――― NBSAネットニュース 2013年12月号 ―――
毎日寒い日々が続きますが 皆様お元気にお過ごしでしょうか
カトマンドゥの日本大使館では 今年も2度咲きの桜が開花した
本当に強いものですね 今年の夏は例年になく大雨が続き 多くの草木が枯れてし
ましいましたが ここの桜だけは辛抱強く時期を待ち 晩秋にまた可憐な花びらを開いてみせてくれました
ひっそりしたその姿に似合わず ほのかな香りは だれをも魅惑するもの カトマンドゥに咲く秋桜は 美しいネパールの女性のようです
さて2013年最後のネットニュースとなりました 今年も皆様には大変お世話になりました 来年3月の閉幕まで全力を挙げて ネットニュースを配信いたします 乞うご期待 そしてよいお年をお迎えください
■11月の定例活動報告
@オーディオライブラリ事業とトーキングブックの作成
ネパールで一番重要な祭り ダサインとティハールが終わり 仕事に専念できると思っていましたが 憲法制定に向けての選挙戦が過激なデモに変わり 残念ながらそれも叶いませんでした ただ一冊 仕上げられたのは 身体に障がいを持たされて生まれ それを克服し公務員になった女性の半生を描いた小説の音訳です
政治的に不安定な時だからこそ このような生きることを尊ぶ小説を 視覚障がい者のみならず 多くの人々に 聞いてもらい 読んでもらいたいと願っています
A点字マガジン
点字による隔月刊行誌 タッチ壊滅状態
これまで編集 タイプをしていたニルマル君の後任がいまだに見つかっていません 候補者はいるのですが ネパールの祝祭日が続き 挙句に国中が長期のゼネスト 今のところ 伝統あるNBSAの点字誌の発行は かなり難しくなってしまいました
読者層の高い年配の人々には残念無念
B現地ボランティア募集中
すでに何度かお知らせしましたが NBSA は常にボランティアを募集しています 国籍問わず ネパール語の音読ができなくてもかまいません 来年度から独立するNBSAの運営部門を現地で お手伝いしていただければ幸いです 立候補 お待ちしています
■ネパールのニュース
政治的安定を目指す 制憲議会選挙戦とりあえず終息
長きに至り制憲議会が解散し 憲法制定作業が中断しているネパールで選挙が行われた
11月19日 新たな制憲議会選挙(定数601人)の投票が行われた 2012年に連邦共和制に移行した 国の在り方を定める憲法が決まらないネパール 政治への不満を鬱積させたネパール国民がどのような審判を下すか これまでの選挙とは違う緊張感があったが 外国からの援助 指導を受けてとりあえず終わりました 今後のネパールの発展は どうなるのか皆目検討がつきませんが 後は野となれ山となれ それこそ ネパール国民自身にお任せ するところ 頑張ってほしいものです
■ニューデリー時事時11月28日配信 より
ネパール選挙管理委員会は28日 19日に投票が行われた新憲法制定のための制憲議会選挙の暫定結果を発表した 穏健派で親インド路線を取るネパール会議派が第1党を確実にする一方 旧与党のネパール共産党毛沢東主義派(マオ派)は大敗が濃厚となった 選管によると 小選挙区では240議席のうち 会議派が105議席を獲得したが 毛派は26議席にとどまった 定数335の比例代表でも会議派が90議席程度を確保する見込みである
■混ざり物の多いお菓子屋さん
10月と11月はお祭りが多く お菓子などのスイーツが大量に消費されるのが常だが 遺憾ながら品質管理がいまいち 食糧等品質管理局はカトマンズ盆地のお菓子工場の品質を検査した結果27の工場で管理局の基準に適しないお菓子等が摘発された
■インド政府が大量の車両を寄贈
インド政府は19日の制憲議会選挙に向けて政府の機動力を援助するため ピックアップ トラック450台 ジープ135台 乗用車30台 大型トラック75台 ウオータータンクを ネパールのコングレス勝利に伴い寄贈した
■そのとき外国人ツーリストはどうしたか
制憲議会選挙当日 民営旅行会社が シャトルバスを出したと聞いた それによると 無償で運行されたのは 5星ホテルだけ 中堅クラスのホテル客には大型リムジンで 数回に分けて空港まで運搬されたそうです まあネパールのサービスでは上出来であったと言えましょう 途上国では ちょっとした小銭も念のため持っているほうがよいかもしれませんね
ネパールの詩 最終回
■遠い声 ドルガ ラール シュレスタ選詩集 翻訳 藤井正子氏
恋人
どうしてこんなに朝早く来て
流れにランプを浮かべるのかね
少女の無邪気な答えはこうだ
恋しい方に手紙を送っているの
それで返事は来るのかい
カラスが持ってきてくれるのよ
うちのテラスの手すりの上を
ぴょんぴょん飛びはねながらね
もう一度 私は訊ねた
その人は君を訪ねて来てくれるの
ええ 夢の中でね
私がぐっすり眠っているとき
罪のない少女の話を聞きながら
私の心は喜びに満たされた
そして こう言った
疑うことを知らぬお前さんは
神様たちより幸せだよ
ドルガ ラールシュレスタ 略歴
1937年 カトマンドゥに生まれる
早くから詩を作り始め 20歳の時に発表した ジャスカー で一躍注目を浴びる
高校教師時代に出版した少年少女のための詩集は多くの学校で学習科目に採用され また 彼の作詞した数々の歌はカセットテープになって国民の愛唱歌となる
一方 政治社会の激動期を生き民衆政治を求める大衆運動にも積極的に参加する中 数多くの反抗の詩 人民の苦痛と悲しみを表現する詩を発表して同時代の人々に多大な影響を与える
詩 歌の作詞 翻訳をはじめドラマの脚本 演出など その幅広い活動により シュレスタ シルバー賞 を始め多数の賞を受賞 ネワールアカデミー会員 ロイヤルネパールアカデミー名誉会員
ネパールの国を代表する詩人の一人として 現在意欲的な活動を続けている
また ネパールの風土と空気が伝わってくる翻訳をされた藤井正子氏へ 敬意と感謝を表します
2013年12月4日
文責 渥美 資子
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ネパールの視覚障がい者障害者を支える会
事務局だより
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ネパールの視覚障がい者を支える会の事務局が柏市に移って2年目になりました これまではバザーやお祭りの時にネパール製品を販売 ネパールの視覚障がい者を支える会の運営資金をカンパしてきましたが これからもポコアポコの工房にネパール製品を置くことにしました ヒマラヤ山脈原産の 岩塩はとても美味しいと評判です ぜひ一度ご賞味ください
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ネパールの視覚障害者を支える会の変革と よりいっそうの発展を手伝ってくれる人を求めています
日本のNBSAの閉幕はまだ先ですが 引き続きの御援助 並びに指導を賜りたく存じます 今後ともよろしくお願い申し上げます
備考 また 正規会員及び支援者の方々には 会報にてこのお願いの書面を送付いたしました 内容が一部重複しますがお許しください