 成長と開発セミナーに参加するため 訪日した  ネパールでは 1990年代後半から約10年間にわたる マオイストことネパール共産党毛沢東主義派と政府の間の国内紛争 (人民戦争)で 約1万3千人の命が失われた  しかし06年11月 国王の専制政治に反発する新政権とマオイストの間で包括的和平合意が成立し 紛争は終結し  08年4月に制憲議会選挙が実施され 同議会議員によって現在 新しい憲法の制定作業が進められている  JICAはこうしたネパールの歴史的転換期に対応して 制憲議会議員を主な対象とした 成長と開発セミナー を実施している  09年8月の第1回セミナーに続き 今回は第2回セミナーを実施した  このセミナーは 必ずしも政治家としての経験が豊富とはいえない制憲議会議員に対して ネパールの成長と開発のため 国のリーダーたちが持つべき視点とは何かを考える素材を提供し 議員たちの気づきを促すことを目的としている  成長と開発 は いかなる政党が政権を担おうとも ないがしろにはできない重要課題であるが さまざまな政治問題を巡る対立から ネパールでこの課題についてじっくりと議論することが難しいという背景があった  そこで 多様な政党の議員を一堂に集め 共に集中して議論を行う場をJICAが提供することも このセミナーのポイントである  

 

■子ども手当 早くも相次ぐ外国人の問い合わせ 3月31日分配信産経新聞

15歳以下の子供1人あたり 月1万3千円を支給する 子ども手当 の申請が 1日から始まる  海外に子供のいる在日外国人も支給対象に含まれたことから  どうしたらもらえるんだ などと自治体の窓口には早くも問い合わせが相次ぐ  なかには日本語の話せない外国人もおり  申請当日はどんなトラブルが起きるか予想できない と役所の担当職員は戦々恐々としている  

3月初めから問い合わせが増え始めた  なかにはほとんど日本語が話せず 子ども手当と書いたメモだけ持ってこれがほしいという人もいる と嘆くのは 東京都荒川区の子育て支援部の担当職員  

国籍はばらばらだが 中国人やネパール人が目立ち 多い日には4〜5件の問い合わせがある  子供がいればお金がもらえると聞いた などと漠然とした質問も多く 語学のできる職員を別部署から駆り出して対応しているというがこれまで 4月以降に再度来てほしいと説明してきただけに 1日は混乱が避けられないのではと心配顔だ  当日は臨時職員2人を増員し 対応に当たるという  

人口の約1割が外国人という岐阜県美濃加茂市にも 本当にもらえるのか などの電話での問い合わせが数件あった  件数は少ないが日本語が流暢だったため 得意な人が代表してかけてきたのではないか 申請者の数は当日になるまで分からないという

 

エベレスト初制覇の故ヒラリー氏 シェルパが山頂に散灰へ 4月2日配信ロイター

世界最高峰エベレストを初制覇したニュージーランド人のエドモンド ヒラリー氏の遺灰が今夏 死後2年以上たって同山頂にまかれることになった  ヒラリー氏は1953年にネパール人シェルパのテンジン ノルゲイ氏とともに世界で初めてエベレスト登山に成功した  2008年に88歳で亡くなったが 親しい知人らによると 遺灰はエベレストとオークランド港にまいてほしいと望んでいたという  
遺灰はこれまで シェルパの村にある寺院に安置されていた  エベレスト登頂回数で世界記録を持つアパ シェルパ氏が運ぶ  無事成功すれば同氏の20回目のエベレスト登頂となる  

■13歳 エベレストに挑戦 史上最年少記録更新目指す  4月4月7日時事通信

米カリフォルニア州のジョーダン ロメロ君 13才は6日までに 世界最高峰エベレスト登頂を目指し 登山家の父親らとともにネパールのカトマンズに向け当地を出発した  報道によると 成功すれば史上最年少記録を1歳以上縮める新記録となる  ロメロ君は出発前 地元テレビに 心身ともに準備は万端  難関を無事突破したい と語った  自身のウェブサイトによると 身長172センチ 体重63キロ  父ポールさんの影響もあり 9歳でエベレストを含む世界7大陸最高峰制覇を自ら計画  普段はクロスカントリー部に所属し  宿題もきちんとこなす模範生という  

 

ネパールの 生き神  引退後の夢は 銀行で働くこと 4月8日は配信ロイター  

ネパールの首都カトマンズ南郊にあるパタンで6日 生き神 クマリ としてあがめられているチャニラ バジュラチャルヤさん15歳は初潮を迎え 9年にわたって務めてきたクマリを引退する  バジュラチャルヤさんは 引退後の夢について 経済や会計を学んで銀行業界で働きたいとコメント  クマリは学校へ通えないため 居住する寺で家庭教師に学び 先週クマリとしては初めて学業認定試験も受験した  クマリとしての生活は楽しんだ としながらも 引退後の将来にも希望を膨らませている  

