――― NBSAネットニュース 2013年1月号 ―――

 

謹賀新年 新しい年が始まりました  皆様方には楽しいお正月を過ごされたと思います  

もう年賀状の整理は済みましたか?NBSAのネットニュースは毎年お正月気が抜けたころに配信させていただいています  3が日まではどなた様も忙しいことと存じますので 成人式の終わった頃に配信  今年もしっかり読んでくださいますよう スタッフ一同お願い申し上げます  

 

ところで、ネパールでも数年前から西暦の1月1日が国民の祭日になりましたが お祝いをする人はおそらく5%未満でしょう  やはり豊穣を祈るダサインや 華やかで娯楽性に富んだ光の祭りティハールのほうが 人気があるようです お祝いのスタイルは違っても 年をあらためるのは気持ちが引き締まります

NBSAスタッフ一同 今年も大勢の視覚障がい者に愛されるよう 頑張っていきます

本年度もよろしくお願い申します  

 

ネパールの視覚障がい者を支える会 現地会長 ビソ アディカリ  

現地コーディネーター 渥美 よりこ

 

2012年12月現地活動報告 
定例活動

@ オーディオライブラリ事業 

長編古典小説1冊完成  大学生向け教材  その他最近のベストセラー小説1冊のほか軽い娯楽本を仕上げました  私たちは視覚に障がいがある人々のために 小説や 大学生レベルの教材を読み上げ CDなどに編集し 1枚30円で提供しています  本などを読んでくれるのは学生ボランティア  おやつと交通費だけで働いてくれる 心優しい女性が中心です  

 

とてもうれしいニュース

カトマンドゥ盆地外の盲人団体 盲学校からCD小説の注文が増えています  こうした需要に迅速に答える為 私たちは長距離バスなどの運転手に運搬をお願いしています  そして 現地の需要者にバスの停留所まで取りに来てもらっています  いわゆるネパール式宅急便ですね  

 

A点字情報誌タッチ 33号完成

こちらはそれなりに進んでいますが やはりCDのように短時間で仕上げるのは大変に難しい  なんと言っても点字パソコンが難しく タイピストが少ないのです  でもやっぱり自分の指で読んだ書物と 聞くだけのCDとでは点字の方が記憶に残る と言われる方々が多く 特に年配の方々に喜ばれています  

 

おしらせ  事務所の開館日が変わりました

今年も電力が不足で作業が難しくなり 1月から週2回 水曜日と土曜日開館しています  深刻な水不足も懸念され ボランティアやスタッフへのお茶も倹約が必要になりました  もしかしたら4月頃には事務所の開館が さらに短縮されるようになるかもしれません

 

ネパールのニュース

計画停電のお知らせ 

またまた厳しい季節が巡ってきました  乾季に入ると ネットニュースには必ずこの話題が上位を占めます  特にカトマンドゥ市民を苦しめるのが停電 そして断水  

1月1日現在 通電している時間帯は 1日15時間  給水制限はかなりきつい  

電気もお水も節約する季節が巡ってきました  灯油 ガソリン ガスも不足気味のようです  

 

識字率調査結果

識字率とは字が読めない人の割合です  ネパールの識字率(5歳以上)は54.1パーセントとのこと  これは昨年に実行された人口調査から外れていて少し古いのですが 驚くべき数値  字の読み書きができないので 詐欺にあい田畑を簡単に売却されてしまうケースもよくあるそうです  

 

国政選挙

ここ数年ネパールの5月は何かが起こると予言されていた  政局が変わったり選挙の計画があったりであるが 今年もコングレス党等は来年5月中旬を目途に選挙を計画している  選挙管理委員会は選挙実施には3カ月程度の準備期間と法律の改正が必要であり難しいとの判断をし 各政党に伝えた  


ネパールと中国間のシンポジウム

今月4日 カトマンドゥにおいて2国間の関係についてのシンポジウムが開催された  

参加者はネパール側からは 副首相兼外務大臣のシュレスタ 中国側からは楊厚蘭駐ネパール大使が参加した  楊大使は周辺国家の発展促進について 「両国関係の前景は広く 互恵協力の潜在力は大きい  双方はハイレベルの接触と交流を強化し 実務協力の開拓に努め 人文交流の拡大を図り 地域及び国際問題での協力を強化するなどして ネパールとのパートナーシップを充実させるべきだ」と強調した  

 

これに対し ネパールのシュレスタ副首相は 楊大使の見方に賛同し 「ネパールと中国はこれまで 互いに信頼し支持し合い 双方の友好協力関係は順調に発展してきた」と応じ ネパールは 「一つの中国」政策を堅持し ネパールのニュースメディアに向けて「両国関係の促進にいっそう積極的な役割を果たしてほしい」と期待を寄せた  

 

ネパール関連ニュース

三浦さんネパール側の登山を決定 

1月7日  サンケイニュース 

今春に80歳で3度目のエベレスト登頂を目指すプロスキーヤーの三浦雄一郎さんは7日 東京都内で遠征メンバーとミーティングを行い 国際情勢などを考慮して 今回もネパール側から登山を行うことを決定した  遠征メンバーは登攀(とうはん)隊長を倉岡裕之氏(51) 撮影担当を平出和也氏(33)とし登頂に向けたサポート体制をより充実させることになった  

チベット側からの登山許可が3月下旬までに下りるか依然不透明なため 早期に計画や装備など体制を整えることが重要だと判断した  計画では 三浦さんは3月末に出国  4月からのエベレスト街道トレッキングで これまで1日でこなした行程を2日間かけて歩くゆっくりした高度順化を実施する  

