――― NBSAネットニュース 2012年2月号 ―――

ネパールの視覚障害者を支える会(NBSA)の会員 支援者の皆様  



おとその気分は抜けましたことと思います

ネパールでは西暦の新年を祝うのは圧倒的に少数派 それでもいちおう国民の祝日で 


カトマンドゥの外国人旅行者のメッカ タメルではお土産屋 旅行会社 レストランの従業員が なぜかハッピーニューイヤーを連発し 夜はほろよい気分でメインストリートを闊歩していたそうです



このタメルと言うのは 外国人租界のようなところ  もちろんネパールなのですが外国人向けホテル 各国のレストラン 土産物屋 インターネットカフェが乱立し 各国語が飛び交います  そこで働くネパール人やインド人は 少なくとも3各国語くらいけっこう上手に話せます  バンコクのカオサン通りに似ていますが タメルで働く人たちはもっと親切で上品です  何となく歩いているだけでわくわくしてくるタメル  今年はぜひネパールにおいでください  登山をされない方も楽しく思い出深いバケーションになること請け合い 秋にはスタディーツァーも予定しています 



現地活動報告 

定例活動 

@オーディオライブラリー  大学レベルの教科書の音訳  

私たちは通常学校の教科書などは できるだけ同じクラスの学友にお願いしています  これは社会啓発の一環として身近な人々に 視覚障がい者がどのように勉強するか幅広く理解を求めるのが目的です しかし今回はとても急いでいて しかも大学院の最終テストを受けるためのもの  短い期間で300ページ以上の本を仕上げなければなりません 小説などの音訳するボランティアさん達 そして一般事務担当の男子スタッフも急遽朗読者に変身  始めは照れくさいようでしたが3日以上続けるとスラスラ  若い人は状況や環境にうまく適応できる能力があるようでうらやましい  



A点字情報誌タッチ

29号の作成を開始しました

プリンターの故障で残念ですが ネパール盲人協会に印刷をお願いしています  先日やっと28号を作成し 地方の視覚障がい者団体や学校に郵送しました  前号同様障がい者団体の動きや 一般の新聞に取り上げられた視覚障がい者に関するニュースのほかに やや娯楽性のある記事 ニューリリースした視覚障がい者の歌手の話 詩なども若干ですが載せました 28号はカトマンドゥ盆地内の団体と大学へ 地方へはネパール盲人協会の支部などに発送 合計約50郡



B12月末 現地ネパールの視覚障害者を支える会会長 プララダ タパの任期満了にともない 総会並びに新役員の選挙を行いました

参加者数 役員及び支援者など合計25名が参加



事業内容と規約などの変更なし 

ネパールの視覚障害者を支える会 ネパール現地役員変更

会長  ビソ アディカリ (元会計)

副会長 シュレス ラジュバンダリ(新)

経理 アルナ バスコタ(元一般役員)

以下 一般役員5名は省略させていただきます



その他

NBSAに日本の可愛いお嬢さんが訪問宿泊してくれました

ネパールが大好きな針灸の先生(東京都)小島純子さんのネパール訪問はこれで3度目 純子さんは学生時代 ネパールの留学生と共に親しく寮生活をしていたのがきっかけで ネパール語を学ぶなど 大のネパールファン  いつも単独でネパールに来てくれます ネパール盲人協会の女子寮に宿泊するなど かなり度胸のある人ですが 明るく可愛い  そんな彼女が海賊ゲームと言うステキなプレゼントを持って来てくれました  プラスチックのビア樽にひとりずつ順番に短剣を指していきます  失敗するとプラスチックの短剣がぴゅーっと勢いよく飛んでくる 

キャーこわ〜いを連発しながらも スタッフ一同大いにはまりました  純子さんありがとう また来てね



ネパール関連ニュース

JICA代替エネ南南協力支援 ネパールとルワンダ

インド新聞2011年12月14日配信 

JICAの技術支援が 対象国から第3国へと南南協力に発展している  JICAの支援を受けた代替エネルギー研究開発で ネパールはルワンダへの支援を展開している  

JICAは1990年代初めに 代替エネルギー研究開発計画プロジェクトを通してネパールの王立科学技術院(現科学技術院)に対し 太陽光エネルギー バイオマス改良かまど 自然力ボートの研究 開発を支援してきた  技術移転に伴って人材も育っており ネパールのトリブバン大学付属再生可能エネルギーセンターは 2007年から 代替エネルギーの技術移転を支援するため ルワンダのトゥンバ高等技術専門学校にネパール人専門家を派遣している 

