――― NBSAネットニュース 2012年1月号 ―――

ネパールの視覚障害者を支える会(NBSA)の会員 支援者の皆様  


ネパールの視覚障がい者を支える会の会員の皆様  そしてネットニュース読者の皆様 新年明けましておめでとうございます
はーっとため息が出るような2011年が静かに過ぎて行きました


地球規模で見ると色々重たいニュースが各地各国に流れましたが 遠いネパールに住んでいても やはり一番気になったのは日本の被災でした  完全とは言えないものの他国と比べると驚くほど復旧が早く 皆様が少しでも楽しいお正月をお迎えできますようお祈りしているし次第です  


ある本によると こうした地球規模の大災害は 何千年 もしくは何億の周期に必ず起きるそうです  それはまた人類がさらなる大きな一歩を踏み出す 画期的な年になるとも言われているとのこと  地球人にどのような進歩もたらすのか皆目検討がすきませんが 自然災害は避けられないものの 紛争地帯と言われている国々が すみやかに和平の道へと歩を進めてくれるよう 心より祈願しています  


カトマンドゥ そしてネパール全土もその大きな地球 もとい宇宙サイクルに乗って 一定の側面だけは確実に変化しています  その発端を切ったのは携帯電話  パソコンの普及はまだまだですが 情報の共有の必要性を誰もが認めているようです 祖国を離れ 諸外国で働く家族に携帯で気軽に そしてとても安く通話できるようになりました   


私たちネパールの視覚障害者を支える会は カトマンドゥを拠点にオーディオ分野でここ2年間 驚異的な進歩を遂げました

カセットテープからCDへ またはMP3から携帯電話録音へと 


先日一般の大学生と共に寄宿している視覚障がいの女性が 小説を借りにきました  同僚の学生もいっしょにNBSA作成のオーディオ小説を寝しなに聞いているとの事  

こうした些細なことから 友情を深め合ったり 視力に障がいのある人も共に勉強する機会を持つことができるのだと 嬉しく思いました    

2012年 皆様にとって何か素晴らしい飛躍を遂げる年でありますよう お祈りいたします  ネパールの視覚障害者を支える会 会長 渥美 資子


現地活動報告  

定例活動

カセットテープライブラリー事業 トーキングブックの作成  小説2冊完成


事業名称の変更  

これまで馴染んできカセットテープライブラリーと言う名称を 時の流れに準じて

オーディオライブラリーと改めさせていただきます  名称は変わりますが 事業内容は同じで カセットテープ録音を希望するユーザーには パソコンからカセットテープに録音してお届けしています


点字情報誌タッチ

第28号の編集に取り掛かっています  これまでご協力頂いた 盲学校のブッダ先生に代わり 事務担当ボランティアのニルマル ビスタ君が業務を引き継いでいます 完成予定1月下旬


特別事業

@12月3日 国際障がい者デーにちなみ カトマンドゥ市内でデモ行進が開催されました  主催は全国ネパール障がい者連盟  NBSAも呼びかけに応じ デモ行進と式典に参加しました 「今年のスローガンは 障がい者を含んだよりよい世界の構築と団結 障がい者に関する法令宣言 差別の撤廃 及び身体障がい者への配慮 新憲法に障がい者の権利を加える 恒久的平和などかなり長いものでした  


隊列の構成は例年と同じで低身長症の人々を先頭に 車椅子使用者 知的障がい者とその両親 視覚障がい者障害者 聴覚障がい者の順番でした  

今年も視覚障がい者の参加は減る傾向にあり 「あえてこのような行動に出なくても 行政に訴えるだけで充分」と考えている人が多かったようです 


A同日の12月3日にの国際ボランティアデーも一緒にお祝いました

本来は12月5日ですが 1日明けてまた集まってもらうのも大変だと思い 今年は障がい者デーの式典が終わってから 簡素ですがボランティア感謝際を祝いました 

デモの集会場近くのタカリ料理のレストランで 安いのですがとてもおいしいランチを頂きました 役員代表のオムが常日頃お世話になります と挨拶すると「オムさんもういいよ 硬いのは」とボランティアの方から言い出しました  共に生き共に学びあえるのがNBSAの特色です  今後もぜひ続けたいNBSAのひとつです  


ネパール関連ニュース

冬の初めに サクラサク 横浜藤が丘のヒマラヤザクラ開花 

みんなの経済新聞ネットワーク 12月1日

藤が丘地区センター(横浜市青葉区藤が丘1)玄関前に植えられている ヒマラヤザクラが今年も開花した  

ヒマラヤザクラはバラ科サクラ属の樹木  ネパール地方原産と言われるサクラで 冬にピンク色の花を咲かせ ソメイヨシノなどとは反対に 散る間際に色が濃くなる  日本ではネパールの故ビレンドラ国王が日本への留学のお礼に熱海市に寄贈した種子から育てられたサクラとしても知られている  
2004年に同センター開館15周年を記念して 玄関前に植樹されたヒマラヤザクラ  毎年11月から12月にかけて花を咲かせており 地域のシンボルツリーとなっている  

