――― NBSAネットニュース 2011年2月号 ―――

ネパールの視覚障害者を支える会(NBSA)の会員 支援者の皆様  



春の訪れを感じさせる季節になりました  読者の皆様いかがお過ごしですか  今年のお正月は本当に寒かったですね  当地カトマンドゥにもチラチラと雪が降りました  

この季節日本は鍋がおいしい  ネギ 白身の魚そして豆腐 日本の食卓は季節に合わせバラエティに富んでいるのが魅力  ネパールは寒くても暑くてもカレーとマメのスープ  でも最近は様々な食材が市場に出回るようになり 食文化が少しずつ向上してきたように思います  

以前はカーストに基づいた食材が厳密に守られていたのですが その枠が徐々に崩れてきたようにも見えます  肉食も増えましたし 大豆も食されるようになりました  ちょっと理解に苦しみますがカースト制度にはマメにも等級があるようで 大豆は低カーストの人々の食べ物でした  それでも豆腐が世界的ブームなのでネパールでもかなり普及  大豆タンパクに魅せられた人が急増中です  



さてネパールでの豆腐の調理方法ですが こちらでは木綿豆腐が主流でやや固め  木綿豆腐特有の匂いが強いせいか 小麦粉をふって厚揚げにするのが好まれています  でも味付けは当然のようにカレー  個人的にはちょっと興ざめなんですが カレーは日本の醤油と似たような感覚で ネパール人はカレーがないと食が進まないようです  慣れると案外おいしい  どうです 今夜はダイエット 厚揚豆腐のカレーを試されるのは  



現地活動報告  

昨年後半から利用者もボランティアも減ってしまい どうしたのかなぁとやや心配していたのですが これも波があるようですねー また盛り返してきました  ボランティアさんにお願いする仕事はたくさんあるのですが なにせ電気が不足  1日14時間が停電状態になりました  事務所の発電機は順調に動いていますが パソコン2台につなげると最大2時間半しか使えず 充電時間は11時間と結構厳しいです  でも東京都の方に寄贈していただいた最新のノートパソコンは 5時間続けて使用できます  これはありがたい 何とか工夫をしながら途切れることなく作業を続けています  



定例活動のカセットテープライブラリー事業 トーキングブックの作成  

昨年4月に事務所が移転し 以前の事務所よりバス停が遠くなったので利用者の足が遠のいていましたが やっと慣れていただき また新書や教科書の依頼が増えてきました  特にネパールの休日にあたる土曜日も開館しているので利用者に喜ばれています  



点字の情報誌タッチ

2010年度は機械の故障で長らく休刊していましたが 少しでも作成目標に近づくように努力しています  これまでタッチの内容は どちらかと言うと行政の広報や障がい者の活動のようなものを中心に編集してきました  カトマンドゥに住む読者は情報を独自にキャッチできるので NBSAのタッチは内容がつまらないし情報も古いとこれまで何度も言われていました  こちらの趣旨は地方に住む人々にも情報をシェアすることなのですが 今回から内容を若干変えて 海外の情報も取り混ぜ また学生にも読んでもらいたいので 英語の記事も載せることにしました  なんと言ってもこうした情報誌がネパール全体でたったひとつしかないのです  現地会長のプララダ タパは 読者全員のニーズに合わせるのは無理  批判されても現状を維持するとの見解です  



寄贈品の御礼

英語点字訳走れメロス3巻を神戸市のシルバーカレッジ 英語点訳グループからいただきました  これまでも数多くの点訳小説をいただきましたが 今回の小説は太宰治の走れメロスの英訳  大変貴重なものです  厚く御礼申しあげます  



ネパール関連ニュース 

大阪に新ギャラリー開設 日本人作家と海外との架け橋目指す  

大阪みんなの経済新聞ネットワーク 1月20日配信

1月14日 現代美術ギャラリー システマ ギャラリー 大阪市西区北堀江がプレオープンした  ギャラリーのコンセプトは The Gateway to the World  世界への玄関口  日本人作家と海
外との架け橋になることを目指す  

その実現に向け 今年10月1日にはカトマンドゥのホテル ホーリー ヒマラヤ 内に提携ギャラリー システマ ギャラリーカトマンドゥをオープンする  

客室を含むホテル全館を会場にして作品を展示するほか 現地の芸大とも提携し 世界各地から人が集まるこの地区で 日本を始めアジアの現代美術作品を世界に向けて発信していきたい とオーナーの石田克さんは語った  



平和賞で交流促進を  毎日新聞2月8日配信

在日ネパール大使館のドゥルガ バハドゥル スベディ次席公使が7日 ゴータマ ブッダ国際平和賞 に選ばれた田上富久 長崎市長を表敬訪問し 5月に同国で開催される授賞式への招待状を渡した  市によると同賞は 98年にネパールであった国際仏教徒サミットで提唱され 02年に同国政府が創設した  