 

NIMS 水道からヒ素を簡単 安価に検出して除去できる材料を開発

ナイナビニュース 1月11日配信

物質材料研究機構(NIMS)は 有毒物質のヒ素を飲料水から簡単 安価に検出して除去できる材料を開発したと発表した  研究はNIMS元素戦略材料センター資源循環設計グループの主幹研究員によるもの  

ヒ素は古くから知られる人体毒性の強い物質だが 現在、ヒ素が世界中の水に大きな影響を及ぼしているという  例を挙げれば バンクラディッシュではその国土全域で飲料水へのヒ素汚染が大きな問題になっており 史上最悪の環境汚染とも呼ばれている  同様の汚染はインド ネパール ベトナム 中国などヒマラヤ水系で膨大な人口を抱える国家をはじめ 東南アジアだけでも6000万人がその汚染地域に住んでいるという  



イベント 祭礼 料理 ネパール文化紹介 大阪 

毎日新聞 1月16日配信

異文化理解が身の回りを見つめ直すきっかけになればと ネパールの文化を紹介するイベント「私のふるさとカトマンドゥ」が15日 大阪市のドーンセンターであった  参加した市民らは 現地の映像や市内の小学生がネパールを想像して挑戦した塗り絵などに見入っていた  
90年に来日したネパール人のメディアデザイナ ラジャラトナ スタピットさん(46)が企画  ラジャさんは大阪府内の小学校や児童館で 塗り絵などを使って他者との違いを認め合うことを教える取り組みを続けている この日は祭礼文化や料理の違いなどを紹介。ラジャさんは「人と違うことを拒絶するのではなく 違いは面白いということを伝えたい」と話していた  



殺人事件 路上でネパール人死亡 けんかか

毎日新聞1月16日配信

6日午前4時20分ごろ 大阪市阿倍野区松崎町2の路上で けんかをしていると通行人の男性から110番通報があった  府警阿倍野署によると ネパール人の無職ビシュヌ プラサド ダマラさん(42)同市住吉区墨江1 が現場に倒れており 搬送先の病院で間もなく死亡した  ダマラさんを含むネパール人と日本人の男女計8人がけんかをしていたとみられ 同署は現場にいた人物から殺人容疑で事情を聴いている  府警によると ダマラさんは発見時 顔が腫れて意識不明だった  ネパール人と日本人のグループ同士がけんかをしていたという  一方日本人グループの自称彫り師の男(21)同市住吉区 が現場に駆け付けた阿倍野署員に暴行したとして公務執行妨害容疑で現行犯逮捕された 現場は近鉄大阪阿部野橋駅の南約100メートルの繁華街  



逃走の男女  東京で逮捕 ネパール人暴行死 大阪府警

時事通信1月21日配信

大阪市阿倍野区でネパール人男性が男女4人に暴行され死亡した事件で 大阪府警捜査1課は21日 現場から逃走した同市西成区岸里東 建築作業員伊江弘昌(21)と  同市天王寺区東高津町 無職塚本訓子(21)両容疑者を東京都内で発見し 殺人容疑で逮捕した  同課によると 伊江容疑者は「男性が死亡したことを知り逃げた」と供述し殺意を否認  塚本容疑者は暴行自体を認めていないという     



ネパールでも人気者 モハン ドラゴンの話題です

MAキック 祖国ネパールのために  王者モハン ドラゴン 絶対防衛宣言

格闘技ウェッブマガジン 1月21日配信



1
月22日(日)東京後楽園ホールで開催されるMA日本キックボクシング連盟士道館FIGTT FOR PEACE III 5大タイトルマッチ 士道館新春正月興行のMA日本スーパーライト級タイトルマッチで対戦する王者モハン ドラゴン(ネパール 士魂村上塾)VS田中秀和(橋本道場)のインタビューが主催者を通して発表された  初防衛戦を前にモハンは「とにかくベルトは渡せないのです なぜなら工事現場で肉体労働をしながら 経済的に喘ぎながら必死に掴み獲ったベルトだからです     仕事の給料を踏み倒されたこともありました また 私は祖国ネパールからの期待も背負っています  先日帰国したときはテレビと新聞で全国的に報道されました     だから絶対に負けられません と必勝を誓う  

