――― NBSAネットニュース 2011年7月号 ―――

ネパールの視覚障害者を支える会(NBSA)の会員 支援者の皆様  


ネパールからの四季のおたより

日本は今年の夏もかなり暑くなりそうだと聞きました  皆様お元気でしょうか  

時折ネパールの友人から 日本の災害のことを聞かれます  どのように答えてよいのか困ってしまいますが 徐々に復活に道を歩き始めました とさりげない返答をしています  日本とあまりに違いすぎるネパール 失ったものは誰にも取り返しがつきませんが いまだに思い出したようにお悔やみの言葉をいただくとやはり嬉しく そしてまた被災地いる方々を思うと目頭が熱くなります


さてネパールから季節のたよりをお届けしましょう  

ネパールの季節は大きく分けると雨季と乾季に分かれます  今は雨季のさかりです  雨雲が15分おきぐらいに移動していてすごい勢いで局地的に雨が降らせると 気短な雨雲はさっさとどこかに行ってしまいます  ところ変われば品変わる  カトマンドゥに滞在し始めた頃は この時期外出の時にいつもレインコートや長靴で外出していましたが この頃では多少濡れてもまたすぐ乾くので 折りたたみ傘1本持って出るようになりました  本当に夜の涼しさは快適で このひんやり感を日本にも届けたいなぁと思えるほどです  この季節カトマンドゥ近郊のリゾート地はどこもガラガラ  この時期のカトマンドゥはなんとなくのんびりしたい人にお勧めです  ヒマラヤはまったく見られませんが ぜひ一度お越しください  


現地活動報告  

定例活動

カセットテープライブラリー事業 トーキングブックの作成  

5月から短大の福祉学科の女子学生2名が 週2回 朗読のボランティアに来ています  この二人目的は無論のこと単位獲得のためですが 今回受け入れたボランティアさんたちはこれまでなかったほどビジネスライク  NBSAの事にはたいして興味がなさそうです  

3年前に初めて派遣されてきたボランティアの男性は 朗読に自信がなかったものの 必死に点字を勉強したり 訪問者をバス停まで一日に何度も迎えに行ってくれましたちょっと年寄りくさい愚痴になってしまいましたが ああ 昔はよかったなぁといった感じです  

さて 事業のことですがトーキングブックに使う本をなるべく買わずに 様々な人から一時的に本を借りるようにしました  これは4月に越してきた新事務所の大家さんの提案です  大家さんの奥さんは かなり協力的でかなりたくさんの本を貸してくれました  本当にありがたくかなりの節約になっています  


点字情報誌タッチ

ネットニュース6月号と同じ報告で恐縮です 

タッチ25号発行にスタッフ一同大いに喜んだのですが またしてもプリンタが不調  タッチ26号の発送はかなり先になりそうです  本当に残念無念  


カトマンドゥ事務所だより

昨年から迷子ネコを飼っています  始めは勝手に住み込んだ という感じでしが 今はすっかり飼いネコ  そして困ったことに先月子どもを6匹も産んでしまいました  ネコは魔性のもの(特に黒猫)とネパールでは比較的敬遠されている動物なのですが NBSAのスタッフと大家さんはネコにやさしい  半分くらいはもう引き取り手がいます  貰い手のないネコちゃんはどうする?と聞いてみると  皆さんかなりおおらか  放っておけば?ネコは自然の中で自由に生きていけるからとのこと  

お国変われば 品変わる うーん味がある言葉ですね  生きとし生けるものみな兄弟 生ゴミをあさったり庭先におしっこしても平気の平左 と言った感じです  


ネパール関連ニュース

W杯アジア予選がいよいよ開幕  ISM 6月29日 配信

2014年ブラジルW杯のアジア予選が幕を開ける  日本代表は3次予選から登場し 前回大会と同じく出場枠「4.5」をかけて争うことになる  
29日から始まる1次予選のファーストレグでは FIFAランキングで下位の16チームがホーム&アウェイ形式で対戦  FIFAランキング200位の東ティモールは同147位のネパールと顔を合わせ そのほかにもアフガニスタン対パレスチナ マレーシア対チャイニーズ タイペイなどの対戦が予定されており セカンドレグは7月3日に行なわれる  


