――― NBSAネットニュース 2012年11月号 ―――

ネパールの視覚障害者を支える会(NBSA)の会員 支援者の皆様

 

 

 

10月号はお休みさせていただきました ネットニュース再開です

 

今月は 話題が盛りたくさん  政治的不安定など残念ながら楽しい話題だけではないのですが 豊穣を祈るダサイン大祭 そして光の祭りティハールなどはいかにもネパールらしく華やか  楽しみに満ちた祭りが行われ ネパールの人々は 十分に英気を養ったことでしょう  

 

毎年この時期 ネパール旅行のすばらしさをアピールしていますが 言葉に尽くせない素晴らしさ  来年はぜひおいでませネパールへ

 

 

10月現地活動報告 

■定例活動

@ オーディオライブラリ事業 

大型連休を前に ボランティアさんたちがかなり奮闘したようです  学習用の教材を中心に2ヶ月間で9冊の本の音訳を(書物を音声に翻訳する作業)完成させました  学習教材のほかに様々な恋愛小説など 軽い読み物も音訳しました  連休前には大勢の利用者が事務所にいらっしゃいます  どちらかと言えば軽い読み物などに人気が集まります   

 

 

A点字情報誌タッチ 

32号の編集の最中です  こちらはネタを集める作業 点字への翻訳  最終チェックとか注意深く作業をしなければなりません  連休明けの活動に期待したいところです  

 

 

Bその他の事業  

■9月14日 恒例の子供の日クイズ大会をカトマンドゥで開催しました  

 

本来子供の日は毎年9月15日に祝われるのですが 今年はこの日に大型ゼネスト(バンダ)が予想され 一日繰り上げて行いました  

 

 

 

また本年度は地方の学童を 首都カトマンドゥに招聘し 一泊旅行を兼ねたボーナス付のクイズ大会を予定していましたが 政治的不安定の中 学童を招聘するにはあまりにリスクが大きいので断念  学童にはまったく無関係なゼネストに 毎度のこととはいえ 怒りを感じました  

 

 

 

クイズ大会 スコアー 

 

1位 ラボラトリー 公立中等学校 キルティプル 

 

2位 サノティミ 公立寄宿学校  

 

3位 ナムナマチンドラ 公立中等学校 

 

4位 ドリケル 公立中等学校 

 

 

 

公立中等学校とは英国のスタイル  日本の中学校 高等学校などをさします  プログラムはジャスト11時に開始し 定刻通り12:30に終了しましたが 一部回答が不正確だと指摘があり 1位と2位の間で大激論が起こりました  年1度の学校対抗戦  学童たちみんながとても楽しみにしていて また出場者は真剣に準備をしています  楽しく学ぼうを目指すNBSAならではのイベントです  準備などいろいろたいへんでしたが無事に終了  スタッフ一同に感謝しています

 

主賓には文部省の方をお招きしました  クイズ大会を見てたいへん感激した様子でいらっしゃいました  今後はぜひ盲児の教育に力を注いでいただきたいものです  

 

ボランティア動員数約15名  毎度のことながらお疲れ様でした 来年もまたよろしくお願いします

 

また 例年のように別れ際に NBSAのクイズ大会をきっかけに仲良くなった学童たちが交友を深め合う場面があり また何度も出場しながら ついに1位になれず 進学する生徒がじっとうなだれている姿が見られます  クイズ大会 裏方さんの準備が案外たいへんですが 毎年何かを学童たちに そして見学者たちに印象づけるイベントです 来年はNBSA読者の方々 ぜひ見に来てください

 

 

 

■ネパールのニュース

 

●9月またしても軍人の暴行事件発生

 

南部ネパールで現役の軍人が女性に暴行し殺害しました  政治的緊張が高まり 南部ではこのような事件が多発しています  ご注意ください  

 

 

 

●バクタプル郊外の家禽農場で トリインフルエンザ発見

 

少なくとも1200羽の有害  インフルエンザでの前兆を示し少なくとも3名が死亡した 

 

 

 

●ポカラ空港改造の遅れは誰のせいは誰のせい?

 

文化 観光事業省の大臣ボガティー氏は 遅延はプロシージャーの妨害によるものと釈明した しかしその詳しい説明はいまだなされていない

 

 

 

●汚職の耐えないネパールの政府

 

政府内は汚職が蔓延しており ニューヨークにあるNPOの調査でも世界200カ国の地域のなかのワースト10に入っていると発表  今回発覚したのは労働雇用省で  大臣が直接労働者海外派遣会社に 現金の供与を求めたケースもあった

 

 

2011年10月首相は総理府を通して 問題の多い海外労働者派遣会社の調査と新規許可をしないように担当相に指示したにもかかわらず 業者に許可と引き換えに現金を要求したものであるが たまたまビデオを持っておるものがいて取引の状況が撮影されており これを新聞社に持ち込み発覚したということである  通常汚職は組織的に行われており これは氷山の一角と報道されているが国民は諦め顔である  

 

 

 

●ネパールの通貨ってなぁに 

 

いわずと知れたネパールルピーです しかし南ネパール インドに隣接した州では同然のようにインドルピーがまかり通る  もちろん両替するときも買い物する時もわずかばかりだが手数料 コミッションを取られる  ネパール紙幣はインドで使えないので ダサインなどの買い物には毎年インドルピーが急騰  もう少し愛国心を持って国産ネパール製品を買ってほしいものです 

 

 

 