対戦相手については 田中選手は多くの相手に勝ち続けてきたと聞いています     しかし誰が相手でも前進あるのみです もちろん1RKOを目指します と短期KO決着を予告  続けて 今年は辰年ドラゴンの年です ご期待ください 今年中に日本の63〜65Kのチャンピオン達を一人残らず倒します そして塾長と館長をネパールに招待してヒマラヤを登らせたいです と目標を語っている 



新たに2男女を逮捕 ネパール人暴行死事件

読売新聞21日配信

大阪市阿倍野区で16日未明  ネパール人男性が暴行され死亡した事件で  大阪府警捜査1課と阿倍野署は21日  新たに同市西成区  建築工伊江(いえ)弘昌(21)同市天王寺区  無職塚本訓子(21)両容疑者を殺人容疑で逮捕した  

発表では  両容疑者は  白石大樹(ひろき)容疑者(21)ら2人(いずれも逮捕)と共謀  16日午前4時20分頃  阿倍野区の路上で  ネパール国籍の飲食店経営ビシュヌ プラサド ダマラさん(42)を殴る蹴るなどし  殺害した疑い 伊江容疑者は「暴行したのは間違いないが  酔っていて詳しく思い出せない」と供述 塚本容疑者は「私は手を出していない止めようとした」と否認しているという 

両容疑者は犯行後  東京都に逃走 捜査員が21日昼  豊島区内で発見  逮捕した  



このネパール人暴行死ニュース ネパール新聞にも取り上げられました  ネパール人貧しくとも非暴力を貫く国民 とても痛ましい事件だったので何人かの友人に意見を求めました 「殺された男にもきっと非があったあったに違いないよ 渥美さんの罪ではない 気にしないで」と逆に私が慰められました しかしながら悲しい事件ですね。亡くなられた人のご冥福と ご家族の方々にお悔やみ申しあげます(渥美よりこ)  



外国人技能実習生 脱中国の動き賃金高騰 他のアジアへ パールからも

毎日新聞 1月24日配信

外国人技能実習生の受け入れ団体「テクノリサーチ協同組合」(前橋市 林豊理事長)は 今春にもネパール人の実習生3人の受け入れを始める  経済成長で賃金が高騰している中国からの実習生は今後 受け入れが困難になると判断した  また県内の大手スーパー「ベイシア」がプライベートブランドの生産拠点の一部を中国から移転させるなど  県内でも中国以外のアジア諸国に目を向ける動きが進んでいる 



東電社員殺害 追加DNA鑑定書2月末までに作成

毎日新聞1月4日配信

東京電力女性社員殺害事件(97年)で無期懲役が確定したネパール国籍のゴビンダ プラサド マイナリ受刑者(45)の再審請求審で 東京高裁東京高検 弁護団による3者協議(非公開)が24日 東京高裁であった  終了後に記者会見した弁護団によると 高検は被害女性の体表の付着物など計15点を対象にした追加のDNA型鑑定の鑑定書が2月末までに作成される見通しを明らかにしたという  

鑑定書には鑑定人の評価なども含まれるとみられ、高検は鑑定書の内容をふまえた意見書を3月16日までに提出する予定  同19日に改めて3者協議を行い 今後の審理スケジュールを決める 



滑り込みのニュース 1月21日のニュースの追加記事です 

とても長いのですが あまりに悲惨な事件だったのでほぼ全文載せさせてもらいました  



なぜ、あんな目  暴行死のネパール男性追悼式 

読売新聞 1月29日10時配信

大阪市阿倍野区の路上で 日本人の若者グループに暴行され、死亡したネパール人で飲食店経営ビシュヌ プラサド ダマラさん(42)をしのび 28日ネパール人の仲間たちが事件現場で追悼式を開いた  

祖国で営まれた葬儀には約800人が集まるほど慕われ 日本でも同胞の相談に乗っていたダマラさん  「なぜ彼があんな目に」 容疑者は逮捕されたが 遺族や友人たちの悲しみは癒えない  この日の追悼式には友人ら25人が参列  事件から13日目に当たり ダマラさんが信仰するヒンズー教では死者が天国に旅立つ日という 参列者でお経を唱えた後 十数人が別れを告げて花を供え、黙とうした  



