――― NBSAネットニュース 2012年8月号 ―――
えっ うそ こんなに雨が降っているのにまだ水が足りない?
カトマンドゥで飲料水 お茶碗を洗ったりするにはそんなに不便はないのですが シャワーまではちょっと不便 給水制限解除ならず 相変わらず雨水を使っている地域が市内ではわんさか それでも花の都カトマンドゥに住むのがネパールの夢なのでしょうか 日本は水には恵まれているようですが 連日連夜の猛暑でクーラーなしにはとてもやっていけないようですね ネパールの友人に聞かれました 日本は全国的に冷房が整っているそうですが 通りも冷房しているのですか?と ここまではちょっとね 夢のまた夢の話 猛暑の中毎日の通勤や 子どもの送り迎えをしているお母さん ときどきお父さん 本当にご苦労様です そしてこれからながーい 夏休み NBSAの会員の方々は比較的年齢が高いようです (役員 ネットニュース編集者も含めまして) 日射病にはご注意ください
さて 狭いカトマンドゥ盆地を出て 西南部のチトワンに遷都する と言う案も出た時がありました チトワンは平野部 インドへのアクセスも便利で商業も栄えるでしょう 動物好きな私はチトワン国立公園の側にが首都になるなんて ロマンそのもの 首都の近場に大きなトンボや蝶が飛んでいたり ゾウさんのパオーっという鳴き声が聞こえてくる中で 商いをする 実現できたら ネパールはエベレスト同様本格的な観光立国になるでしょう
●7月現地活動報告
■定例活動
@オーディオライブラリー事業
NBSAの事務所にやさしいお姉さんが来てくれました 彼女の名前はサビトリさん 部分的に義足を着け 多少歩行が困難なのですが 雨の日にも必ず来てくれる 本当にありがたいことです 朗読のスピードは多少落ちますが 何より嬉しいのは時間に厳格なこと 必ず10分前に事務所に着き 手を洗ってから朗読を始めます
年齢的に他のボランティアより上で 今後よいリーダーになってもらえそうです 現在読んでもらっているのは ラマ教の尼僧であり歌手でもある アニ チョン ドルマシェルパさんのエッセイです
A点字情報誌タッチ
30号完成 すぐに印刷してネパール各地の盲人協会や学校などに配布しました 主な内容は定番の視覚障がい者 及び他の障が者のムーブメントやイベント 一般紙に掲載された障がい者に関する記事など
私たちは年間6回の出版をめざしているのですが これまの最高は年間5回 今年の4月からやっと2巻目が終わったところです 今年こそは年間計画通り6回の出版を達成したいものです
Bカトマンドゥ事務局だより
仕事は欠かさず続けていますが6月から8月まで 事務所は毎年閑古鳥 NBSA利用者が一番少ない季節です 右手に白杖 左手に傘を持つともう手一杯 若い女の子の何人はリュックサックを使いますが 年配の視覚障がい者はやっぱり抵抗があるようです 傘を差しながらハンドバッグを抱えています バッグが落ちないようにね とこの季節老婆心ながら思わず忠告
●ネパールのニュース
ゴビンダ マイナリさんその後
ややまんねり気味のNBSAネットニュースですが ゴビンダさん釈放のニュースはさすがに衝撃的に 様々な方から問い合わせやおめでとうメールが届きました ネットニュースをきちんと読んでくださる方が意外に多いのには驚き ありがとうございました
さて そのゴビンダさんですが 聞くところによるとひっそりと暮らしてるとのことです ネパール現地ではゴビンダさんのニュースはすっかり影を潜めてしまいましたが 単刀直入にゴビンダさんの 長期拘留をどう思う?と聞くと 日本政府は正式に謝罪すべきだ と言う発言を聞くこともあります たぶんこれが一般のネパール人の感想だと思います
●象徴国王ってなんだ? 7月上旬から中旬にかけて ギャネンドラ元国王復活をめざすデモがカトマンドゥを中心に多発 国王自信もやる気まんまん 「政治には一切口を出さない あくまでの礼儀的な存在」と主張しているが
ネパール元国王が王制復活に意欲 儀礼的役割で 読売新聞 7月8日
配信
ネパールで2008年の王制廃止により廃位されたギャネンドラ元国王(65)が 8日放送予定の地元テレビのインタビューで 王制復活への意欲を初めて表明した
テレビ放送に先立ち BBCラジオが6日 インタビューの一部を放送した その中で元国王は 政治に直接関与する考えは否定したうえで 「国家の後見人の役割を果たしたいか」の質問には「その通りだ」と応じた 儀礼的な役割の国王に復帰したいとの希望を明言したものだ 元国王は現在もネパール国内で暮らしている
