――― NBSAネットニュース2008年5月号 ――――

ネパールの視覚障害者を支える会(NBSA)の会員 支援者の皆様

 

お待たせしました  1ヶ月のお休みをいただいた5月のネットニュースです  

カトマンドゥはすでに雨季模様  激しく降る雨の合間に差し込む日差しは夏そのもの けっこう暑いです  でも木々の緑が一番輝いて見える時です  ネパールに戻ってみると 長い間ご心配かけました断水と1日8時間の停電がかなり改善されていました  あれ? どうやら嬉しがったのは私だけ  ネパールの友人達はそんなこと当たり前と 案外無感動でした  水がなければ洗濯を控えめに 電気がなければテレビをみない といった調子で ネパールの人って実にみごとに自然に順応しながら生活しているのだな と改めて感心しました  

 

さて このネットニュースは2002年から 様々な方々に配信をしています  おかげ様で好評ですが  途中からネットニュースを受信された方から もっと詳しくネパールの視覚障がい者やNBSAの活動について知りたい ネパールのことをもっと教えて というリクエストをときどきもらいます  そこで今回改めてご紹介したいのが NBSAのホームページです ホームページは苦手 と言わずぜひ一度訪問してみてください  

まず http://nbsa.sakura.ne.jp/ をクリックしてください

 

水色の画面に英語のテキストが出てきますが ここで慌てずに 日本語へ をクリックします  すると ネパールの視覚障害者について 日本語:という画面が出てきます  安心しましたね  そのまま読み進んでいくと 私たちはこのように活動していますと いうタイトルで 活動目的と計画が書かれています  

 

さらに今年の活動については 紫色の 詳細 (2008年度活動計画) を開いてください  ここには日本の事務局とネパール現地の事務局が2008年度に行う主な事業が書かれています  ははん 今年はカセットテープ本や点字雑誌の他に こんなこともやるんだな ということがわかります  

 

NBSA日本事務局のお知らせのコーナーもあります

日本語のメイン画面に一度戻り 左側 お知らせ イベントやスタディーツァー

http://nbsa.sakura.ne.jp/nbsa-stt.htm をクリックしてください

ここでは日本の事務局や会員の皆さんが積極的に参加してくれた 日本での活動を紹介しています  また 日本の会員がネパールを訪問し NBSAから支援を受けているネパールの視覚障がい者とのふれあいを目指した スタディーツァーの募集もこのコーナーに掲載します  本年度の募集は秋を予定しています  

 

毎月配信しているネットニュースと会報のバックナンバーは 活動報告の記録 http://nbsa.sakura.ne.jp/hotline.html から調べられます  2年間掲載した ネパールの民話もここから読めます  民話だけを編集してくださった人がいて大感激です

 

さらに ネパールについてもっと様々なことを知りたい方へのサービスもあります

また日本語のメイン画面に一度戻り 左側の目次を下に向って進んでいくと  

ネパールの豆知識 ネパールってどんな国? 

というコーナーがあります ここではネパールに関する統計のほか ネパール特有の地形や動植物そして様々な民族について紹介しています

 

ホームページはどうもゴチャゴチャしていている  読みたい部分がなかなか探せない という中高年の悩みもこれで一挙に解決  暇なときに好きなテーマを選んで読んでください  

NBSAは年間12回のネットニュースをインターネットで流しているほか 会員の方々には年3回会報を郵送しています  会員は常に募集していますのでどうぞよろしくお願いいたします  入会方法  http://nbsa.sakura.ne.jp/home-page.html#Members 

 

●現地活動報告 

4月の定例活動  小説の音訳と点字マガジンタッチの発送 

4月10日に行われた選挙のため 選挙前後4日間事務所を閉鎖しました  大勢の人が住民票のある故郷に戻ったため それにまた日本ではちょっと想像しにくいですが 選挙の前後は治安が悪くなると予測されたのです

 