日本人のイメージ崩れた ネパール男性暴行死 

読売新聞 1月29日12時44分配信

大阪市阿倍野区の路上でネパール人で飲食店経営ビシュヌ・プラサド・ダマラさんが(42)日本人の若者グループに暴行され、死亡した事件の当日、ダマラさんと一緒にいたネパール人の男性従業員(28)が28日 読売新聞の取材に応じ「歩いていたら突然、4人組が叫び声を上げながら襲いかかってきた」と当時の状況を初めて話した

現場にいたのはダマラさんと 別の男性従業員の計3人  殺人容疑で逮捕された4人とは全く面識がなく 前から来た男が従業員2人に殴りかかり 別の男女がダマラさんの首を絞めてきたという  
男性は、隙を見て近くのコンビニエンスストアに逃げ込み 110番を店員に依頼 走って現場に戻った時 ダマラさんは救急車に運び込まれた後だった  逮捕された女は「外国人に転ばされたと思い 腹が立った」と供述しているという  しかし男性は「一切なかった」と否定し「日本の街は安全 日本人は優しいというイメージが崩れてしまった」と残念そうに語った  



ネパール人暴行死 夫は無抵抗のまま命を奪われた

毎日新聞 1月30日配信

大阪大阪市天王寺区でレストランを経営するネパール人のビシュヌ プラサド ダマラさん(42)が同市阿倍野区の路上で16日早朝、若い日本人男女4人に殴る蹴るの暴行を受け 死亡した事件は故国を離れて日本で暮らす外国人たちに大きな衝撃を与えた  同郷の人の相談相手となり 日本に根を下ろす決意をしていた彼を 若者たちはサッカーボールのように数十回も蹴ったという  ダマラさんの日本人の妻(36)は29日 「まだ現実を受けとめられない」と心情を語った  

16日午前4時過ぎ 従業員の1人から携帯電話で助けを求められました  彼はパニックを起こしていて 何を言っているか 何が起きたのか まったく分からなかった  とにかく言われた交番に駆けつけましたが 夫はいない 状況がのみ込めないまま 英語ができない警察官との間に立って従業員2人の話を通訳しました  少し離れた場所で若い男女が暴れたり 暴言を吐いていて怖かった  夫は病院へ運ばれたと聞いたのですが 警察無線で心肺停止 という声が聞こえ その後の記憶はほとんどありません  あの日夫は 2日前の朝に出たぎっくり腰のような症状が残っていて ゆっくりとしか歩けなかった  逃げられず 抵抗できなかったのも体調が悪かったからではないかと思う  それなのに、従業員2人を守らなければという責任感で現場に残ったのか 「どうしてなの」と聞けるなら聞きたい  



葬儀は故郷のネパールで営みました  6〜7年前 ふとした会話の流れで「僕が死んだらカトマンズに送ってガンジスに帰してね」と言われたことを覚えていて せめてその望みはかなえなければと  予期しない形で現実になってしまった  葬儀は21日に聖地として知られるカトマンズのパシュパティナート寺院であり 遺灰は寺院前を流れるガンジス川支流に流されました  葬儀には記帳だけで500人の名前があったと聞き 夫は慕われていたのだと改めて悲しく思いました  

 夫とは大学の卒業旅行でトレッキングを案内してもらって知り合い 2年後に結婚しました  尊敬できる人でした  

容疑者が全員逮捕されたことは 火葬の最中に実家から国際電話で知らされ それだけは義父母にも報告できました  容疑者には 今はまだ何も感情が湧いてきません  夫がいなくなってしまったことも 心の底から受け止められていません  なぜ死ななければならなかったのか 納得できる事実が知りたいのです  

気さくな人柄 礼儀、法重んじ

記者は今月2日 取材で親しくなったチベット人の友人に案内され 天王寺区のレストラン ネパリバンサ(ネパールの台所の意)を訪ねた  「ネパール人もチベット人も分けへだてしない いい人なんだ」と友人は紹介した  店内にはヒマラヤの写真が飾られていた ダマラさんは初対面の私にも「カトマンズから帰ってきたばかり 日本は寒いよ」と気さくに話しかけた  

