――― NBSAネットニュース 2010年9月号 ―――
ネパールの視覚障害者を支える会(NBSA)の会員 支援者の皆様  

日本の猛暑はもう終わりましたか  当地カトマンドゥはあきれるほどよく雨が降っているのにいまだに毎日2時間の計画停電が実施されています  
そんな中 9月10日に女性のお祭 ティージが行われました  この祭は女性をたたえるのではなく 女性が男性の長寿と健康を祝う日です  その思いを込めて 女性は朝から夜まで食を絶ち水も飲まず 精一杯おしゃれをして踊ったり歌ったりして楽しみます  私には何回見てもこのお祭は馴染めないのですが 今年もネパール全国障がい者連盟主催のティージに参加しました  ちょっと照れくさいので 踊りの輪には加わらず 手拍子で応援したり 視覚障がいの女性をサポートしたりして何とか間をつなぎました  それにしても変わったお祭  今年もまた改めて異国情緒を味わった気がしました  

現地活動報告  
毎度お騒がせしている隔月の情報誌 タッチの編集は順調に進んでいますが今度はプリンター本体が壊れてしまいました  ネパール盲人協会の助けを借りて部品を取替え何とか復旧  本体も部品もすべて外国製品  財政的にも大きな痛手をこうむりました  しかし 情報にとぼしい地方の読書のことを思うと簡単に休刊や廃刊にすることができません  さっそく作業に入り急ピッチで仕上げにかかっています  かなり遅れをとりましたが来週中に配送を予定しています  

特別事業 第7回子どもの日クイズ大会  9月14日
NBSAのロングラン事業今年で7回目
今年はカトマンドゥ盆地以外に 西南部チトワンの学校の生徒を交えて競い合いました  このクイズ大会の目的は 平等な教育の機会さえ与えてくれるなら 障がいを持たされている子も 他の子供たちとなんら変わりませんと アピールすることです  それは格差のある地方と都市に住む児童に対しても言えるので 今年はネパール中西部のチトワンから盲学級の児童をクイズ大会に招待しました  
チトワンの出場生徒は先生に伴われて前日カトマンドゥ入り  カトマンドゥの繁華街のホテルに1泊しこれもまたよい経験でした  少しでも首都に住む学童と交流の場を持てたらいいな と軽く考えていたのですが コンテストの結果はなんと初出場 初優勝 しかも高得点  盲学級の先生が毎日大特訓し またかなり優秀な生徒もいたようです  
クイズ大会今年の結果
1位 チトワン ネパール西南部
2位 ドリケル カトマンドゥ東部
3位 ラボラトリー カトマンドゥ盆地
4位 ナムナマチンドラ カトマンドゥ盆地
5位 アダルシャ サノティミ カトマンドゥ盆地

主賓に文部省の特殊教育学部の学部長を迎え クイズ大会出場全員に賞状を手渡してもらいました  最後に このような娯楽性を備えた学習方法は本当にすばらしい 次回の催しには 当局も何らかのサポートをしたいと述べてくれました  どこまで本気がわかりませんが 政府機関の人にもこのイベントが注目されたのは 大きな前進と言えましょう  来年も絶対クイズ大会をします 応援よろしくお願いします  

ネパール関連ニュース  
企画展 大正から昭和の登山用具広告50点紹介 松本 長野県 毎日新聞
 大正から昭和までの登山用具などの広告を展示する企画展 広告にみる日本の登山 が松本市山と自然博物館で開かれている  広告をたどることで  登山用具の進化や当時の山の流行が読み取れる  展示された広告は  明治時代に発足した日本初の山岳クラブ 日本山岳会の年報 山岳から抜粋  約50点を歴代の登山用具とともに見られる  日本初の登山広告は1912 大正元年  登山用具の輸入販売についての物だった  やがて外国製だけでなく  国内製品の広告も登場  昭和30年代には日本の山岳隊がネパールのマナスル初登頂に成功し  国内で登山ブームが到来した  当時の広告はマナスルで使われた と強調したり  製品名にマナスルをつけるなど  盛り上がりが伝わる  広告は昭和終わりまでで  当時のリュックやピッケルなど実物も一部見られる  この企画展は10月11日まで  入場料は大人300円  小中学生は無料  

