――― NBSAネットニュース 2013年2月号 ―――

 

寒い日々が続きます  皆様お元気でしょうか? カトマンドゥの気温は2013年2月4日 最高21度 最低6度 と日中は日本よりかなり暖かなようです  

この季節になるとよく報道されるのが 二酸化炭素中毒死について  暖をとるために狭い室内に火を焚き たくさんの人が重ねあって寝ます  うっかりすると命を落とす  お気の毒な話ですね

春よ来い 早く来い  シバ神の降臨祭まで後数日 誰もが春の訪れをまっています  

 

2013年1月の現地活動報告 
定例活動

@ オーディオライブラリ事業  トーキングブック  話す本  

私たちは様々な小説や教科書などを読み上げ それをCDに移しかえ 多くの方々に原価20円で差し上げていました  本を読み上げてくださるボランティアの方々には 1日150円の交通費とお茶菓子を午後に出しています  貧しいネパールで このような愛がなければ続けられない仕事です

 

しかし会の経費では 一気に賃上げはできません  そこで役員会を開き 今後トーキングブックの利用者から 本一冊につき約50円を頂くことにしました  

これまでの倍以上の金額になるのですが どなたからも文句がでず 認証していただいています

 

A点字情報誌タッチ 34号の配布と35号の草案を練っています  2月半ばごろからタッチ35号の作成が始まる予定です  毎度同じような報告ですが  日中の停電がこの時期大変に長いので 点字誌の作成は本当に大変です  

 

おしらせ  事務所の開館日が変わりました

今年も電力が不足で作業が難しくなり 1月から週2回 水曜日と土曜日開館しています  深刻な水不足も懸念され ボランティアやスタッフへのお茶も倹約が必要になりました  もしかしたら4月頃には事務所の開館が さらに短縮されるようになるかもしれません  カトマンドゥのNBSA事務所にお越しの際は 事前にご連絡ください

携帯 98510 42416 ビソ アディカリ

 

ネパールのニュース

計画停電のお知らせ 

またまた厳しい季節が巡ってきました  乾季に入ると ネットニュースには必ずこの話題が上位を占めます  特にカトマンドゥ市民を苦しめるのが停電 そして断水  

2月1日現在 通電している時間帯は 夜間を含めて1日16時間  給水制限はかなりきついようです  今年もまた電気もお水も節約する季節が巡ってきました  灯油 ガソリン ガスも不足気味のようです 

 

サトウキビ製造業者の収入の改善策はないのか

ネパールのほとんどの農家は 市町村などから最低賃金保証など受けられない  不作のために離散する農家が激増している  庶民の飲み物 お砂糖をたっぷり入れたネパール紅茶も高価なものになりました  

お手柄空港逮捕

中近東に出稼ぎに行っていた女性が多額の所持金保持で空港で逮捕  

何のことないのですが すべてモニターに写し出されていたのがネパールではものすごく新鮮だったらしく 新聞に写真つきで載っていました 被害にあった女性の所持金は約50万円ほどだった

 

エベレスト登山の根拠地 ナムチェバザールで大火災

ナムチェは海抜3450メートル  私も数回行ったが 素晴らしくきれいだったけど 時間帯によってはものすごい強風が吹き荒れる  なんと4時間にわたってふたつのホテルが燃えてしまったそう  人的な被害がなかったことは不幸中の幸い

 

魔女狩りをした呪術師に禁固20年の判決  

昨年 黒魔術を使ったと非難され 最後には焼き殺された女性のことをネットニュースに書いたが 主犯者に禁固20年の判決が下された  ネパールでは魔女狩りによる女性虐待が後を絶たない  迷信やカーストによる差別 頑迷な家父長制が複雑に絡み合い 犠牲者は年間数百人と推計される  加害者の男らが罰せられることは極めて少ないと人権団体は批判している  

 

おっ こちらは進歩的な話題 ネパールの法務省 身分証への 第3の性を認める

ネパール政府関係者は1月23日「ネパールは身分証の性別欄に第3の性別を記入することを許可する」と語った  ネパール内政省の幹部は記者に対し 「内政省は下部組織に新規則?の実行を指示している  今後こうした身分証を必要とする人は誰もが申請できる」と発表  
ネパールの最高裁は5年前に「政府は立法により 両性具有者 同性愛者 両性愛層の権利を守る義務がある」と裁定した  

 

ネパール建国240年を祝う

ネパールが初代の王様 プリティビ ナラヤン シャハに統一されて240年経った

カトマンドゥ盆地内でネパール共産党 ネパールコングレス党などが参加し 今後ネパールが君主制に戻ることはないだろう いずれにしろ 国を統一した偉業は認めなければならないと演説  ネパールは いわゆる少数民族と呼ばれる人々がたぁくさんいる国  油に火をそそいだことにならないとよいのですが  

 