来日12年  ネパール料理店を開くことを夢見て日本の工場に勤め昨年7月に念願をかなえた  20代の頃は山岳ガイドとしてネパール各地の山に欧米の旅行者を案内したという 「ネパールは冬が一番いい季節です  山がきれいです」日本語で場をなごませ 「味はどうですか。口に合いますか」と熱心に尋ねた  トゥクパ(麺料理)のスープを「おいしい」と言うと「そうでしょう」と顔をほころばせた  

ネパール人仲間によると 事件が起きたのは店で友人らと新年会をした後 20代の従業員2人を寮へ送る途中だった  突然襲われ とっさに抵抗しようとする2人に「手を出すな」とネパール語で止めた  普段から従業員に「礼儀正しくしろ  法律を守り トラブルは起こすな」と言い聞かせていたという  2人は110番通報を知らず 1人はダマラさんの妻に電話 1人は近くのコンビニに駆け込んだ  

ヒンズー教で「十三日忌」に当たる28 ネパール人ら数十人が大阪市内に集まって追悼の儀式を行い 現場で献花した  現場には事件を知った日本人が手を合わせるのも見かけた  中央区のレストラン店主はこう話した 「同胞を失って悲しい 4人が憎いが 彼らにも親がいて 今後刑務所で長い時間を失うことを悲しんでいるはずだ  一つの犯罪がたくさんの人たちの悲しみをつくる ネパール人がそういう気持ちでいることを知ってほしい



ネパールのニュース

何もかも不足しているネパールで 泣きっ面に蜂のような寒波が襲ってきました  


それは前代未聞の大寒波   アンナプルナ連山の麓 明光風靡で名高い常夏の都市ポカラで1月に気温零度が観測された 住民は大慌て  また昨年同様南ネパールで凍死者が続発している 



今年の冬も苦しい ガスとガソリンの不足

毎年この時期になると同じ記事ばかりで恐縮だが 今年もかなり厳しくNBSA事務所も根を上げている ガスの事情は12月号で報告したが ガソリン 特に公共バスやトラック用のディーゼルの不足は深刻  5時間ガソリンスタンドにねばって 確保できるガソリンは通常の半分 どこのガソリンスタンドにも長蛇の列ができる うーん 暇があるなぁ 

このガソリン不足 ちょっと裏がある  世界的にガソリンの値段が高騰しているので インド政府は貧しいネパールにガソリンを安く売っている  それなのに庶民のガソリンは高い そしてインドの好意に泥をぬるように常に未払い  困ったもんですねー  



■1
月の計画停電 毎日24時間中12〜14時間でした

ほんのお湿りですが雨も降りました  電気のあるときにNBSAは小型の蓄電器(ジェネレーター)をまわし作業中に停電が始まると自動的に蓄電器が作動するようになっています 事務所用のパソコン2台はこれで2時間半くらい作動します  昼食の時間は電気のない時に限られていて 午後1時になったり3時になったり  NBSAのボランティアさん達は案外辛抱強い 空腹をこらえて仕事をしてくれています  



ジェネレーターなどもたない一般市民の生活は 惨憺たるもの  電気釜を使っている途中にいきなり停電  半生の米を他の釜に移し変えて炊き上げなければなりません  政府はいちおう計画停電スケジュール表を発表していますが なぜかスケジュール通りにいかない  嘘つきだなー  



ネパールの政治的動向はこのところスムーズに展開しているようで たいした混乱が見られないが 1月に2度の全面的バンダが行われた

バンダとはネパール語でゼネストを意味し 終日と半日とある 今回のバンダは アルコールが原因で暴力沙汰になり刑務所に拘束されていた国民会議派の党員が 監視員の暴行を受け死亡したのが原因  国民会議派がカトマンドゥ盆地全域にバンダを実施  この日は公共の交通機関だけが運行し 自家用車とトラックは全面封鎖となり 首相の移動もブロックされた

 

次に行われたバンダは 政府当局の道路拡張に反発して行われた  カトマンドゥ市内を流れるバクマティの河川敷周辺 スクンダバシに住む人々の一揆のようなデモが 何回か決行された これは半日程度で終わり通勤や通学に困ることはなかった 聖地パシュパティナートなどカトマンドゥ市内を流れるこの川岸には 在来のとさつ業者や 清掃業者が住んでいたが 最近では職を求めて地方から流れてきた浮浪者が密集している 21世紀にこんな所があったのか と言えるほどの最貧民窟に住む人々は夜はビニールシートを羽織って寝ている (実はこっそり見に行った)