マレーシア 3度PK献上も なんとか逃げ切り2次予選へ W杯アジア予選

ISM 7月4日分配信

2014年ブラジルW杯 アジア1次予選は現地時間3日(以下現地時間)にセカンドレグの試合が行なわれ マレーシアやベトナムなど 8チームが2次予選進出を決めた   チャイニーズ タイペイとのファーストレグを2対1で勝利していたマレーシアだったが この日行なわれたアウェイでのセカンドレグでは2本のPKを決められ 2対3と逆転負け  2試合合計スコアで4対4と並んだが アウェイゴールで上回り なんとか2次予選進出を決めた  マレーシア以外では ネパール ベトナム ラオス パレスチナ ミャンマー バングラディッシュ フィリピンの合計8チームが1次予選を突破した  


ネパール エベレスト山麓の学校50年 政府から松本のNPOに感謝の盾  

毎日新聞 7月7日配信

世界最高峰エベレスト(8848メートル)の山麓にあるネパールの ヒラリースクール クムジュン校が5月末に開校50周年を迎え 学生寮を建てるなど支援をしてきた松本市のNPO法人「松本ヒマラヤ友好会」に 同国政府から感謝の言葉が記された盾が贈られた  現地であった記念式典に出席した鈴木雅則理事長(61)は「支援活動の積み重ねが大きな成果に結び付いた」と喜び 同校のさらなる発展を願っている  

標高3800メートルのクムジュン村にある同校は 英国隊に加わって1953年にエベレストに初登頂したニュージーランド人登山家 エドモンド ヒラリー卿(1919〜2008年)が 登山に協力したシェルパ族の子弟のために創設した  61年に開校し 現在は日本の小 中 高校にあたる10学年に約350人が学んでいる  

同会では96年以降 国際協力事業として 松本市の姉妹都市の首都カトマンズの短大などに学ぶ同校卒業生計58人に奨学金を支給してきた  また02年には日本政府の援助資金を得て校内に学生寮や食堂を建設し 運営を支援してきた  


 記念式典ではヒラリー卿の妻でシェルパ族を支援する財団のジュン ヒラリー会長らと共に 鈴木理事長に同国教育相代理から盾が授与された  祝福行事は4日間続き 多くの村人たちが歌や踊りを披露  盛大な催しだった という  

ヒマラヤ登山に欠かせぬ戦力となるシェルパ族は酸素が少ない高地に住み 重荷を背負って歩く生活を送るため 高所登山に抜群の能力を発揮する  これまでに日本など各国の登山隊が競って雇い 力を借りてきた  


エベレスト初登頂を果たしたヒラリー卿は60年 年配の村人に問いかける  「村のために私に何ができるだろう」村人は「子供たちを学校へ行かせたい」と答えた  ヒマラヤの村には学校がなかった  以来 ヒラリー卿は学校建設に尽力  クムジュン校を手始めに シェルパ族の住むクーンブ地方に多くの学校や診療所を開設した  

90年に設立した松本ヒマラヤ友好会は ヒマラヤ登山などを通じてシェルパ族との交流を深め 同じ山国の住人として彼らを援助してきた  鈴木理事長は「卒業生は各分野で活躍しており 今後も彼らの生活や社会的地位の向上に役立っていきたい」と話している  


姉妹都市派遣の女子高生が フェアトレードを学び 発信方法を模索/横須賀

カナロコ 7月9日配信

横須賀市在住の女子高校生が 農作物や雑貨を適正な価格で買い入れ 発展途上国の貧困解消と自立を目指す「フェアトレード 公正な取引」を熱心に学んでいる  今夏 市の姉妹都市交換学生プログラムでフランス ブレスト市を訪れる県立横浜国際高校1年の菊地真由香さん15歳だ  「フェアトレードを広く知ってもらいたい」と 自分なりの発信方法を模索している  