その第1回受賞者が田上市長と秋葉忠利 広島市長で 昨年米国で開かれた核拡散防止条約 NPT 再検討会議での主導的な役割など 核兵器廃絶に向けた取り組みが評価された  授賞式は5月17日にブッダ 釈迦の生誕地 同国南部のルンビニで行われる  スベディ次席公使は 賞が日本や長崎市民との交流の促進につながれば と出席を要請  田上市長は 市民が核兵器のない平和な世界を目指し取り組んできたことが評価されたと思っている  市民の代表として賞をいただきたい と応じた  

アジア クロカンが延期  時事通信2月8日分配信

日本陸連は8日 カトマンズで20日に予定されていたアジア クロスカントリー選手権が延期になったと発表した  ネパール陸連などから通知があった ネパールでは今月 新首相が選出されたが 新政府による大会への財政支援が見直されることになったためとしている  代替期日は未定  

北人権問題をアニメ映画で訴える 清水ハン栄治さん  聯合ニュース2月9日分配信

在日韓国人(父方からは二世 母方では四世)の清水ハン栄治さん(40) ドキュメンタリー映画や人権 平和をテーマにしたアニメや漫画をプロデュースしている  大学 大学院を米国で卒業(修了) 5年前までは日本で一流企業に勤めていたが退社し メディア企業「エモーショナル コンテンツ」を立ち上げた  

ダライ ラマ マザー テレサ チェ ゲバラ マハトマ ガンジーなど世界的人物の一代記を描いた漫画を出版し それら作品は10カ国語で出版されている  ネパールやチベットの学校では 清水さんの漫画本を教科書にしているという  清水さんは現在 北朝鮮の強制収容所の現状を訴えるアニメ映画の制作を手がけている



中国人3人をスパイ容疑で逮捕 軍事施設で写真撮影 インド サーチ名 1月23日分

中国人3人がネパールとの国境付近にある軍事施設に立ち入り写真を撮影したとしインド警察は19日 スパイ容疑などで逮捕したと発表した  3人は通信機器メーカー 華為技術の社員で男性2人 女性1人という  中国の各メディアが伝えた  インド警察によると 3人はインドの入国ビザを持っていなかった  さらに軍事施設に立ち入ったとして逮捕に踏み切った  このほか マネーロンダリングの疑いもかけられている  しかし中国外交部の洪磊スポークスマンは「3人は観光客でスパイではない ネパールを旅行していたが 誤ってインド国境に入ってしまった」と説明している  



時のネパール

新首相の選任投票17回目 7ヶ月ぶりにしてやっと決まったネパールの首相   

2010年2月4日ネパールの首相が選任された カナル氏のプロフィール

首相名 ジャラ・ナート・カナル  1951年5月20日生まれ 60歳

出身地 南ネパール ジャパ

宗教 ヒンドー

統一共産党(UML)マダブ クマール ネパールの後任



立憲君主制から連邦共和制へ移行したネパールの制憲議会 定数601は3日 新首相を選ぶ投票を行い 統一共産党(UML)のジャラ ナート カナル書記長を選出した  昨年6月 政治混乱からマダブ クマル ネパール首相が辞任に追い込まれて以降 首相選出投票が17回行われたが 今回カナル氏が368票を獲得し 初めて過半数を制した  UMLは第3党だが 第1党のネパール共産党毛沢東主義派(マオイスト)書記長のダハル元首相が投票直前に立候補を辞退し カナル氏支持に回った ダハル氏は 政治危機を終わらせるため と説明した  首相不在の間は ネパール前首相が暫定首相を務めていた  



多くの国民にとり新首相にカナル氏に寄せる期待は小さい  もとよりマオイスト派とUMLの水面下での交渉で カナル氏が選出されたと言われている  さて カナル政権がどのくらい続くと思うか と何人かの人に聞いてみたが カナル氏が手腕を発揮する間もなく失脚するだとうと 悲観的に見ているようだ 



遠い声  ドルガ ラール シュレスタ選詩集  翻訳 藤井正子氏



そばでみるより 遠目の方が

君はよほど美しい

高みから注ぐほど

エッラーが輝き泡立つように



人生はエッラーそのものだから

アンティも盃も空にはならない

君よ ここがエッラーの地であるならば

ここでは年中お祭騒ぎだ

1964

注 エッラー ネワールの家庭でつくる自家製の強い酒

注 エッラーを注ぐ真鍮の瓶



口うつし

ある夕べ

一人の若い女を見かけた

彼女はうら淋しい火葬場にたたずみ

手のひら一杯の灰を見つめていた



灰はためらいながらつぶやいたようだ

「僕たちの愛の物語が

ここで終わったとは思わないでおくれ

僕はきっと戻ってくるから

君に口移しで愛を伝えるために

盃の形をしているけど」

1964



NBSA日本の事務局

〒284
0005 

千葉県四街道市四街道1−9−3

視覚障がい者総合支援センターちば内 NBSA

電話 043−424−2501



NBSAネットニュース 編集と文責 渥美よりこ カトマンドゥ在住

2011年2月13日

NBSA: http://nbsa.sakura.ne.jp/ 



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