議員がが関与していた児童誘拐事件

大企業主 富豪の息子が誘拐され釈放されたが バックグランドに高名な政治家 シャム スンダルブッダが関与してたことが発覚し逮捕 投獄された  彼は身代金のほとんどの800万円相当を企業主から取っていたことが発覚し 逮捕された 

    

首相はつらいよ

今度の首相 バケラム バタライ氏(マオイスト党)の評判はかなりよい  先日カトマンドゥの市庁舎に入って行く首相を目撃した 自信があるのだろう 取り立てて警備員など警備車など配備していなかった  車はいかにも中古車とわかるようにぼこぼこ ナンバープレートはムスタンのもの 戦闘に使ったのをそのまま公用車にしたような感じだった  実務一筋 体裁など気にしない男で有名だが ここまでやるのかと驚き思わず感じ入ってしまった



それから数日後 彼の実務主義がやり棚に上がった 

1月14日 中国の温家宝首相がネパールを公式訪問した日の翌日 ナガリック紙はトップでこんな記事を掲載した 

「ある政治家の服装は 外国の貴賓を招くにはあまりに常識をはずれていた」

新聞を見たら首から上はカットしてありラフな服装の男と スマートなスーツを着た男が写っていた  首相の名前こそ出さなかったが  温家宝首相はスマートなスーツ 我がネパールの首相はネクタイを締めず 丸首セーターの上からマフラーをだらりとさげていた  極めつつけは両手をポケットに入れたままで懇談していたこと   



私は服装に無頓着 さらに彼らは思想を共有しあった同志の間柄 どうでも良いんじゃないでしょうか? 一番良かったのは文化大革命当時のように 人民服を着てれば新聞で叩かれなかったことでしょう  いずれにしろ 中国はこれまでの年間補助金を増額  2億元の補助金を供与することに合意  さらに 今後3年の間に7億5,000万元の補助金をネパールに供与する協定に調印したそうです  めでたし めでたし



ゼネストしても何にも変わらないと思うのだけど  

1月15日 業を煮やすかのように ガソリン 灯油またしても値上げに反対するゼネストが急に始まりました  学生連盟の呼びかけでカトマンドゥ盆地内限定終日ゼネスト これまでの1リットル110円が115円に跳ね上がった  日本並みの高騰です   



ただし カトマンドゥに住む人々の年間所得は約20万円 全国平均だと6万円程度 ますます生活が苦しくなります



遠い声  ドルガ ラール シュレスタ選詩集  翻訳 藤井正子氏

@堕落

   人間の堕落を この目で見た

だが 心はそれを受け入れなかった

まわりを見れば そこに都会の魅惑

野蛮な生き様を覆い隠す目隠し



突然 ある疑問が私を愕然とさせた

「この足取りの一歩一歩は

棺に打ち込むたくさんの釘ではないのか?」



おゝ 自分が自分を踏みつけていく

この歩みの意味はなんであろうか

無法が 法ととしてはびこる人間の中に

人間性はもう決して存在していない



1993年



A別の悲しみ

   あなたの死を悲しみはしない

   私がショックを受けたのは

   あなたがどう生きたかを知る前に

   早くもその死を知らされた事実

   

   若いときから老いてゆくまで

   その生涯の道のりで

   あなたは人に頼ろうともしなかった

   どうしてあなたが行ってしまったと言えよう

   あなた批処にいたこともないのだから



   あなたの死は心が痛むものであるが

   真の理由はあなたが死んだということではない

   哀しいのは あなたがその生涯を

   自ら獄に監禁していたということなのだ



1993年



B結末

   泣くか ため息をつくか

   さもなくば 本当の気違いになるか

   革命が我われに残したものは

   ただ それだけなのか



   失敗は2度としないと

   何度誓ったことだろう

   しかしまたその時がくれば

   我われはのめりこんでいき

   この土地を血に浸す



   何度 我われは命を犠牲にし

   この国を変革しようと試みただろうか

   その答えは 「不滅を夢見た その数だけ」



1993



NBSAネットニュース 編集と文責 渥美よりこ カトマンドゥ在住

2012年2月1日

NBSA: http://nbsa.sakura.ne.jp/



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