ネパールとインドの道路一部寸断 洪水と地滑り被害多発 インド新聞9月6日 日本外務省は1日 ネパール 豪雨による洪水 地滑りの発生に伴う注意喚起 というタイトルの渡航情報を出した  現在 ネパールではバジュラ郡 バルバット郡 タプレジュン郡 カイラリ郡 ダン郡 ナワルパラシ郡 シンズリ郡を中心に 豪雨による洪水と地滑りの被害が多数発生している  
 報道によると ナワルパラシ郡で住宅150戸以上が洪水の影響を受け 7千人以上が被害を受けている  また ゴルカ郡とダディン郡の間を流れるガンダキ川沿いにある氷河湖の水位が昨年比で4.5倍に達しており 水位上昇による洪水の被害も懸念されている  主要道路でも 南部のインドとの国境地域のタライにおいて インドとネパールを結ぶイーストウエスト ハイウェイが一部寸断され 山岳部の通行が困難な地域もある  こうした被害をもたらした豪雨は今後も続くことが予想されており 引き続き豪雨による河川の氾濫に伴う洪水被害および地滑りなどで被害が発生する可能性もある  
ネパール渡航 滞在予定者は 最新の気象情報や交通情報の入手に努め 渡航 滞在の安全性について十分に確認すること  また ネパール滞在者は 現地の情勢につき 報道などから最新情報を入手し 事故や災害に巻き込まれないよう行動予定を慎重に検討する必要がある 20010年9月1日 日本外務省発表から  
またしてもギネスブック登場  世界一身長の低い男はコロンビアの男性に CNN.co.jp
9月7日 南米コロンビアの男性が、ギネス記録で世界一身長の低い男性に認定された  エドワード ニノ ヘルナンデスさん24歳は身長70.21センチ  これまでの世界一だった中国の何平平さんが今年3月に21歳で死去したため 新たな記録保持者となった  ギネスブックの編集長によると 実際にはヘルナンデスさんの方が何さんよりも数センチ身長が低いという  コロンビアの首都ボゴタにある自宅に担当者を派遣して身長を計測し確認した  今月発売される2011年版の ギネスワールド レコーズに正式記録が掲載される  しかしヘルナンデスさんは世界一の座に長くとどまることはできない見通し  ネパールで身長65.5センチの少年が 10月14日で18歳になるためだ 
時のネパール  
6月末からいまだに新首相が決まらず ネパール国民は疲れ果てた というより政治家に対してうんざりしいる  先日 事務所でこんな会話がなされた  党利党略を優先する政政治家たちはもういらない かといって王政の復興にも妥協できない いっそのこと外国人に政治を任せたらどうかと  事実今のネパールは インドとネパール そして国連の板ばさみなっているが こんな発言が実際に出るとは思わなかった  誰もが政治家に失望している  

ネパール 今月26日にも8度目首相選 中印介入 深まる混迷 
産経新聞 9月10日  
連邦共和制に移行後のネパールでは 制憲議会 定数601 が2カ月以上にわたって新首相を決められず混迷している  26日に8度目となる首相選が行われる予定だが 決着する見通しはない  事態が長期化している要因として ネパールを挟む中国とインドの介入が指摘されている  
首相選は 議会第一党の野党 ネパール共産党毛沢東主義派(237議席)のダハル書記長と 与党第一党ネパール会議派(114議席)のパウデル副総裁の一騎打ちとなっている  
毛派は中国と緊密な関係にあり ダハル氏は2008年の首相就任後の初外遊先として インドではなく中国を選んだ  一方の会議派は 中国の影響力の拡大に警戒感を強めるインドと近い  
両候補とも7度の首相選で いずれも勝利に必要な過半数獲得に至らなかった  両党による他党議員の取り込み工作が水面下で展開されており 特に82議席をもち インド国境を拠点とするインド系住民からなるマデシ諸政党の支持取り付けが 焦点となっている  
マデシ諸政党は もともとインドと関係が深く インド政府は8月 特使をネパールに送り マデシ諸政党に一体となって行動するよう要請したとされる  マデシ勢力が毛派に流れない限り ダハル氏の返り咲きを阻止できるとのインド側の計算があるようだ  しかし 最近になって一部のマデシ政党が ダハル氏支持に回ると伝えられている  
こうした中 毛派幹部とみられる人物が 議員を買収する資金を提供するよう ダハル氏の勝利のために協力を申し出た中国人に要求する電話の会話テープが メディアにリークされた  その後の投票でもダハル氏は過半数を得られなかった  