昨秋 ボランティアで参加した市の国際交流イベント「ジャパンフェスティバル」会場の一角で ネパール産のフェアトレードコーヒーが販売されていた  「どういう意味だろう」  帰宅してすぐインターネットで調べたのがこの取り組みを知ったきっかけだ  
もともと国際貢献に関心があった  「発展途上国といわれる国々で教育支援をするのが夢」という菊地さんは 小学4年生のころから 青年海外協力隊の隊員を知人に持つ当時の担任教諭を通じ 買い集めた鉛筆やノートなどの文具品をわずかずつスリランカで活動する隊員に送っている  
「支援の形は一つじゃない」  「無理なく国際貢献ができる」フェアトレードと出会って以来 自分が気に入ったブレスレットなどのフェアトレード商品を購入したり 書籍などを通し研究したりしている  


夢の実現へ一歩近づくために応募した姉妹都市派遣事業  派遣学生に与えられた研究課題は 偶然にも「フェアトレード」  派遣先のフランスでは 同国の取り組みや 日仏でのフェアトレードに対する認知度の違いなどを研究するという  
自分自身が昨年まで知らなかったフェアトレード  ブレスレットに興味を持った友人にその存在を紹介するなど 日常生活の中での周知を心掛ける  「知るきっかけを増やして 支援の輪を広げたい」派遣先でフェアトレードの知識を深め 新たな周知方法を学ぶつもりだ  


松山 二番町通りに「ナマステ食堂」 カレー24種と各国のビール提供 

愛媛 みんなの経済新聞ネットワーク 7月12日 配信

松山 二番町通りに7月4日 インドネパール料理店「ナマステ食堂」がオープンした  店舗面積は約15坪で 席数は24席  横浜店に次ぐ2店舗目で 店長はネパール出身のブサル チョクラルさん  エスニックの服や雑貨が好きでよくネパールに行っていたという妻 英梨さんとはネパールで知り合った  もっとチョクラルさんに日本という国を知ってもらいたいという英梨さんの思いから 結婚を機に英梨さんの出身地横浜に1号店をオープンした  


知人が松山 北条に住んでいることから 毎年1回松山を訪れていた2人は以前から松山に住みたいと考えていたという  3月11日の震災から3日後の14日に友人の力を借りて松山に一家で避難してきた  「1歳半になる子どももいて 原発の問題もあったので向こうには帰らず こちらで生活を続けていた  せっかく松山にいるのであればと 店を開くことにした」と英梨さん  


カレーはベジタブル チキン シーフード キーマ マトンなど全24種類を用意  ランチメニューはナン ライス食べ放題  ランチセットは7種類から選べ 価格帯は700円〜1500円  ディナーセットはコース2000円からで 飲み放題1500円も用意  ネパールやベルギー ハワイなど各国のビール17種類を提供する  自家製のラッシーやチャイを使ったワインも  


英梨さんは「食堂という名前でランチのイメージを持たれがちなので ディナーをやっていることやビール おつまみの種類が豊富にあることも浸透させていきたい  地域の人ともっと仲良くなれる店を築いていけたら」と話す  
営業時間は11時〜15時 17時〜22時  


インド人女性の6割が家庭での決定権を持たず 国連報告書

インド新聞 7月13日配信

12日付のビジネス ライン紙によると インド人女性の62%が家庭での決定権を持っていないことがわかった  国連の報告書によるもので 調査対象は30カ国の15〜49歳の女性 調査期間は1年半  


最も決定権がない国は91%セネガルで 76%コンゴ 62%で同率のインド  ネパール ウガンダ ザンビア スワジランドと続く  半数以上の女性が決定権をもたないと答えた国は18か国にも上った  報告書は「財政的に夫や家族に頼らざるを得ない女性は 家庭内暴力などの被害に遭う確率が高い  彼女たちは時間やお金 知識がないために法的機関へ頼ることもできない」と指摘している  


ネパールのニュース (ニューズライン)

対人地雷の撤去

1996年マオイスト派がゲリラ闘争を始めて以来多くの場所にマオイスト派国軍によって対人地雷が埋められていたが 復興省と国連地雷撤去チームはカトマンズ南部プルチョッキにあった53か所のうち最後の一か所を撤去した。これによってネパール国内には地雷は存在しないことになる。


