――― NBSAネットニュース 2012年12月号 ―――


ネパールの視覚障害者を支える会(NBSA)の会員 支援者の皆様

今年最後のネットを配信いたします  いよいよ寒くなりましたね  このところ地球はだいぶヒートぎみだったようですが 寒い時期はそれなりに寒くなる それなりにやっかい  人間とは本当に身勝手な生き物ようです  ちなみにカトマンドゥの気温は20度を下回ることはないようでけっこう暖か

 

えっ世界一高いエベレストがあるのに どうしてそんなに暖かいの? と不思議に思われる方が多いと思うのですが  地球儀を見てください  ネパールって結構南にあって北緯27度  亜熱帯にエベレストがそそり立っているのです  下山する

と あっ日本よりずっと暖かいと体感されるでしょう

私たちのNBSAは 四季を問わず今年も皆様方には大変お世話になりました

今年最後のネットニュースを配信します  どうぞよいお年をお迎えください  そして来年もどうぞよろしくお願い申し上げます  代表 渥美よりこ

 

PS  高地ムスタンからの便りによると すでに学校の冬休みが始まったとのこと  来春2月まで シェルパさん以外は馬や牛と冬ごもり アルプスの少女 ハイジみたい  ロマンチックでしょうね 

 

現地活動報告

●11月現地活動報告 
■定例活動
@ オーディオライブラリ事業 
大型連休が終わり ボランティアさんたちがNBSA 事務所に戻ってきました  当然のことながら 連休明けは誰もかれものりがわるい 北風も吹き始めました と言うことで 3冊だけ作成 「ディアミシカハ ダルパン」通俗小説 「いそうにないヒーロー」アメリカの小説 「ガンチャの家」ネパール語の小説以上


A点字情報誌タッチ 

タッチ33号完成せず  超大型連休が入りました  近日中に完成 と言うことで

ご容赦ください 


その他の活動

@12月3日の国際障がい者の日 準備と動員

A12月5日の国際ボランティアの日準備

 

●ネパールのニュース

■先日  マオイスト派のパワン クンワールと名乗る若い男が 公式な茶話会の席上で 前ネパール首相で同党首のプラチャンダを殴り パワンは 強制拘留 させられたと報道され マオ派党内の分裂か とメディアで騒がれた    

 

■またしても動物の話  マホタリ郡バタハ地区で水牛が早朝暴れだし 飼い主のハシム カワリ氏が猛攻撃され病院に運ばれたが じき死亡  痛ましい事件だった

 

■人口調査 (出展 ニューズ ライン 12月1日)

ネパールの総人口は2605万人 国家計画委員会の中央統計局が発表

1.人口 26,494,505人

男性 12,849,041人 (48.5%)

女性 13,645,463人 (51.5%)    

2001年調査には2310万人であったがここ10年間で約330万人増えたことになる  また人口の55%が25歳以下である  

                                                                             

2.世帯数 5,427.304世帯(2001年調査時 4,253,220世帯)

1世帯平均4.88人

 

識字率 5歳以上 (識字率とは文字が読める人の割合)

2001年 54.1%

2011年 65.9パーセント(男性75.1% 女性57%

首都カトマンズでは約85%が読み書きができる

 

■エベレストのごみがアートに  ネパール人芸術家が問題訴え

ロイター  11月27日配信

ネパールの首都カトマンズで 15人のネパール人アーティストが 世界最高峰のエベレストに置き捨てられたゴミを使用して制作した作品の展覧会を行った  

展覧会ではエベレストから集められた酸素ボトルや空き缶 破れたテントなど 約1.5トンのゴミの山から制作された75作品が展示された  制作には約1カ月かかったという  アート集団のディレクター クリパ ラナ シャヒさんは こうした作品と展覧会の目的はエベレストのゴミ問題を周知するためだとし ゴミの量に私たちのプライドは傷ついている と話した   

1953年にニュージーランド出身の登山家エドモンド ヒラリーとシェルパのテンジン ノルゲイが初登頂を果たして以来 約4000人がエベレストに登頂した

 

ネパールと日本 ゴビンダ マイナリ氏 関連新聞記事

「ぼくとネパール人に謝って」2012年11月8日

 

再審無罪判決を受けたゴビンダ プラサド マイナリさんは7日 自宅がある首都カトマンズで記者会見し「真実は最後に勝った」と喜びを口にする一方 日本の検察や警察に対し「ぼくとネパール人に謝らなければ許されない」と強く批判した  記者会見を開いたのは 釈放されネパールに帰国した6月以来  

ネパール帽姿のマイナリさんは緊張した面持ちだったが 同席した妻ラダさんら家族への思いを問われた際には笑顔を見せる場面も  感謝の気持ちでいっぱい と述べ「これからの人生を家族と幸せに暮らしたい」と希望を口にした  

また 自分のように海外で 無実の罪で刑務所に入っている人たちを助けたい とも話した またマイナリさんは 約15年にわたる拘束生活について著書を執筆していることを明らかにした(カトマンズ共同)

 (写真は省略)