●ミニコラム 高山病ってなに

早い話が酸欠です  高所では酸素が希薄になり 気圧の変化に体がうまく適応できなくなることですね  高所は平地と比べて酸素や窒素 二酸化炭素の各気体の構成比率は変わりませんが 気圧が低くなるため同じ空気体積中の各気体の量自体が少なくなります  少ない酸素の中で身体は酸素を多く取り込もうとするので必然的に呼吸の数を上げていきます  呼吸回数が増えると体の中から失われる水分量が増えます  呼吸数が多くなると身体の中に二酸化炭素がたまります  二酸化炭素は身体の末梢の血管を広げる作用があります  そこで高山病にかかった人は 体がむくんだ気がしたりあくびが出たりし始めます  なんだかぼぉとした気がしたら要注意  すぐに標高を下げてお水をたくさん飲みましょう またガイドの言うことに従い下山する覚悟も必要です  無理せずに  特にグループでトレッキングに行く場合 楽しいムードを台無しにしないよう心がけましょう 

 

●ネパール関連ニュース

― 少しきれいになったカトマンドゥの空

ガソリン価格の高騰が深刻化し 市民が自家用車の運転を控えるようになった  その反面 公共バスは常に超満員で無理やりに詰め込み バスからはみ出て立ち乗りをする人の事故が続発している

 

−ネパール伝説の英雄 ヒマラヤンタイガー ネパールでは賛否両論

3月23日の靖国神社奉納プロレスで ちょっとだけ話題になったネパールのプロレスラーヒマラヤンタイガーは 本国ネパールであまり評判がよくない  まず婦人団体が残忍なスポーツをテレビで流すな と声を上げたほか 品がなく国の名誉を傷つけたなど批判されている  タイガーはネパールの力道山を目指しているそうだが 何だか古臭い感じ

 

−アーバちゃんのファミリーが揃いました

腸ねん転のためネパールで壊死した小腸を摘出し 昨年9月東北大学病院 仙台市 で治療を受けるために来日したアーバ ドゥワディちゃん8歳  回復は順調でもアフターケアがネパールでは無理  長男のアバス君をチトワンに残したままの来日だったがこのほどアバス君を日本に呼び寄せることになった  これまで治療費や滞在費などは 同病院の医師らが設立した アーバちゃん基金 により賄われていたが 家族は日本で職を見つけアーバちゃんの治療に専念するとのこと  お父さん頑張れ 仙台市民の熱いまなざしが見守っている

 

−ネパールにも韓風が吹きそう

親切なクムジャさんやシュリで有名なニヒルな韓国俳優 チェ ミンシクは2005年 の映画 クライング フィストの後 沈黙していたが チョン スイル監督の映画で 死亡したネパール労働者の遺族に遺骨を届けるため ヒマラヤの山村を訪ねる人物を演じる そのロケのため4月に来ネ  最近ネパールでの撮影を終えたという

 

−三浦雄一郎 75歳の挑戦

今期のオリンピックは聖火リレーの行くところ どこでも厄介事が生じているが 元スキーヤーの三浦雄一郎氏のエベレスト遠征は 中国側からの登頂を避けて急遽ネパール側からのアタックに変更  遠征隊は20日早朝 ベースキャンプ BC 標高5300メートルを目指して出発した  

 

●ネパール時の動き   

久々にネパールのニュースが日本で何度も報道された 熱く燃えたネパールの4月

−4月と5月チベット問題  ネパールにはチベット人が2万人強在住する  多くのチベット人住民が連日在中国大使館の前で抗議行動を行った  毎日100人以上が逮捕されたと報道されたが逮捕者の総数は明らかにされていない  特に脚光を浴びたのは 言論の自由を損なわれた民を表現するために在ネのチベット住民が プラカードも持たず 無言でカトマンドゥ市内をデモ行進した日  当然多数の逮捕者が出て国際ニュースでも報道された  本日現在も中国大使館にはネパールの軍隊が出動していて ものものしい警戒態勢を敷いている  犬猿の仲の大国 中国とインドに挟まれているネパールは 微妙な立場に立たされている  

 