標高約4300メートルのディンボチェに到達後はボカルデ(5806メートル)で高度順化を行い 19日ごろにエベレスト ベースキャンプ(BC 約5300メートル)に入る  その後は登頂に向けた順化をさらに行い 5月中旬の登頂を目指す  

また 三浦さんは本番に向けた持病の不整脈の治療のため 今月中旬にも再手術を受けた  昨年11月に行った手術後のトレーニングや負荷テストの結果 1度の手術では十分に不整脈を抑えることができなかったと判断 手術による治療が最善と判断した 

新たに登攀隊長となった倉岡氏は海外の高峰登山ガイド経験が豊富で エベレストに計5回登頂 撮影担当の平出氏は2008年に谷口けい氏とインド カメット(7756メートル)南東壁初登攀を果たし 日本人初のピオレドール賞を受賞している  

ネパールの世界遺産河口慧海(えかい)のインド滞在日記など 新たに見つかる

読売新聞

堺市は9日 日本人で初めてチベットに入った同市出身の僧 河口慧海(えかい)(1866〜1945)がインド滞在中に記した日記帳や 書簡13通 写真など21点が見つかったと発表した  

23日から来月17日まで 同市博物館などで一部を展示する  

慧海は1900年 原典に近い経典を求め 鎖国状態のチベットにヒマラヤを越えて潜入  帰国後に旅の様子をまとめた「西蔵旅行記」は英訳され 国内外でベストセラーとなった  その後も仏典研究のため インドやネパール チベットを訪ねた  

資料は 幼なじみだった実業家肥下徳十郎(1866〜1915)の孫が保管  日記帳は縦20.5センチ 横13センチで 慧海が2度目のチベット入りを前にした13年 インド滞在中に使ったもの  約200ページのうち85ページは中央が長方形に切り抜かれていた  帰国後の15年の新聞記事に「チベットで命を落とすかもしれないので遺書などを箱に入れて肥下氏に送った  箱の鍵は日記をくりぬいて入れ 小包で送った」とあり この日記帳とみられる  

チベット行きの際に肥下氏から様々な援助を受けたことがうかがえる書簡や 慧海が当時のダライ ラマ13世から下賜されたチベットの民族衣装を身につけた写真もあった   問い合わせは 市文化財課(072・228・7198)

 

ネパールの詩

遠い声  ドルガ ラール シュレスタ選詩集  翻訳 藤井正子氏

 

ただひとつの望み

   書くこと 表現すること 行動すること

そんなことは二の次だ 

些細なことにこだわり続けたら

いつ その答えがでてくるのか

 

どうやって器から掬い取るというのだろう

もしそこに何も入っていないとしたら

最も鋭い見識は

空っぽの器に何も入っていないと知ること

我々は銅貨に金メッキをする愚か者を嗤う

 

しかし 何もないところに何かを見ることの方が

よほど大それたうぬぼれではないか

 

私は気分がすぐれず

眼も 耳も 何もかも疲れ果てている

そんな私の たった一つの望みは

喜びも悲しみも 何も無いことを見つめること

それさえできれば

それでいいのだ

1999

 

歌の無いスウオンティ  

   野原で  畑で

   花や果物の 見事な花火が上がっている

   スウォンティを迎えるために

   だが 空に響く喜びの歌はどこにもない

 

   声の無い喜びの歌とは 一体なんであろう

もう聞くことがなくなった今

それがどれほどの意味をもっていたかがわかる

 

風景に色が無く 風も止まったまま

はるか上の方から 空が訊ねているようだ

お前の空を吹き飛ばしてしまったのは誰?と

 

前へと踏み出す度に 地面が足裏を刺す

大切にしていた私の土地は もうどこにも残っていない

そこには一面 棘が生い茂っているだけだ

 

本当の自分を見出せるだろうか

私は心の痛みの中に存在するのか

それとも 涙に曇る眼の中に存在するのか

自らに命じる 「自分を明らかにせよ」と

 

今日 私は光のスウオンティを祝う

自分の手足を照らし出しながら

空っぽの瓶から 心の盃へ

エッラーを注ぎ入れながら

 

註釈:カルティーク(10月〜11月)の月に 5日間行われるネワール族の新

年の祭り  たくさんの明かりを灯して祝うので灯明際とも言われる  

1999

 

NBSAネットニュース 編集と文責 渥美よりこ 

 

2013年1月15日

 

住所:千葉県柏市 松葉町 6−8−1 (電)04−7136−0505
(ポコアポコ気付:ネパールの視覚障害者を支える会)

ホームページ http://NBSA.sakura.ne.jp/
本会の活動や最新版の会報誌を更新しています  ぜひご覧ください
NBSAネットニュースは音声パソコン対応編集をしていますが お聴き苦しい点がありましたら yorikonepal@hotmail.com へご連絡ください  
NBSAネットニュースは会員以外の様々な方にも流しています  受信をお望みでない方は ご面倒でもご連絡ください 
ネパールの視覚障がい者障害者を支える会
Nepal Blind Support Association NBSA)設立2002年3月1日

当会は皆様のご支援を頂いて 設立10年を迎えました
主な事業は様々な本や教科書を音声化し 視覚障がい者の娯楽や勉強に役立て 将来の自立に向けたサポートを行っています  現在ネパールには視力に障がいのある小学校教員が400名ほどいて 皆自活の道を歩んでいます  中にはNBSAの奨学金で大学を卒業した人もいます 今後とも皆様のご支援賜りますよう お願いいたします  
一般会費 一ヶ月500円  年間6000円 


--
--
新規で投稿される場合は 下記アドレスへ投稿してください
nbsa@googlegroups.com
その他 問い合わせ等は中村までお気軽にどうぞ
nakamura@kintoto.net