■ゴビンダ マイナリさん無罪が確定 問われる不当な拘禁制度  

アムネスティ インターナショナル日本 2012年11月7日  

東京高等裁判所は11月7日 東京電力の女性社員殺害事件で無期懲役が確定していたゴビンダ プラサト マイナリさんに対し 無罪判決を言い渡した  マイナリさんは 犯してもいない殺人の罪で15年間を刑務所で過ごした  その後の無罪放免となった今回の事態は あらためて日本の警察での拘禁制度の問題と改正が急務であることを明らかにした  ネパール人の移住労働者 マイナリさんは1997年3月に起きた東電女性殺害事件の犯行を一貫して否定してきた  

逮捕された当初 マイナリさんは弁護士への接見も許されず 公判前の取調べ中 警察官によって殴打されたり 蹴られたり 壁に押し付けられたりした  
アムネスティ インターナショナルは1回目の公判後 マイナリさんは公正な裁判を受ける権利を奪われている との懸念を表明した  

検察は当初 彼が関与していないことを示すDNAの証拠を出さず 去年7月になってようやく開示した  マイナリさんの無罪放免は 彼が受けた扱いの不当性のみならず 現制度が国際基準に合った公正な裁判を永続的に妨げることをも白日にさらした  
警察は 取調べ中に自由裁量で権力を行使し 被疑者を日常的に拷問や虐待を繰り返し 弁護士との接見を妨害した  これらは到底受け入れられるものではない  

日本では代用監獄制度のもと 被疑者は起訴されることなく最長23日間まで勾留され 弁護士との接見も制限される  アムネスティと国連は共に 人権条約義務に違反するこの制度の廃止 または抜本的改正を繰り返し求めてきた  取調べ時間についての規則はなく 取調べのすべてが記録されることもなく 弁護士の立会いも認められない  

アムネスティはこの制度のもとで 殴打 脅迫 睡眠時間のはく奪 取調べ中の日常的な拷問や虐待 長時間不動で立たせたり座らせたりするなどのさまざまな扱いを記録している  日本の司法制度 このような状況で得られた「自白」を偏重している 日本政府が司法の名に値する制度を確立するのであれば まず早急にこのような権力の濫用を止めるべきである  国際人権法にのっとった取調べの過程を実現するには 抜本的な制度の改正が必要である  
改正すべき点には 取調べ中を含めた被拘禁者による無条件の弁護士との接見公判での使用を目的とした取調べの全過程の録音 録画 拘禁施設内の監視を含む  

 

●ネパールの詩

■遠い声  ドルガ ラール シュレスタ選詩集  翻訳 藤井正子氏

たそがれ

   庭いっぱいに花は咲き乱れ

   やさしい風が吹き抜ける

   物憂いながらここにはすべてがあるが

   私の思いはどこかあらぬところを彷徨っている

 

   木々のかすかな葉擦

   こぼれる霞のすんだ水音

   それだけで言いようのない不安に駆られる

   まるで古い記憶に取り付かれかのように

   あるいは 今にもおこりそうな破滅と向き合ったかのように

   

   見よ 高い椰子のこずえの間で

   太陽は旅のおわりに近づきつつある

   同じくこの私も 今や消えかかろうとしている

   暗闇はおそろしい速さでやってくる

   どこにこの身をあずけたらいいのか

   苦悩の中でもがいている 私の心

1998

 

ある疑問

   息子らがおり 娘らがおり

   妻もそばにいるというのに

   私の心の奥底では

   何かが欠けていると強く感じる

   たっぷり食べて 十分満足しているのに

   晴れぬ心が私に訊ねる  

   誇れるものが あるのかと

   このところ眠りにさえも背を向けられて

   気持ちの通じる者は誰もいない

   どこに触れても その冷たさに身がすくむ

   もしかすると私は

   もう生きてさえもいないのではなかろうか

1998

NBSAネットニュース 編集と文責 渥美よりこ 

2012年12月7日

 

住所:千葉県柏市 松葉町 6−8−1 (電)04−7136−0505
(ポコアポコ気付:ネパールの視覚障害者を支える会)

ホームページ http://NBSA.sakura.ne.jp/
本会の活動や最新版の会報誌を更新しています  ぜひご覧ください
NBSAネットニュースは音声パソコン対応編集をしていますが お聴き苦しい点がありましたら yorikonepal@hotmail.com へご連絡ください  
NBSAネットニュースは会員以外の様々な方にも流しています  受信をお望みでない方は ご面倒でもご連絡ください 
ネパールの視覚障がい者障害者を支える会
Nepal Blind Support Association NBSA)設立2002年3月1日

当会は皆様のご支援を頂いて 設立10年を迎えました
主な事業は様々な本や教科書を音声化し 視覚障がい者の娯楽や勉強に役立て 将来の自立に向けたサポートを行っています  現在ネパールには視力に障がいのある小学校教員が400名ほどいて 皆自活の道を歩んでいます  中にはNBSAの奨学金で大学を卒業した人もいます 今後とも皆様のご支援賜りますよう お願いいたします  
一般会費 一ヶ月500円  年間6000円 
特殊割引会費 年間3000円
郵便局 振込み番号0190−7−762775 ネパールの視覚障害者を支える会


 

--
--
新規で投稿される場合は 下記アドレスへ投稿してください
nbsa@googlegroups.com
その他 問い合わせ等は中村までお気軽にどうぞ
nakamura@kintoto.net