ネパール関連ニュース  日本とネパール

インドと中国に挟まれた国ネパールを改めて実感

某中国紙によると インド政府と同国の官僚はここ数年間 いわゆる「中国威嚇論」を絶えず吹聴し 中国の正常な経済投資活動が「インドの国家安全に危害を与えている」と主張していると環球時報が伝えた  この記事によると インドの国防研究開発機関は昨年12月初頭 中国がモルディブに提供した6000万ドルの低金利融資と 中国の通信会 華為 中興などがネパールで投資を行うことを例に挙げ 「中国がインド周辺地域でパートナー関係を発展させること インドと周辺国家の通信とインターネット通信に潜在的な危害をもたらす」とする警告を発した  インド通信省はこのほど 隣国との関連問題に関する話し合いの場を増やして科学技術専門知識と融資の面で これらの隣国に競争力のある条件を提供するようインド政府に呼びかけた  同機関と他の政府部門は インド政府がモルディブやネパールなどで大規模な投資を立案し 自国の通信技術を通じて隣国との関係を強めることを提案している  

 

写真展:ネパールの空気感じて 三郷の原さん 大阪で来月1日から 

奈良毎日新聞 1月20日

昨年春に写真集「ネパール紀行 新たなる出会いを求めて」を自費出版した三郷町のアマチュア写真家 原喜久雄さん(71)が2月1〜7日 富士フイルムフォトサロン大阪(大阪市中央区備後町3)で写真集に掲載した作品を中心にした写真展を開く  在日ネパール大使館が後援する  

 

ネパールは08年5月 王制から共和制に移行 現在 課題を抱えながらも躍動感のある国づくりが進められているという  ネパール国内を丹念に巡り 豊かな自然や市井の人たちの魅力的な表情を切り取った原さんは「この写真展から 新しい国づくりに向けて動き出した 今のネパールの空気や生活感を感じていただければ」と話している 
午前10時〜午後7時(最終日のみ午後2時まで)無料 問い合わせは富士フイルムフォトサロン大阪(06・6205・8000)

 

読者の投稿 純ちゃんのネパール日記

NBSAの会員で 会報誌に 2度ネパール旅行記を投稿してくださった小島純子さんにまたまた投稿をお願いしました  題して「4回目のネパール旅行」

 

私は盲学校で教師をしている全盲の女性です  小学生時代からネパールが大好きで この冬4回目のネパール旅行をしました  4回ともすべて一人で行きました  全く目が見えていないのに 一人で海外に出かけるなんてもしかしたらだいぶ驚かれるかもしれませんね  でも毎回安心して旅行を楽しんでいるのです  その理由はふたつあると思います  

ひとつは友達の存在です  私が盲学校の小学部で学んでいたとき ネパールからの留学生と出会いました  寄宿舎でまるで姉妹のようにすごし  20年近く経った今でも連絡を取り合っています  今回も彼女の家に8泊すべてお世話になりました ネパールに行って彼女や彼女の家族と過ごすのがとても楽しみなのです  もうひとつはネパール語が話せることです  ネパール語で意思疎通ができれば 目が見えなくても安心ですし いろいろな人と会話ができて楽しいです  


ネパールは停電や断水もありますし 日本に比べればまだまだ道なども歩きにくく不便なところがたくさんあります  でも人の心が温かい国でもあります  みなさも ぜひネパールに行ってみてください  そして一言でもいいのでネパール語で話しかけ ネパールの仲間たちと心を通わせてください  

 

純子先生 今回も投稿ありがとうございました  次回のネパール訪問はいつでしょうか  またよろしくお願いします  

 

ネパールの詩

遠い声  ドルガ ラール シュレスタ選詩集  翻訳 藤井正子氏

 

訴え

   どうかしばらくの間

   眼を閉じさせてくれ

   何も考えさせないでくれ

   もうたくさんだ 何も要らぬ

   私をそそのかすな

 

祈りよ しばらくまどろませてくれ

夢の中へ消えさせてくれ

終日 自分を見失ってはいるが

夢の中では見つかるかも知れないから

 

ああどうか せめて私が死ぬ前に

自分の死を悼む涙を流させてくれ

1999

 

NBSAネットニュース 編集と文責 渥美よりこ 

 

2013年2月10  

 

住所:千葉県柏市 松葉町 6−8−1 (電)04−7136−0505
(ポコアポコ気付:ネパールの視覚障害者を支える会)

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本会の活動や最新版の会報誌を更新しています  ぜひご覧ください
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ネパールの視覚障がい者障害者を支える会
Nepal Blind Support Association NBSA)設立2002年3月1日

当会は皆様のご支援を頂いて 設立11年を迎えました
主な事業は様々な本や教科書を音声化し 視覚障がい者の娯楽や勉強に役立て 将来の自立に向けたサポートを行っています  現在ネパールには視力に障がいのある小学校教員が400名ほどいて 皆自活の道を歩んでいます  中にはNBSAの奨学金で大学を卒業した人もいます 今後とも皆様のご支援賜りますよう お願いいたします  
一般会費 一ヶ月500円  年間6000円