 

■エベレスト ネパールと中国が 2つの標高を承認  4月9日時配信ロイター  

ネパールと中国は8日 世界最高峰エベレスト 中国名 チョモランマについて これまで発表された2つの標高を認め 長年の議論に終止符が打たれることになった  

ネパールと中国にまたがるエベレストの標高については 1953年にニュージーランド人のエドモンド ヒラリー卿がネパール人シェルパのテンジン ノルゲイ氏とともに世界で初めて登山に成功して以来 4000人以上の登山家が計測してきた  

しかし 正確な高さは議論の的になったままだった  エベレストの標高 積雪を含む は 1954年にインドの測量当局が8848メートルと公式に発表  一方 中国の登山家と研究者は2005年5月 インド当局の発表よりも約3.7メートル低い8844.43メートル 誤差21センチメートル だと結論付けていた  これについて中国とネパールの当局者は今週会談し インドと中国の発表はともに正確だとの見解で一致した  

ネパール調査当局は 両者 インドと中国とも正しい標高だ  絶対的な測量というものはない  これは 科学的調査の問題だ と述べた  最近の登山者の一部は 気候変動により エベレストの氷河が減少しており 山頂に通じる道の雪も無くなり岩肌が見える状態になっていると指摘している  

 

●時のネパール  

かねてより入退院を繰り返していたネパール国民会議派のコイララ元首相が3月20日午後死去した  政府は21日を休日にすると共に3日間の半旗 葬儀は21日国葬の待遇を持って挙行された  コイララ元首相は1925年2月20日生まれ コングレス党の総裁であるとともに4度首相を勤めた  1950年代から兄BPコイララと共にネパールに一般選挙制の導入の活動を展開  幾度も投獄されながらも政治の民主化の基礎を築いた立役者のひとりであった  近年ではマオイスト派の武装闘争を平和的に収束するなど常に政界の中心として活躍していたが 危機にさらされると インドの第一党 インド国民会議派に頼るくせがあり  これがインドのマオイスト派によるネパールのマオイスト派援助を増徴する結果にもなった  コイララ元首相の後年は保守色が強く 党内の組閣を親族で取り仕切るなど評判が悪くなっていた  こうした状況の中でマオイスト派が台頭し拡大したことは否めない事実である  

 

国連ネパール政治ミッション UNMINの監視終了が5月15日で 終了する予定であったが 引き続き活動期間を7月31日まで延長することが決まった  憲法もいまだ定まっていないネパールにとっては 致し方ないことかも知れないが  南アジア連合のイスラム圏 パキスタンやスリランカ そして大国インドにとってはウエルカムとは言いにくいはず  UNMINがネパールに駐在するとそれだけ雇用の機会も増え 経済的にも潤うと 楽観している庶民もいるのも事実ではあるがこの先どうなるのか このあたりの舵取りができる政治家が今のネパールにはいないようである  

 

●ネパールの民話  第14話  老人とサル

ある日 一匹のサルが森の中で 一人で働いている老人に出会いました  老人は木を切り倒し 藪を焼き払っていました  ついに老人は 一つの畑をこしらえました  そして 近くの小屋からカゴ一杯のジャガイモを持ってきました  

 

老人がジャガイモを植え付けることに気づいたサルは 止まり木から下りてきました サルは老人に近づいて 「おい じいさん どうしてわざわざ大変なことをするのかい?」 と言いました 

 

老人は「では 他にいい方法があるかい 野ら仕事はそう簡単なことじゃないさ」と言いました

 

サルは「いいや 簡単にできるよ  まず ジャガイモを大きなナベでゆでて それから 地面に大きな穴をあけるのさ その穴にジャガイモを入れて 土をかぶせればいいよ  最後に穴のところに棒をたてればいい  そうすれば 畑一杯にジャガイモがふえていくよ」 と言いました

 

老人はサルから この簡単な方法をためすように そそのかされました  老人はジャガイモをゆでて 畑の1か所に埋め 土をかぶせて その場所に棒をさしました

 

次の日の昼 老人が畑に来てみると 畑のいたるところにジャガイモの皮が散らかっていて ジャガイモはなくなっていました  もっと前にサルがやって来て ジャガイモを掘り起し 食べてしまっていましたとさ 

  

 

●NBSA日本の事務局

〒2840005 

千葉県四街道市四街道1−9−3

視覚障がい者総合支援センターちば内 NBSA

電話 043−424−2501

 

5月と6月休刊のお知らせ

まことに勝手ながら5月から6月にかけて一時帰国します

すみませんが この間 ネットニュースをお休みさせていただきます 7月号をお楽しみにお待ちください  

 

NBSAネットニュース 編集と文責 渥美よりこ カトマンドゥ在住

2010年4月xx日

 

NBSA: http://nbsa.sakura.ne.jp/ 

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