元国王は05年 当時の首相を解任して直接統治に乗り出すなどしたことで民主化を逆行させたとして国内で強い反発を招いた だが 王制廃止から4年後の現在 制憲議会が憲法を制定できないまま5月に解散するなど 政治は混乱を極めている 一部市民の間では 国の統合の象徴として王制復活を求める声もある
●カトマンドゥ市内道路拡張計画本格的に開始
部分的には一昨年からすでに立ち退きを開始していましたが 今年の雨季に入ってからいよいよメインストリートでも引越しが始まりました 一番困難なのはカトマンドゥ市内の大緑地公園ラトナパークから 北のマハラジガンジまでの立ち退き作業
官庁街だけはさすがに計画通り 早い時点から引越していましたが 商店街が連なる大道路の立ち退き作業でいまだにもめています この話は10年以上に出ていて 立ち退き料もすでにもらっているのですが その資金で同じところに 店を出す人も多くいて この先混乱は続きそうです
●河川敷の人々 いまだに未解決 スクンバシ在住民の立ち退き騒動
こちらも立ち退き関係ですが すでに1ヶ月経ってもスクンバシの河川敷では デモ隊がピケを張って 交通封鎖を続けています カトマンドゥからパタンや パタンからカトマンドゥの学校に通う学生さんたちは 休校が長引き困っているようです
●だんだん増えている不可思議な犯罪
ちょっといやなニュースですが 犯罪の話 のんびり まったりのネパールにはちょっと不似合い カトマンドゥも一応大都会になりつつるのでしょうね お金持ちの豪邸を襲うだけではなく 高名な政治家を襲う犯罪も増えています 政治家を襲撃するバックグランドには インドがいる イスラム教徒がいるなど噂され 要らぬ民族差別などに発展するのではないかと危惧しています
●バスの転落事故 相次ぐ
この季節から大祭ダサインが終わるまで ネパールではバスの転落事故が相次ぎます 去る7月15日 南部のナワルパラシ地区でインドからのヒンズー教巡礼者を乗せたバスが道路から川に転落し 38人が死亡した 原因は毎度のことですが 定員大幅に超過 それと飲酒運転
●カトマンドゥ市内飲酒運転取り締まり強化
年々増える飲酒運転の事故 ネパールには酒気検知器がほとんどないので 交通警官が 路上で車を止めさせひとりひとりの匂いを鼻で嗅いで調べる 強烈なのは即免許書の没収 のち警察に行って罰金を払い 免許を返してもらう 罰金は約千円ほど しかしこれには少し裏がある 路上で警官と交渉しその場で上乗せして金を握らせると即釈放 そのまま家に戻れるのだ もう少しスマートな方法ないでしょうかね
●ネパール関連ニュース
■マイナリさん 家族と毎日食事ができて幸せ
読売新聞7月16日
配信
東京電力女性社員殺害事件で 再審開始決定を受けて母国ネパールに帰国したゴビンダ プラサド マイナリ元被告(45)の支援者による集会が16日 東京都内で開かれ 元被告の近況などが報告された
公判段階から元被告を支援してきた「無実のゴビンダさんを支える会」の主催で約70人が参加した
集会では、帰国直後に家族とパーティーを楽しむ元被告の姿などをビデオで紹介 元被告は拘置所や刑務所での生活が約15年間も続いたため 帰国直後は不眠気味だったが 徐々に精神的な安定を取り戻したという
事務局の客野美喜子さん(60)が数日前に電話で話した時は 「家族と毎日一緒に食事ができて幸せだ いずれは冤罪に苦しむ人たちの役に立つ活動をしたい」と話したという
■東電社員殺害 31日に異議審決定 東京高裁
毎日新聞 7月24日配信
97年の東京電力女性社員殺害事件で無期懲役が確定したネパール国籍のゴビンダ プラサド マイナリ元被告(45)の再審開始と刑の執行停止の決定(6月7日)に対する異議審で 東京高裁(八木正一裁判長)は24日 31日に決定を出すことを東京高検と弁護側に伝えた 異議審では実質審理は行われておらず 判断は維持される公算が大きいとみられる
再審請求審で行われたDNA型鑑定では 殺害現場に残されたマイナリさんとは別人の体毛の型と 被害女性の体内に残された精液の型が一致 高裁の別の裁判官3人は 無罪を言い渡すべき明らかな新証拠」と評価し 元被告以外の男が被害女性と性的関係を持った後に殺害した疑いを生じさせている とした
検察側は決定に対する異議申し立てとは別に 職権で釈放手続きを停止するよう高裁に申し立てたが退けられた そのため 入管法違反(不法滞在)で有罪が確定していたマイナリさんは国外退去の手続きが取られ 6月16日にネパールに帰国した
■29日王座決定戦でモハン ドラゴンVS藤田ゼン
格闘技ウェブマガジン 7月4日配信
実は私 モハン ドラゴンの隠れファンです ?