国勢調査

1911年に始まった国勢調査は本年度で11回目を迎えるが マオイスト派との闘争やそれに伴う国政の変革がどのような結果をもたらすか興味をもたれている  人口に限って言えば本年末の人口推計は2860万人に達し 2001年の調査で2310万人から毎年2.25%増加していることになる  


ホテルとレストランの格付け
商業省によれば国内の幹線道路沿いにあるホテルやレストランの格付けを7月15日以降実施することになった  調査によれば主要幹線沿いには200を超えるホテルやレストランがあるが食事の質 値段 衛生管理等の点でクレームが多く とりわけ外国人旅行者からは敬遠されている  実施は消費者保護法(1998年)に基づいており 優秀店はブルーマーク まあまあ店は イエローマーク 駄目な店はレッドマークが表示される  


自前論評  危ないのか 安全なのかよくわからない国ネパール

ネパールに行きたいのですが ネパールは安全ですか? 危険ですか?

とときどき聞かれる質問  しばし答にこまってしまう私です  

日本からいきなりネパールに来て ゲリラ戦の真っ只中に飛び込んで行けば 誰だって流れ弾をくらう確率はあるでしょう(ただしもうゲリラ戦はないが)

また 一般のネパール人が近づかない物騒な場所を 真夜中に徘徊するなどしたら誰でも 恐喝ぐらいされるかも知れない  

また 何の断りもなしに むやみやたらと写真を取り捲るなど 世界中の誰だって嫌がることをされたら怒りまくるんじゃないですか?

ようは行き過ぎた行動をする人は どこへ行っても敬遠され 場合によっては暴力沙汰が発生するかも知れないと言うこと  


先日カトマンドゥ市内の高級日本料理屋でティナーをご馳走になった  スポンサーがいなければ自費ではとうてい無理  マグロのお刺身 しめ鯖 エビなどなど 涙が出そうなほどおいしかった  新鮮なネタはすべて日本からの空輸とのこと  絶対に安全だそうです  そこでふと考えた  もしこのマグロがインド洋原産 インドからの直輸入だったらどう感じるだろうと  

確かに日本の冷凍技術はインドより上かも知れない  しかし日本からの直輸入でも当たる人は当たるのではないかな?


あまり神経質にならないで 常識的な旅をしていれば ネパールの旅は途上国でも比較的安全 と言う気がしますが  ただし生水だけは十分ご注意ください(渥美)


遠い声  ドルガ ラール シュレスタ選詩集  翻訳 藤井正子氏

最後の望み


使い古され ぼろぼろになり また繕われ

私はほとんどすり切れてしまった

汗をぬぐう間くらいは休ませてほしい

私は死ぬほど疲れているのだ


どれほど遠くへやってきたのか

どこまでさらに行かねばならないのか

涙の滲む目で振り返ってみても

過ぎた道には何の足跡も見当たらない


「あゝ虚無よ   私は一体なんなのだ」

灰の入った腰の籠を示して そいつは言った

「まちがいなく 死と交換されるものさ」


死と取り替えられる運命ならば

さっさと取り替えたがよかろう

だが 代わりにお前が手にする死は

どうか 雪の峰ゝの姿を与えてほしい



困惑の渦


どうして心が抜けてゆくのか

水の中の魚のように

どうして信念を持ちこたえられないのか

仏陀の教えに従うものとして


もうどうしようもない なるようになれ

泣いても元に戻れない

なぜにまたもや 愛の虜になってしまったか

何もかも すべてわかっているはずなのに


これは 解こうとすればするほど

一層きつく締まる結び目

その端をみつけようとすれば

紐はますます私にからみついてくる


一体どうすればいいのか

しばしば自分を見失い 涙の中で途方にくれる

こんなことはこれまで決し無かったたのに

裏切者は他の誰でもない

「時間」という 二枚舌をもつ奴だ


そいつを越えたむこうには

菩提樹の花咲く 美しい庭が広がっているだろうに  


NBSA日本の事務局

〒2840005 
千葉県四街道市四街道1−9−3
視覚障がい者総合支援センターちば内 NBSA
電話 043−424−2501


NBSAネットニュース 編集と文責 渥美よりこ カトマンドゥ在住
2011年7月17日
NBSA: http://nbsa.sakura.ne.jp/


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