この苗木は 地域の園芸家で 20年以上ネパール ヒマラヤの山村で植林協力を行っている高橋佳晴さんが ネパールから持ち帰った種子を育てたもの  同館ではこれまで高橋さんの協力も得ながら大切に育ててきた  


超音波診断装置 ネパールと筑西のロータリークラブ 県立こども病院に寄贈 

毎日新聞12月2日

甲状腺がん発見に威力

ネパールの子どもたちを支援している筑西市の下館ロータリークラブ 加藤昌美会長から 水戸市の県立こども病院に最新型の超音波診断装置が寄贈された  1日同病院で感謝状の贈呈式が行われた  ネパールの カスタマンダップロータリークラブから 東日本大震災で被災した日本の子どもたちを放射線に起因する病気から守るために役立ててほしい」 と申し出があり  両クラブなどが寄付金を出し合い  500万円相当の装置を贈った  

寄贈された装置は可搬式で 従来の装置より解像度が高く 甲状腺がんなどの早期発見に効果的 ベッドサイドで検査できるだけでなく 患者への負担もないという  贈呈式で  加藤会長は「子どもたちの将来のため  役立ててほしい」とあいさつ  土田院長は あらゆる疾患に適応でき 痛みを伴わずに検査できる優れた機械 心温まる寄贈にお礼を言いたい と応えた  


インドの汚職度 さらに悪化 南アジアは総じて高い腐敗度

インド新聞 12月5日

世界各国の汚職動向を監視している非政府組織 トランスペアレンシー インターナショナルは 1日に、国地域別汚職認識指数やそのランキング2011年版を発表した  調査対象は183カ国 地域  トランスペアレンシー インターナショナルは ビジネス関係者 一般大衆および各国のアナリストなどによって 公務員や政治家の間に汚職がどの程度存在すると認識されているかという点から各国をランク付けている  


2011年の清潔度トップはニュージーランド 以下2位デンマークとフィンランド第4位スウェーデン 第5位シンガポール 第6位ノルウェー 第7位オランダ 第8位スイスと豪州 第10位カナダとなっている  


インドは95位 その他の南アジア諸国に関しては スリランカ86位 バングラデッシュ120位 パキスタン134位 ネパール154位 非常に厳しいランキングとなっている (11年12月1日トランスペアレンシーインターナショナルの発表から)


宅洋平&Peace−KのネパールライブをCDとCDプラスDVDで発売

12月5日配信

三宅洋平とパーカッショニストのPeace−Kによるライブアルバム「Music journey ep−2NEPAL NEW MOON BLACK OUT KATHMADU」が12月7日に発売  

この作品はネパールのカトマンズで行われたライブの模様を収録したもの  会場の歓声を含むライブの音をCDに ドキュメンタリー映像をDVDに そして同行したフォトグラファー愛輔が撮影した写真をブックレットにそれぞれパッケージし 現地の空気が存分に込められた内容になっている  


ネパールのニュース

湧きに湧いた南アジアサッカー選手権 2011年12月2日から11日

ブータン ネパール バングラデッシュ インド スリランカ モルディブ パキスタンからなる 南アジア地域連合のサッカー選手権がインドで開催された まだ優勝したことのないネパールが 今度こそはと意気込んだ試合だったが あいにく強豪モルディブに負けて4位  ううう残念  カトマンドゥでは野外スクリーンまで張って市民が応援 (おいおい電気はどこから調達した?)無論年寄り連中は若い連中のタマケリには無関心 それでも若い子達がキーキー言ったり ウォーと唸る声を聞いているだけで血沸き踊る 若さっていいなー ちなみに 優勝インド 準優勝アフガニスタン 3位モルディブ 4位ネパールでした


相次ぐプロパンガス事故

ネパールには都市ガスがない  カトマンドゥ盆地内は 調理などに小型のプロパンガスを使用している  その貴重なプロパンガスの爆発事故があいつぎ 市民を震撼させた  一番ひどかったのはボンベの爆発により 4階建ての家屋がふっとんだこと  政府は古いガスボンベを売らないようガス会社に呼びかけているが ガス会社が古いガスボンベにペンキなど塗り 新品のように見せかけているため どれが新しいボンベなのかわからないのでこのような事故は当分収まりそうにない  政府の厳重な検査が望ましい  規格に合格し一番良いと言われているのが「ネパールガス」次に「ルンビニガス」とのこと  

これらの事情があるせいか 今年の冬もガス不足が予想されている


猛烈な寒波 

12月29日現在 ネパールで50人の人がすでに命を落としている  南ネパールのタライ平原がもっとも多く 貧弱な家屋 不十分な衣類 栄養失調などが原因  


インドとバングラにも激烈な寒波襲来襲来している 

た  十分な防寒具を持っていない貧困層が犠牲になっている  インドの首都ニューデリーでは 12月20日の最低気温は平年を3度下回る4.8度だった  当局は 路上生活者のために54か所の簡易宿泊所を開設しているが十分ではなく 犠牲者の増加が懸念されている  