−4月10日 ネパールの歴史に名を残す 2008年制憲議会選挙  

この選挙は 比例代表制と直接選挙を混在したシステムで実施された  各地方から239人の議員が直接選挙で選ばれ 333人が比例制の議席配分となった  残りの26人は市民団体 人権団体 障がい者 知識人の中から指名されることになる  今回の選挙では障がい者の議席がひとつだったため ネパール全国障がい者連盟が抗議と追加の議席確保の為に現在ハンストを行っている  この選挙で最も脚光を浴びたのは 10年間山岳地帯を中心にゲリラ戦を展開していた ネパール共産党マオイスト派CPNMaoistで 彼らの戦略である中央政界への進出が実現し  全国的に最高位の得票を獲得した  この選挙はネパール新憲法制定のための制憲議会選挙 定数601人を巡って争われたが 毛派が220議席を獲得した  毛派は 第二党のコイララ首相率いるネパール会議派 110議席や 第三党の統一共産党 103議席などとの連立政権を目指すが 各党には毛派との連立に対する警戒感も根強く 主要政党間の連携を維持できるかどうか危ぶむ声も出ている  初の制憲議会は5月28日に招集される予定であるが遅延の可能性がある この日は主要政党による昨年末の共和制導入の合意に基づき 王制を廃止する宣言を下す予定である 1769年 シャー王朝の成立後 240年続いた同王朝は民意によって幕を閉じることになる可能性が高い  報告シュレンドラ ガウタム 

 

●コメント 

ただしギャネンドラ現国王がすんなりと退位に応じるかどうかは 不透明な部分が残る  

また 毛派の指導者でネパール初の大統領候補 プラチャンダ書記長は 国民は我々に新憲法制定を託した 毛派の一党独裁を恐れることはないと公言したが 正直言って 国民の大多数が 長きに亘った戦闘が終結すればもう誰でもよい と思っている感じがする 何しろこの5年間で3万人の命が犠牲になったと聞く  何はともあれ 選挙は終わった  

名もなきネパールの民草はこれからどこへ流れて行くのだろう  渥美よりこ 

各政党の得票数に興味のある方は nbsa@mail.com.np にご連絡ください 折り返し添付でリストを送信します 

 

●グルカ兵の物語 4 名もなき兵士

 

1915年2月以来 スエズ湾岸のあるアラブ人の村の郊外に ひとりグルカ兵が眠っています  グルカ兵の死は村を襲撃している時の出来事でした  グルカの部隊は夜中に船で到着し 翌日の正午までに村での戦闘はすべて終わりました  この戦闘でグルカの部隊は60人以上の敵を殺し 100人を捕虜にしました  この部隊の勇敢なグルカ兵が埋葬される時 英国海兵隊から葬列儀仗隊が参列し その海域にいたすべての英国の船は半旗を掲げました   

連隊史には埋葬に関して このグルカ兵のようなライフルの名手はこれまでいたこともなく これからも現れそうにない  その名誉を称えて彼らの墓を訪れる と記されています  第一次世界大戦中は 指揮官は手厚く葬られることはなく 何千もの戦死した兵士はたちまち溝にシャベルで穴に放り込まれて 粗末な式典しか行われませんでした  英国軍の歴史家は 残念なことに誰も個々のグルカ兵の名前を記録することすら考えていなかったと記しています                    翻訳 西村 希志子

 

●事務局便り
4月19日に開催された総会の報告
2008年度NBSA総会は平成120年4月19日(土)かごしま市民福祉プラザ ボランティアセンターにおいて開催  議題はNBSA会則の一部変更 2007年度事業報告と決算報告および2008年度事業計画と予算案で いずれも原案通り承認されました  詳細はNBSA会報6月号に掲載を予定しています

 

●事務局からのお知らせ

2008年4月1日よりNBSA事務局が鹿児島から千葉県へ移転しました

新事務局住所 〒2840005 

千葉県四街道市四街道1−9−3  視覚障害者総合支援センターちば内 NBSA
電話 043 424 2501  FAX 043 424 2486

事務局担当者  高梨 憲司 どうぞよろしく

 

編集と文責 渥美よりこ カトマンドゥ在住

2008年5月21日

 

NBSAhttp://nbsa.sakura.ne.jp/ 

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