●ネパールで 人食いヒョウの襲撃相次ぐ 子どもら15人が犠牲に

 

11月4日() カトマンドゥ(CNN) 

 

ネパール西部のインド国境付近で最近 人食いヒョウによるとみられる襲撃が相次いでいる  過去1年3カ月の間に子どもら15人が死亡した 今月3日には 首都カトマンドゥから西へ約600キロ離れたバイタディ地区の森で 行方不明となっていた4歳の男児の頭部が発見された  ヒョウには遺体を森の中へ運んで食べる習性があるという  死者15人は全員森に隣接する村の住民で 10歳未満の子どもが3分の2を占める  家畜のえさを探しに森へ入った29歳の女性1人も含まれるが 成人男性の死者は報告されていない

 

地元警察責任者は これまでの襲撃はすべて人食いヒョウ1から2匹の仕業との見方を示す  国境を越えたインド北部でも 同じヒョウによるとみられる襲撃で死者が出ているという

 

専門家によると ヒョウは通常 野生動物をえさにしているが 塩分濃度が高いとされる人間の血液の味を覚えて「人食い化」することがある  ただ 同じ地域に3匹以上の人食いヒョウが共存するケースは ほとんどみられないという 

 

地元当局は 問題のヒョウを捕獲または殺した者に2万5000インドルピー約3万7500円 の賞金を支払うと発表 野生動物を殺すのは基本的に違法だが 当局は特別に許可を出した  さらに住民にはひとりで森に入らないよう警告  武装警官を配置するなど 対策に乗り出している 

 

 

 

■ネパール関連ニュース

 

中国外交部「中国企業がネパールで贈賄行為」の報道否定 現地の法律遵守

 

毎日中国経済 10月11日配信

 

中国外交部の洪磊報道官は10日の定例会見で 「国内企業がネパールで展開する投資事業や請負事業は 一貫して現地の関連の法律と法規に沿って行っている」と述べた  

 

8日付インドタイムズは 一部の中国企業がネパールで贈賄行為を行っている疑いがあると報じた  これについて中国はどう対応するかとの質問に対し 報道官は「この報道を意識しているが 個別メディアの報道は全く根拠がないものだ  中国政府は引き続き 実力があり 信用力が高い中国企業によるネパール投資を奨励する」と述べた  その上で ネパールで投資や請負を行う中国企業は現地の法律と法規を遵守し ネパール経済の発展及び両国間の互恵 共勝ちを促進する重要な役割を果たしてきた と強調した

 

 

 

■ECがネパール民間航空局(CAAN)にネパールの航空会社のブラックリスト記載を警告 2年間で重大事故が5件起きている。

●ネパールの詩

■遠い声  ドルガ ラール シュレスタ選詩集  翻訳 藤井正子氏

 

肖像画

 

ひたすら歩き続ける男の後ろ姿を

 

私はじっと見つめている

 

あの男は心の中で

 

地滑りを感じているのではあるまいか

 

 

 

   帽子を頭に乗せてはいるが

 

   それをかぶっているようには見えず

 

   竹竿に引っ掛けられた人形のように

 

   痩せていて ひょろと高い

 

 

 

   彼のシャツもなんだか奇妙だ

 

   少しも体に合っていない

 

   一見したところ

 

   彼は自分自身をほどいているかのようだ

 

   足取りも定まらず

 

   その杖は 彼が空中を漂っているかのようだ

 

   

 

   煙の柱を後に残して 過ぎていく列車のように

 

   彼は 一歩一歩 進んでいく

 

   悲哀の物語を呟きながら

 

1998

 

疎外

 

   近くにいるものの

 

   いまわれわれは岐路に立ち

 

   連帯感と同志愛の絆からはずれて

 

   離ればなれに漂っている

 

 

 

   君たちがそばにいることは感じる

 

   肘で私をつつく時や

 

   その鼾で私を眠りから引きずり出す時に

 

 

 

   残されているのは 車を回してとにかく進むこと

 

   どこへ行くのか なぜ行くのは知らないが

 

   そしてこの結び目をほどくこと

 

   長い間 我われを束縛してきたものを

 

 

 

   だが 悲しいことに

 

   我われはお互いに疎外しあっている

 

   これほど近くにいるにもかかわらず

 

 

 

   我われの旅の終わりが来たときには

 

   おそらくもう 悲しみにも

 

   苦しみにさえ 無の感覚になっていることだろう

 

 1998

 

 

 

NBSAネットニュース 編集と文責 渥美よりこ 

 

2012年11月11日

 

 

 

住所:千葉県柏市 松葉町 6−8−1 (電)04−7136−0505

(ポコアポコ気付:ネパールの視覚障害者を支える会)

 

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ネパールの視覚障がい者障害者を支える会

Nepal Blind Support Association NBSA)設立2002年3月1日

 

当会は皆様のご支援を頂いて 設立10年を迎えました

主な事業は様々な本や教科書を音声化し 視覚障がい者の娯楽や勉強に役立て 将来の自立に向けたサポートを行っています  現在ネパールには視力に障がいのある小学校教員が400名ほどいて 皆自活の道を歩んでいます  中にはNBSAの奨学金で大学を卒業した人もいます 今後とも皆様のご支援賜りますよう お願いいたします  

一般会費 一ヶ月500円  年間6000円 

特殊割引会費 年間3000円

郵便局 振込み番号0190−7−762775 ネパールの視覚障害者を支える会

 

 

 

 

 

 

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