いまだに続くトリインフルエンザ騒動

9月下旬のダサイ祭前に発覚し 当局はかなり迅速に多量のニワトリを焼却処分したのだが またバクタプルの農家からトリインフルエンザが発覚  当局はすぐに感染しているニワトリを処分したが 後どのくらい感染したニワトリがいるのか定かではないとのこと (この時期バクタプルへ行かれる方は要注意)


評判の悪いカジノの経営

ネパールにはカトマンドゥとポカラに合計10件のカジノがある  このほどカジノの営業が全面的に廃止された  その原因のトップは カジノ営業者の特許権の未払い 営業許可の更新がなされていないことなど カジノ自体にも問題が多く旧皇室のパラスが王子が カジノで不正な取引を行ったらり 酒乱で大暴れちたなど一般市民には敬遠されていて カジノ前面廃止を求める声も上がっている


計画停電 どうも怪しい ネパールは本当に水不足なのか?

電力の99パーセントを水力に頼っているネパールにとり 乾季の11月から5月まで 電力の確保がかなり難しい  これだけ大きな山々が密集しているネパールなのだから水には不自由しないだろう と考える人もいることでだろう  確かに山の麓に行けば ジャンジャン湧き水が流れている  ただしその水を都市に流し飲料水にしたり 電力に活用する資金がないと言われている だがしかし本当だろうか?

聞くところによると西南ネパールは水が豊富で 水力発電所も立派に動いている ところがその電力をインドに横流しているという噂が流れている この地域のみならずネパールの様々な地域は電気をインドから買っているのに う〜んどうも怪しい    


中国製品 インド製品どっちがいい?

たいした産業がないネパールでは あきれるほど輸入が多い  インドと中国の間に挟まれたネパールでは 両国から様々な物を買っているが 最近のトレンドは中国製品のようだ  安価でお洒落そして輸出入の特別な制限などないからだ ほとんどがチベットを経由してネパールに運ばれているが きちんとした国境を越えずに 渓流のつり橋を渡って物資が運ばれて来る場合もかなり多い  中国から来る品々は携帯電話 テレビ 電子レンジ 炊飯器などの家電製品 それに毛布 衣類などの雑貨など インドからの輸入はやや高価なサリー 電化製品 様々な工具などのオーソドックス日常使う製品が多い   

インド製品は何でもでかくてヘビーなのが難点だが ネパールの人にとってやっぱり馴染み深いも物が多い 印中輸出合戦 やっぱり当分はインドの勝ちと言った感じかな?


遠い声  ドルガ ラール シュレスタ選詩集  翻訳 藤井正子氏

@寺の神々

   コンクリートの建物が我われをとりまいている

   あれほどたくさんの寺はどこへ消えていってしまったのか

   彼らが侵略を続けているあいだずっと

   神々はその被害を黙って見つめておられる


   自分自身を尊敬することもない彼らに

   どうして神々を拝することができよう

   聖像の破壊者たちは金持ちになれるかも知れぬ

   しかし それで幸せになれるか


   その富は 彼らの遠からぬ破滅を隠しおおせない

   おそらく神はじっと待っておられるのだ

   降臨すべき その日が来るのを

1993


A上り坂

   笑いながらか 泣きながらか

   どうだったのかは知らないが

   私は 若さの山を登り続けてきた

   いま 道を西へとたどっている

   ちょうど沈んでいく太陽のように


   昨日まで この道はとても魅力的だった

   まるですべてが 自分の世界であるかのように

   だが今日は

   自分さえもが見知らぬ他人に思われる


   今なお生きて 息しているが

   鳴り響く葬送の音楽が聞こえてくる

   私は墓のへりに向かい

   一歩一歩と 上っていく

1993


B緑の木の下で

   狂人が石板に描く無茶苦茶な線のように

   絡まりあった道の中で

   どの道が目的地に続くのか

   知る者は誰もいない

   それらの道を止まることなく進んでいくが

   彼らはどこにも近づくことがない

   まるでもつれた心の足取りを描いているようだ


   さあ来給え 旅人たちよ 

   今だ旅の終わりを見出せない人たちよ

   この緑の木下で休み給え

   ここは仏陀が 新しい光を見出された所なのだ


NBSAネットニュース 編集と文責 渥美よりこ カトマンドゥ在住

2012年1月2日

NBSA: http://nbsa.sakura.ne.jp/


本会の活動や最新版の会報誌を更新しています  ぜひご覧ください

NBSAネットニュースは音声パソコン対応編集をしています

NBSAネットニュースは会員以外の様々な方に流しています  受信をお望みでない方は ご面倒でもご連絡ください


--
新規で投稿される場合は 下記アドレスへ投稿してください
nbsa@googlegroups.com
その他 問い合わせ等は中村までお気軽にどうぞ
namaste@rr.iij4u.or.jp