7月29日(日)東京 ディファ有明で開催される IT’S SHOWTIME JAPAN カウントダウン 2 の追加対戦カードが発表された
IT’S SHOWTIME 日本65Kg級王座決定戦として モハン ドラゴン(ネパール MA士魂村上塾) と藤田ゼン (エイワスポーツジム) が対戦する 藤田は新日本キックのリングで活躍した元日本ウェルター級トップランカー 6月に公式戦で実力者・丸山準一に勝利したことで今回のチャンスを獲得した 対するモハンは MA日本スーパーライト級王者 大振りの豪腕パンチを武器に現在4連勝中と勢いに乗っている がんばれモハン!
●ネパールの詩
■遠い声 ドルガ ラール シュレスタ選詩集 翻訳 藤井正子氏
@ ルンビニよ
ルンビニよ おまえがその血筋の内に どんな種を蒔いたか知らぬが
釈迦のことはよく知っている
お前に世界的名誉をもたらした聖人のことは
ルンビニよ
聖地であることで大いに祝福を受けた地ち
私も誇りに思っている
釈迦が生まれたこの土地に 私も生を受けたことを
お前の名誉は 我われがどれほど切望しても
決して得ることができないもの
我われの蒔いた種が 黄金の作物を実らせることがあろうか
幸運の女神は この世のどこにも
これほどの恵みを惜しみなく与えることはなかった
どんな母親も釈迦のような息子を生むことはなかった
釈迦 目覚めたる者
一人の人間としてこの世に生まれてきたが
誰よりも純粋で 類い稀なる存在
ルンビニよ
お前は私の栄光 私の誇り
「釈迦が生まれたのは ここなのだ」と
世界に向けて私が高らかに宣言する時に
1997
A 幼年労働者
ああ 厚板に砂やスリをかけている
その小さな男のを見てみよ
強い風が吹く度に
か細い体が あんなにもふらふらしてえいる
その子がたてる音の切れ切れは
こらえてもなお漏れる嗚咽のようだ
その頬に流れる汗は
彼を励ませようと精一杯に見える
その子の仕事が終わったところで
雇い主は磨かれた厚板の仕上がりを見る
私といえば そこに恐ろしい溜息を見る
この子の行く末の 暗い墓場を
1997
B 美しい調和
一体どのような神が 慈悲深くも
私にこの実を授けてくださったのだろう
私の家系の一体どこに種を撒いて
私は今この収穫を刈り取ったのだろう
私の持っているものは 不死を得るには至らなくとも
人生を楽しむには充分だ
悲しみだとか 苦しみだとか
そのほかいろいろ言われるものは
一体なんだろうか
仮小屋に天国を見る者がいる一方で
我が家が家に地獄を見る者もいるではないか
神々が自らを表に現わされることはなく
花はどこにも咲いてはいない
私の歓び それは
あなたとの調和が奏でる
美しい心の調べなのだ
1997
ネットニュース6月号でお知らせしましたが 都合により日本の窓口を6月1日より変更させていただきました
住所:千葉県柏市 松葉町 6−8−1 (電)04−7136−0505
(ポコアポコ気付:ネパールの視覚障害者を支える会)
NBSAの活動内容 その他のご質問等は以前と変わらず カトマンドゥ事務所に直接ご連絡ください
nbsa@mail.com.np 又は yorikonepal@hotmail.com よろしくお願いいたします
NBSAネットニュース 編集と文責 渥美よりこ カトマンドゥ在住
2012年8月1日
NBSA: http://nbsa.sakura.ne.jp/
本会の活動や最新版の会報誌を更新しています ぜひご覧ください
NBSAネットニュースは音声パソコン対応編集をしています
NBSAネットニュースは会員以外の様々な方に流しています 受信をお望みでない方は ご面倒でもご連絡ください
ネパールの視覚障がい者障害者を支える会
(Nepal Blind Support Association NBSA)設立2002年3月1日
は皆様のご支援を頂いて 設立10年を迎えました
主な事業は様々な本や教科書を音声化し 視覚障がい者の娯楽や勉強に役立て 将来の自立に向けたサポートを行っています 現在ネパールには視力に障がいのある小学校教員が400名ほどいて 皆自活の道を歩んでいます 中にはNBSAの奨学金で大学を卒業した人もいます
今後とも皆様のご支援賜りますよう お願いいたします
一般会費 1月500円 年間6000円
特殊割引会費 年間3000円
郵便局 振込み番号0190−7−762775 ネパールの視覚障害者を支える会
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