NBSAネットニュース読者の投稿  本庄聡子
つい先日 『ナマステネパール』と題して留守家庭の子供達にネパールのお話をしてきました  対象が小学校1〜3年生ということもあって どれくらい聞いてくれるのか予想がつきませんでしたが 色んな小ネタを用意して話しました  集中力が10分もたない子どもたちにとっては まぁ普段よりは聞いてくれていた方だと思います  
物も仕事もなく貧しい という感覚は 分からなかったようですが 信号がなく車から自転車 歩行者が入り混じる道路 地べたで野菜を売る人達 道端に寝そべっているな牛などの写真は 異様だったようで大はしゃぎでした  
昨日 お弁当を食べている時に ひとりの女の子からどんな国に行ったことがあるの と聞かれたので アメリカ カナダなどと答えました  
「じゃぁ みんなはどこの国に行ってみたいの と聞きました」
「ネパール!」
一瞬驚きました と言うのも写真を見せている時の皆の反応が 常時汚い そしてボロい!というものだったので  
最後にれなちゃんはこんな事も言いました  
「先生 れなもネパールでいろんな友達つくれるかな」
こんな反応が返ってくるとは思いもしなかったので 正直嬉しかったです  
福岡の 小さな街での小さな出来事でした  
生意気この上ない子供も山のようにいますが どの子供達もやっぱり子供  無邪気な可愛らしさが見えると 今までの怒りが飛んでいってしまいます  
第三者でも可愛いなぁと思えるのですから 親はどんなに強い愛情を持っているのでしょうね  自分の子供が一番可愛いはずですね 笑  

今回投稿したいただいた本庄聡子さんは ネパールに5年間滞在し 日本語教師を経てカトマンドゥのトリブバン大学に入学 教育学部を専攻2年前大学院を卒業された方です  現在は地元の学童保育の先生  愛らしい子どもたちに囲まれて幸せそうですね  

NBSA秋のスタディーツァー大募集
ネパールのキラキラする瞳に会いに行こう

先日 号外でお知らせしましたスタディーツァー 申し込みがいまいちです  
ヒマラヤ山脈が最もきれいに見える時期  ぜひご参加ください  

日程 2010年11月11日から11月23日(火)帰路機内一泊
総費用:23万円
訪問地:カトマンドゥ盆地 ルンビニ ポカラの盲学校視察
世界で最も失明率の高い南アジアの国々のなかでも ネパールの視覚障がい者が置かれている環境は悲惨を極めています  点字の識字率は3%  ほとんどの視覚障がい者は何の行政サービスも受けられずに生涯を終えます  しかしほんの少しで学校に通える子どもたちの瞳は 白内障でも きらきらと輝いています  元気いっぱいに勉強する子どもたちに会いにきてください  
締め切り 10月20日
ツァー申し込み先:NBSA日本の事務局(川崎)

NBSA日本の事務局
〒284
0005 
千葉県四街道市四街道1−9−3
視覚障がい者総合支援センターちば内 NBSA
電話 043−424−2501
 
NBSAネットニュース 編集と文責 渥美よりこ カトマンドゥ在住
2010年9月15日

NBSA: http://nbsa.sakura.ne.jp/ 
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